今回は、前回のレポートで紹介させていただいた米国が仕掛ける「心理戦」というものを理解するのに良い記事がありましたので、紹介させていただきます。 

 もともと、近代に成立した国民国家においての教育というものは、その国を支配する層のプロパガンダという側面を持ちます。また、グローバルな視点に立てば、世界の超エリートたちはノーベル賞のようなものも、世界の科学、技術、芸術、政治を大きくコントロールするための手段として使っています。最近では、オバマのノーベル平和賞受賞など、その典型でしょう。 

 さらに彼らは、科学技術の枠まで、コントロールする権利があるという不遜な考えまで持っているようですが、もしかすると、彼らに取って都合の悪い技術などは、封印、抹殺されているのかもしれません。 

とにかく日本においては、戦後アメリカによる心理戦があまりに、長く、長期にわたって続いているために、のほんほんと普通に暮らしていると、いかに私たちがおかしな状態に置かれてしまっているか、気が付かないような状況が意図的につくりだされています。 

はっきり言ってしまえば、日本のマスメディアは、意識している、していないは、別にして現在でもアメリカに完全にコントロールされた状態にあると言っても間違いではありません。







「なぜアメリカは「原爆投下は正しい」と言い張るのか」 

窪田順生

 

~広島は昨日、原爆投下から67年の「原爆の日」を迎えた。一瞬で14万人もの尊い命を奪ったわけだが、なぜアメリカは「原爆投下は正しい」といい続けるのだろうか。その背景にある、アメリカの論理に迫ってみた。~



<窪田順生氏のプロフィール>

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女92カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクターモミ消しのプロが駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。





 広島は昨日、67回目の「原爆の日」を迎えた。原爆の投下を命じたトルーマン元大統領の孫が初めて平和式典に参列をしたと話題になっていた。

 1988年に消費税を導入した竹下登元首相の孫にあるDAIGOに恨み、つらみをぶつけたところで不毛なように、この孫にはなんの罪もない。とはいえ、14万人という尊い命を一瞬で消し去った史上最悪の「大量殺戮兵器」を、祖父がつかったことについて、いったいどう考えているのかと読売新聞が尋ねたら、こんな答えが返ってきた。



 「私は米国の教育を受け、原爆投下は早期終戦のためと教わった」

 彼は正直者で、これは大多数の米国人のホンネでもある。世論調査では、有権者の6割が「原爆投下を正しかった」と今も信じて疑わないという。このような考えの根底にも、やはり「教育」がある。



 例えば、ロサンゼルスの教科書の副読本を訳してみると、こんな内容が書かれていた。



「南京大虐殺として知られる事件は、戦争の恐ろしさを証明しました。2カ月間に、日本兵は7000人の女性をレイプし、数十万人の非武装兵士や民間人や殺害し、南京市内の3分の1を焼き払いました。その後、日本兵の銃剣の練習台にされたり、機関銃で撃たれて穴に放り込まれるなどして、40万人の中国人が命を奪われました。」



 まさしく「悪魔の軍隊」という感じだ。こういう教育をほどこされた子どもたちがオトナになると、日本の悪事を止めるためには広島の14万人や長崎の8万人は、「平和のためには避けられなかった犠牲」という考えになる。

ロサンゼルスの教科書の副読本。南京大虐殺で「40万人の中国人が命を奪われました」と書かれている



南京大虐殺の犠牲者数





 ロサンゼルスの学生が学ぶ、教科書の副読本 なんとも納得のいかない話だが、ここで気にかかるのは、「40万人」という犠牲者数だ。中国の南京大虐殺記念館でも入口には「30万人」の看板があるのに、米国はなぜさらに10万人も上乗せしているのか。



 ご存じのように、南京事件というのはいまだに犠牲者数に諸説ある。学者によっては40万人だとか、30万人だとか、5万人だとか、3000人だとか見解は分かれており、なかにはまったくの捏造だと主張している研究者もいる。ここまで幅があるのは、信頼に足りる「虐殺」の証拠がないからだ。



 当時、南京にいた各国の大使館職員だとか、牧師だとかは怪しげな伝聞しか証言していないし、外国人ジャーナリストたちは、福島第一原発報道を彷彿とさせるようなダイナミックなガセを飛ばしている。しかも、この時は中国軍が親日的な南京市民を殺害していたことも分かっている。



 そんな胡散臭い南京事件が「戦争犯罪」として初めて裁かれたのは東京裁判だ。

ここでは南京入城に関する戦闘で、埋葬された遺体が15万5000体なので、少なく見積もっても「20万人」だとされた。もちろん、当時でも犠牲者は43万人だとか訴えている人々もいたにはいたが、連合軍というか、米国的には「20万人」がオフィシャルとされた。それがいつのまにやら、倍に膨れ上がって、米国の少年少女たちに刷り込まれることとなったというわけだ。



 実はもうひとつ、米国がかかわる虐殺で、終戦直後から犠牲者が「倍増」しているケースがある。



 それが広島だ。



 原子力爆弾は単なる「大量破壊兵器」ではない。被ばくをした人は、重い後遺症に苦しめられて亡くなっていく。つまり、「虐殺を継続させる兵器」なのだ。



 事実、この67年で広島の犠牲者は年をおうごとに増え続けている。今年の原爆死没者名簿は、直近1年間に亡くなった人や新たに死亡が確認された5729人の名前が書き加えられ、28万959人となった。



40万人虐殺の過ちを繰り返しません」と言う日

 

 この増え続ける犠牲者にあまり注目が集まると、「悪魔の軍隊」が日本軍ではなく、実は自分たちだったことがバレてしまう。米国からすると、「日本の自業自得」を成立させるにはやはり犠牲者数でバランスをとらなくてはいけない。広島にならって南京も増えていったと考えるとスジがとおる。



 イラクに「大量破壊兵器」があるとか因縁をつけて戦争をおっぱじめる国の人たちが考えそうなことだが、この「倍増ルール」を中国もならって、最近では30万どころではなく、40万人近いという主張もある。



 原爆の慰霊碑には、「過ちは繰り返しませんから」と記されている。主語が分からないが、日本語で書かれている以上、米国の「過ち」ではないだろう。素直に読めば、「日本人の反省」ということになる。



 太平洋戦争が終わって67年が経過するが、日本はいまだに「プロパガンダ」という戦争で負けっぱなしだ。この調子でいけば、我々の子どもたちが、「40万人虐殺の過ちを繰り返しません」と世界中で頭を垂れる日も近い?

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