10月 242012
先日、神戸市立博物館で有名なフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」別名「、青いターバンの女」を見てきた。この絵を見ることによって、現実にはあり得ない少女の眼差しを見る、感じることができる。潤んだ唇をかすかに開き、少女はその肩越しに、大きな灰青色の瞳をこちらに向けている。何もかも見透かしたような、謎めいた表情を画家は巧みな技法で作り出している。そう言えば、NHK衛星放送の「極上美の饗宴」という番組で写真家の篠山紀信氏と共にこの絵を分析していた。
そのときにその番組で分析していたことが以下である。
・フェルメールのアトリエは北向きだった。北のやわらかな光と、カメラオブスキュラによるやわらかな輪郭のぼけが、彼の絵画の特徴となった。
・「真珠の耳飾りの少女」の絵の首の角度だと、実際には真珠には光はあたらない。真珠に光があたるには、少女はもっと正面を向いていなければならない。
・また、真珠に光が当たる場合、真珠の後ろ側にはターバンが映り込むはずだが、それが描かれていない。異なる角度からの見え方を一枚の絵に描いていることがわかる。
・当時のオランダには、絵に描かれたように大きな真珠は存在しなかった。このサイズの真珠は、19世紀の日本で養殖によって初めて可能になった。フェルメールは真珠の存在感を増すために、あえて大きく描いた。
・唇の右端の光は、1994年の修復によって発見された。
・少女の左右の眼の角度は微妙に異なっている。
・「真珠の耳飾りの少女」の絵の首の角度だと、実際には真珠には光はあたらない。真珠に光があたるには、少女はもっと正面を向いていなければならない。
・また、真珠に光が当たる場合、真珠の後ろ側にはターバンが映り込むはずだが、それが描かれていない。異なる角度からの見え方を一枚の絵に描いていることがわかる。
・当時のオランダには、絵に描かれたように大きな真珠は存在しなかった。このサイズの真珠は、19世紀の日本で養殖によって初めて可能になった。フェルメールは真珠の存在感を増すために、あえて大きく描いた。
・唇の右端の光は、1994年の修復によって発見された。
・少女の左右の眼の角度は微妙に異なっている。
以上である。要するに私たちは現実には、あり得ない少女の「眼差し」に誘惑されるのである。いい絵である。本物を見に行く価値は高い。
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