以前、「アメリカニズムの終焉」というレポートで、下記のようなことを書いた。以下。



考えてみれば、私は、日本人なのに能や歌舞伎よりハリウッド映画の方をよっぽどよく知っている。ビビアン・リー主演の「風と共に去りぬ」は20回以上見たし、オードーリー・ヘップバーン主演の「ローマの休日」も10回以上見ている。冷静になって振り返ってみれば、戦後のアメリカ文化の日本への浸透にはすさまじいものがある。フジテレビに対して現在、韓流偏重放送だと抗議している人たちがいるが、アメリカ偏重はその比ではないだろう。



 私たちの世代は、訳もわからず、「トムとジェリー」というアニメを見させられ、「ベン・ケイシー」や「コンバット」、「パパは何でも知っている」、「奥様は魔女」というアメリカのテレビドラマの再放送をずっと見させられ、米国の中流家庭の文化的な生活に憧れを抱くように誘導されてきたのである。小学校でもディズニィーのアニメ映画を何回か見せられた記憶がある。「巨人の星」という人気漫画に出てくるスプリングの塊の「大リーグ養成ギブス」、まさにアメリカメジャーリーグに対する憧れそのものである。その流れがあったからこそ、我々は、野茂、イチロー、ゴジラ松井秀喜のメジャーリーグでの活躍に心を躍らせたのではないか。



 私たち日本人をこのようなアメリカによる心理的占領下の状態に封じ込めておくために、米国のエリートたちは、自分たちがコントロールできるマイクロ波通信網を日本、東南アジアに張り巡らせるべきだと終戦後、考えていた。

そして、A級戦犯だった正力松太郎という、飛んでもなく活力に溢れた野心家が、CIAから「ポドム」というコード名までつけられるほどに、米国に入り込み、おのれの野望を達成しようと邁進していく。その結果、彼は日本の「テレビの父」、「原子力の父」となった。 

 たしかにそれは、戦争に負けた国の中でしたたかに生きた男の成功物語であることは、間違いない。問題なのは、彼がCIA=米国の力を利用しながら、築き上げたのが、日本テレビや読売新聞といった国民世論に大きな影響を与えるマスコミ王国だということにある。いまだに多くの国民は、プロ野球の巨人戦を放映する日本テレビが、CIAという米国の国益を追求する諜報機関に便宜を図ることで、今日の成功を勝ち得た側面を知らないのではないか。 

当たり前のことだが、このような出自の報道機関が公正、中立な報道をすることは、きわめて難しいことは誰にも、容易に想像がつくことである。

 日本の戦後史は、こういった不都合な真実を隠す、敢えて見ないようにすることによって成り立っていた。しかしながら、その限界が、昨年の311・東日本大震災によって多くの人にも見えるようになってきている。



 今回は、われわれ日本人が、戦後テレビ放送を楽しむようになった真実の歴史を知る上で、きわめて有用な本を紹介したい。6年前に読んだ本を紹介するのは、恐縮だが、戦後史の事実を少しでも多くの方に知っていただきたい。過去から学ばなければ、新しい日本の未来を切り拓くことはとても無理だと考えるからである。

今回、紹介する本は、有馬哲夫氏の「「日本テレビとCIA~発掘された「正力フアイル」~」である。



 ◎有馬教授が米国公文書館の公開された外交機密文書から明らかにした事実は以下。

 

 正力松太郎氏がCIA工作員として、読売新聞、日本テレビ、プロ野球・読売巨人軍を創立し、その経営資金がCIAから出ている事実は、米国政府の心理戦争局の内部文書Records Relating to the Psychological Strategy Board Working Files 1951-53に明記されている。

正力松太郎氏のCIAファイルは、圧倒的な量だった。同じCIAファイルとして既に研究されている岸信介元首相や重光葵元外相のものと比べても、圧倒的なボリュームである。CIAが正力松太郎氏を徹底してマークしていた証明である。CIAは、正力氏を「PODAM(ポダム)」という暗号名まで付けている。

1951年、公職追放を解除された正力松太郎氏は、日本テレビを作ろうと資金集めにかかる。VOA創立者のサウス・ダコタ州選出の共和党右派・上院議員カール・ムントは正力松太郎氏に、VOAのTV版創立を働きかける。

その結果、CIAの資金提供で、日本テレビは創立されることとなった。

 その目的は米軍が日本本土で行う軍事作戦に関し、日本人が関心を持たず、警戒せず、無知で居続けてもらうためだった? TVで、娯楽番組、スポーツ番組を大量に放送し、そちらの方に、日本人の意識を反らすためだったのである。このことを「心理的再占領状態」だと米国は明言している。



たしかに正力松太郎氏とCIAが共に夢見た「マイクロ波通信網」は潰えたが、両者の共生関係はその後も途切れることはなかった。 

以前、レポートで紹介したように正力氏はその後、原子力開発行政に深く関わることになっていく。読売新聞と日本テレビはフル稼働で原子力のイメージアップに努めた。

CIAも原子力に対する日本の世論を転換させたのは正力氏の功績だとはっきり認めている。



 正力氏は、1920年、警視庁官房主事として、戦争に反対する労働組合等を弾圧する仕事をしていた。その後、1924年、読売新聞を買収。この新聞で、第二次世界大戦中、戦争を煽った事によって、読売新聞の事実上の創立者である正力氏は、45~48年まで戦争犯罪の容疑で巣鴨拘置所に拘置されることになった。

上記に書いたように1951年、公職追放を解除された正力松太郎氏は、日本テレビを作ろうと資金集めにかかる。

当時、世界の覇権国としての姿を現しつつあった米国には、アメリカの政策が正しいと宣伝する目的で、米軍の別働部隊としてラジオ放送局VOAをつくっていた。

VOA創立者のサウス・ダコタ州選出の共和党右派・上院議員カール・ムントは、部下であるニューヨークの弁護士=議会対策の顧問弁護士であり軍人でもあったヘンリー・ホールスウセン少佐を、日本に派遣し、正力松太郎氏に、VOAのTV版創立を働きかける。ヘンリー・ホールスウセンはユニテル社という極東全域を支配する、米軍用TV企業を経営していた。

正力松太郎氏は米国・国防総省と政界に強いコネを持つ、ワシントンのマーフィー・ダイカー・スミス&バーウェル法律事務所を通じ、アメリカ国防総省に、日本テレビを日本支配=米国の政策宣伝TVとして創立する趣旨を伝え、ペンタゴンに協力を要請、承諾を得る。この「提携」の下、CIAの資金提供で、日本テレビは創立されたのである。

この米国の支援による、日本テレビ創立には、アメリカ上院外交委員会のバーク・ヒッケンルーパー上院議員、ジョン・スパークマン上院議員、軍事委員会のエベレット・ダークセン上院議員が、「米軍が日本本土で行う軍事作戦に関し、日本人が関心を持たず、警戒せず、無知で居続けてもらうためには、TVで、娯楽番組、スポーツ番組を大量に放送し、そちらの方に、日本人の気を反らす必要がある」として、議会への説得工作を展開したようである。

敗戦当時、日本にはテレビ局はNHKしか存在しなかった。米軍は3S(スクリーン、セックス、スポーツの3sのこと、終戦後アメリカは日本人があまり政治のことなど深く考えないように「3S作戦」なるものを占領政策として実行した)作戦実行のため、読売新聞の創立者、正力松太郎氏とともに日本テレビ放送網の創立を目指したのである。

CIAのコード名を持つ正力松太郎氏は、CIAの資金で読売新聞を日本最大の新聞に育て上げるが、戦争中読売新聞は、日本の中国侵略と日米戦争を大々的に煽った新聞でもあった。日本に中国侵略と日米戦争を行わせることは、読売新聞を使った米国の情報戦略であった可能性もゼロとは言えまい。



<参考資料>

*今から、6年前に元外交官天木直人氏が下記のように書いている。以下。



CIAに日本を売った読売新聞の正力松太郎

 

 これは超弩級のニュースである。本日発売の週刊新潮2月16日号(2006年)で、早稲田大学の有馬哲夫という教授が、正力松太郎がCIAに操縦されていた歴史的事実を明らかにした。その根拠は、例によって、米国公文書館の公開された外交機密文書である。しかも彼が見つけた文書はいまだ殆ど誰も手にしていない文書であるという。研究者にとっては願ってもない貴重な文書だったと有馬教授は述べている。この発見がこれからどこまで日本で波紋を広げていくのか。

 その文書から有馬教授が読み解いた事実の一端は次のとおりである。

 まずそのファイルの量である。同じCIAのファイルとして既に研究されている岸信介元首相や重光葵元外相のものと比べても、圧倒的な厚みであるという。CIAが正力を如何に徹底してマークしていたかの証明である。しかも正力を「ポダム」という暗号で呼んでいる。

 正力は東京帝大を出て警察庁につとめ戦前、無政府主義者、共産主義者の取締りで名をあげたという。その正力は政界の大物から大金を借りて当時わずか5万部に低迷していた読売新聞を買収し、自ら陣頭指揮をとって、奇抜な企画や大衆に親しみやすい紙面つくりに励み、毎日、朝日につぐ大新聞に読売を成長させたといわれている。

米国はその正力に目を付け、援助を与えることによって彼のマスコミに対する大きな影響力を利用しようとしたのだ。日本全土に、親米・反共のプロパガンダを流す手段にしたのだ。

 今度の研究で具体的に明かされた事実として、CIAが1000万ドルの借款を正力に与えて、全国縦断マイクロ波通信網を建設させようとしていたという。これが完成した暁には、CIAは日本テレビと契約を結んで、アメリカの宣伝と軍事目的に利用する計画であったという。

 幸か不幸か、この工作は成就直前で破綻した。その原因は、「正力とアメリカの国防総省が陰謀をめぐらし、正力がアメリカの軍事目的のために、アメリカの資金で全国的な通信網を建設しようとしている・・・近代国家の中枢神経である通信網を、アメリカに売り渡すのはとんでもない」という怪文書がばらまかれ、国会で取り上げられたためCIAが作戦を見直したからである。

 それにしてもCIAは資金や女性問題、果ては麻薬によるコントロールまであらゆる情報をファイルして工作対象者をマークしていることがこの文書で明らかにされている。正力の場合は、「テレビのベンチャーに対するアメリカの資金供与」と記載されていたと有馬教授は書いている。

 これまでにも岸信介元首相をはじめとして様々な日本の指導者が米国の手先となって、米国の日本間接統治に手を貸していたことが明らかにされている。しかし今回のCIAの正力ファイルはこの事実をここまで詳しく明らかに示した。

読売グループが何故ここまで対米追従のメディアであるのかは、この歴史的事実からつじつまが合う。

あれから半世紀、小泉、竹中は言うに及ばず、米国CIAの日本工作は我々国民の知らないところで驚くべき広さと、深さで進んでいることであろう。しかし恐れる必要はない。その事実が国民に知れた時点で、大きなしっぺ返しを食らう事になる。最後の決めては情報公開である。内部告発でも、密告でもなんでもいい。とにかく一つでも多くの隠された事実を白日の下にさらすことだ。これこそがジャーナリズムの使命であり、醍醐味である。(引用終わり)



*以前、レポートで紹介した本より

「洗脳支配」

~日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて~

苫米地英人・著  ビジネス社  2008年3月刊

 <テレビの世界で起きている恐ろしい現実>

 

 いまテレビでは、明らかに馬鹿な日本人をつくるプロジェクトが始まっています。

テレビ局トップが相談して決めたのか、アメリカ大使館からそのような指令が飛んだのか、確認するすべはありません。ですが、トップクラスの意思決定が働いているとしかいいようがないほど、その兆候がはっきりと現れているのです。



その典型が、テレビ画面に、テロップや字幕ふうの活字(スーパーインポーズ)を映すやり方です。最近のバラエティ番組では、タレントのしゃべりにかぶせて、大きな活字でその内容を採録したり、第三者的にツッコミのナレーションを入れたりするようになりました。その活字が踊ったり、さらにそこに効果音がかぶせられたりすることも、よく見受けられるようになりました。

 

これこそが、人間のIQを下げるもっとも効果的な方法だとされているのです。実際、過去に行なわれた実験で、次のような結果が生まれることが証明されています。



その実験では、被験者に映像を見せながら、画面に映った内容を表す擬態語など、抽象的な単語を次々と見せていくということが行なわれました。それを続けていくと、わずかな時間で段階的に思考能力が失われました。そして、さらに続けていくと、被験者の脳波が何も考えていない状態と同じ波形になり、そのままそれが継続していきました。つまり、そうした映像がついには見る側の思考そのものを止めてしまったということです。

人間は、そうした刺激を受けると、能動的に思考を行なうことができなくなります。これができなくなれば、物事を見て、感じとり、そこから抽象的な思考をすすめていくこともできなくなるわけです。抽象的な思考を行なうことは、人間の脳の前頭前野、もっとも高度な部分における脳の働きなのですが、この働きをそっくり失ってしまうのです。

テレビ局の人間は、一般の人々が想像する以上に、映像における大衆操作についてよく学んでいます。もちろん、制作会社のADさんがそうだといっているのではなく、テレビ局のなかには、大衆操作の禁じ手など、テレビの闇テクニックに通じた専門家がいるのです。



いま番組制作にあたっている主力世代の年齢は35歳から40歳くらいです。彼らは、上からの命令に何も疑問を持ちません。すでに、抽象的な思考を抑制する番組制作にも慣らされ、それをおかしいと問題にするようなことはありません。当然、闇テクニックを知る上層部からの命令に疑問を持つことなく、番組制作に邁進することでしょう。



彼らは、自分たちと同じ子羊をつくるために、日本人の抽象的思考を無差別に大量破壊し始めるのかもしれません。あたかも朝起きて神の声を聞き、用意した爆弾を車に積み込み、人の集まる繁華街に突っ込んでいくテロリストのように‥‥。

人間は抽象的な思考ができるという能力を持っています。たとえば、「弱肉強食で勝たなくても、まあいいや」とか「自分のことはいいから、隣の人を助けてよ」というのがそれです。私たちが日常的に行なっているこうした思考こそが、私たちが人間であることの本来の証ですが、支配者たちにとっては、これをやられると困るのです。なぜでしょうか。



 それは、人間のコントロールが効かなくなるのです。支配者たちが人間をコントロールするためには、自分のことだけを考える人間の集まりであればあるほど都合がいいのです。抽象的に物事を考えようとせず、それに与えられた価値を疑わずに忠実に動いてくれれば動いてくれるほどいいわけです。



<消費コントロールという名の支配システム>



 テレビのホームコメディ番組を通じて、アメリカ流の生活様式や思想が日本人の頭に深く刻みこまれるようになったのは、1960年代のことです。戦後、GHQ(占領軍総司令部)が日本人に罪の意識を植えつけるために、WGIP(War Guilt Information Program)を徹底的に行ないましたが、それはテレビなどの番組制作にも色濃く反映されています。



たとえば、NHKが1960年代に制作した数多くの太平洋戦争ドキュメンタリーは、その典型的な例といえます。戦争に担ぎ出された兵隊の人生や、戦争に巻き込まれた婦女子の悲哀、大量の自決者を出した沖縄の悲劇、ヒロシマ、ナガサキの原子爆弾の恐怖。こうしたドキュメンタリー番組は、左翼がつくったのではないかと疑うほど、ひとつひとつの映像が日本軍部などに対する強烈な告発意識で貫かれていました。

おそらく、GHQの意向を受けて、NHKが1960年代の番組制作能力を総動員し、入念に撮影・編集したものと思われます。私たちはこうした番組を見るたびに、「日本の軍部が悪かった。日本人の選択こそ間違っていた」との意識を埋め込まれたのです。

その洗脳の地ならしがあらかた出来上がると、今度はアメリカ流の生活様式や思想がいかに素晴らしいものであるか、コメディーや西部劇といった番組を通じて埋め込まれることになります。



アメリカ流の生活様式や価値観に対する憧れは、すぐに国民的な消費に結びつきました。これが1950年代の白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機という「三種の神器」から、60年代のカラーテレビ・カー・クーラーという「3C」への、すさまじい消費熱を呼ぶわけです。



私が前振りとしてこんな解説を述べたのは、消費こそつねに支配者によって仕掛けられているものだからです。資本主義のなかで支配者たちが行なっていることの最大のものは、消費行動の徹底的なコントロールです。なぜなら、私たちがお金を稼ぎ、そのお金を彼らのコントロールが利かないところで使われると、彼らの支配システムが維持できなくなるからです。



たとえば、明治維新以来、日本に「洋モノがいい」というカルチャーが根づきました。カルチャーというと、人々の間に自然発生的に生まれたかのような印象を受けますが、これは支配者たちによって意図的に仕掛けられたものといわざるを得ません。原初的には、尖兵となった貿易商がヨーロッパの魅力的な品々を手がかりに彼らの価値観を日本人に植えつけることから始まったということです。



その仕掛けは現代に継承され、たとえばルイ・ヴィトンやグッチというブランドの隆盛となって現れています。実際、これらのブランドのオーナーは、みなヨーロッパの支配階級です。互いに競合関係にあるブランドですが、オーナーはみな仲間内の人々といえます。スポーツブランドのアディダスやプーマにしても、オーナーは兄弟なのです。



 彼らの消費コントロールは、じつに圧倒的な力で私たちを支配しています。



たとえば、マイクロソフトのビル・ゲイツは巨万の富を築きましたが、ジーンズとTシャツという格好をしていますが、日本の若い女の子は、わずかな月収にもかかわらず、ルイ・ヴィトンのバッグを提げて歩いている。なぜこのような馬鹿げたことが起こっているかといえば、仕掛けられた消費コントロールの力以外にありません。



金持ちの支配層は、すでに世界の富の99.99パーセントを押さえていますから、それ以上の富を我が物にすることを目指しているわけではありません。彼らは消費行動をコントロールし、彼らが世界に敷いたシステムを維持するために、人間の思考そのものを支配下に置きたいのです。



このように、支配は消費行動をコントロールすることで決まります。逆にいえば、支配されないために私たちがとり得る一番の手段は、自分の消費を自分でコントロールすることです。とくに、もっとも抽象度の低い自分の行動をコントロールすることでしょう。



たとえば、食べ物。グルメ雑誌があったらすぐ捨てる。このレストランが美味しいと聞いたらすぐ疑う。うまいものは食わない。グルメ番組は見ない、などなど。これはとても重要なことです。(引用終わり)





  戦後、マッカーサーの率いるGHQを使って世界の支配層がわが国に対して行なったWGIP(War Guilt Information Program)が、今では完全に国民の意識を洗脳してしまった状況を作り出してきた。広島の原爆記念碑のそばに「二度と過ちは繰り返しません」と懺悔する言葉が掲げられているのも、まさにその現れである。あたかも「日本がアメリカ様に戦争を仕掛けたのですから、空襲や原爆で被災したのも、すべて日本人が悪かったのです」と詫びているかのようである。

新型爆弾の威力を試す目的で、人口が密集した都市に原爆を落としたアメリカに対する批判の声は、今日でもマスコミでは全く聞かれない。いまなお強力にコントロールされているのである。



さらに今日では、世界支配層がテレビという強力なメディアを使って日本人の洗脳支配を進めている、というのがこの本で著者が述べている内容だ。人々がルイ・ヴィトンやグッチなどのブランド商品に憧れるのも、すべて支配層に操られているためだと彼は、分析している。マスコミの中枢には、そのようにして意図的に大衆を操っている人物たちがいるということを肝に銘じておく必要がある。ちなみに、最も巧妙に操作されている媒体は著者によれば、NHKだということだが、



著者の苫米地英人はオウム真理教の事件でマスコミに登場し、オウム真理教の洗脳をどう、どう回復させるかを解説していた人である。

 

<苫米地英人プロフィール>

1959年東京都生まれ。脳機能学者、計算言語学者、認知心理学者、分析哲学者。

上智大学外国語学部卒業後、三菱地所に入社。2年後イェール大学大学院に留学。同大学人工知能研究所、認知科学研究所研究員を経て、カーネギーメロン大学大学院に転入。計算言語学の博士号を取得する(日本人初)。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、通商産業省情報処理振興審議会専門委員などを歴任。

現在は(株)ドクター苫米地ワークス代表、コグニティブリサーチラボ(株)CEO、天台宗ハワイ別院国際部長。在学中に世界初の音声通訳システムを開発したのを皮切りに、オウム真理教信者の脱洗脳や、各国政府の対テロリスト洗脳防止訓練プラグラムの開発・指導、能力開発プログラム「PX2」の日本向けアレンジ、国際健康健美長壽學研究會顧問、國際気功科学連合會副会長と、その活動は多岐にわたる。



             

 

    

     

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