本当に困ったものである。現在、緊急に求められているのは、迅速な景気対策、

100年に一度の経済危機への対応策のはずである。

米国の一極覇権に陰りが見え、米国に主導された郵政民営化等の破壊ビジネスで日本という国が大損するところを、この経済情勢の急激な変化で、損失を最小限にする大きなチャンスが図らずもこの国に訪れているというのに、自分たちの利権のために、見え見えの国策捜査をさせている場合ではないだろう。

日本が真の独立国になり、この国に本当の意味での保守政党をつくるために、国会議員の先生方は奮闘すべき時ではないのか。一部の先生方が当てにしている米国には、これから、大混乱の時代を経て、内向きなスタンスを取らざる得ない時代が刻々と迫っている。



(引用)田中 宇のブログより

<反乱鎮圧に備える米軍>



ことし「反乱の夏」となりそうなのは、欧州だけではない。世界不況の震源地である米国も、今年は波乱含みだ。最近の記事に書いたように、全米各州は財政破綻の傾向を急速に強めている。合衆国憲法上の「州が連邦から自立する権利」を議会で再宣言する州もその後さらに増えている。

その一方で「米連邦は、各州政府と州民が納得していたから、成立していただけにすぎなかった。だが、各州が連邦に主権の返還を求めても、連邦政府が簡単に権力を明け渡すはずがない。連邦軍や(イラク占領で悪名高い)ブラックウォーターのような傭兵組織を使い、米国民に銃を突きつけ、権力維持を画策するだろう」といった警告的な予測も出ている。(Firestorm Brewing Between US States and Federal Government) これは、まさに米国の独裁政権化である。米国史上初めて国民の大半から独裁者と非難されそうな大統領が黒人というのも、皮肉な話である(だから黒人にやらせたという見方もできる)。権威権力に無前提に従属する傾向が強いアジアの人々と異なり、自尊心と自立心の強い米国民は、連邦政府が露骨に独裁化することを許さず、内戦になるだろう。

「反政府の若者たち(もしくは老若男女)がロッキー山中のモンタナ州に立て籠もり、あるいは南部のニューオリンズ市に結集して連邦政府に反旗を翻し、そこを米軍のヘリが空爆し、特殊部隊が投入される」といった、少し前までハリウッド映画の世界でしか考えつかなかった「米国のアフガン化」が、現実のものとしてあり得る。

米軍はすでに、米国内での反乱鎮圧の準備を着々と進めている。ニューオリンズ市では2月に入り、市街地に150人の米軍特殊部隊がヘリコプターで降下して席巻し、爆弾投下までおこなう「訓練」が実施された。(U.S. Troops In Black Helicopters Invade New Orleans, Drop Bombs)(Urban Warfare Drills Linked To Coming Economic Rage ニューオーリンズは05年にハリケーン「カトリーナ」が上陸して市街地が浸水し、当局の対応が悪かったため暴動になりかけた地域だ。復興費用として巨額の連邦政府予算が組まれたが、ひどく不効率な使い方しかされていないため、今も復興が満足に進まず、市民は政府に不満を持っている。市民の不満が大きい都市なので、米軍の反乱鎮圧訓練が行われたと考えることもできるが、これ見よがしに鎮圧訓練を展開して市民の反感を意図的に扇動しているふしもある。米軍は、カトリーナ襲来当時、被災者を暴徒扱いして市民の怒りを煽った前科がある。

東部のバージニア州リッチモンド市の周辺では1月、のべ2200人以上の海兵隊員が参加して、降下作戦など市街戦の訓練が展開された。訓練をやった理由は「兵士がこの地域に慣れておく必要があるから」で、あたかも軍が今後の市民暴動を予測しているかのようだ。訓練に対する事前の広報がほとんど行われなかったため、街の駐車場にヘリで着陸する海兵隊を見て、市民は度肝を抜かれた。(Marines Landing in our Neighborhood, Chopper is just above car….)(War games break out over Richmond region

中西部アイオワ州の町アルカディアでは、州兵が「侵略」に対する訓練を4月に予定したが、住民の反対を受け、訓練の露骨さを緩和した。計画された訓練は、住宅地における一軒ごとの家宅捜索と武器押収など、まるで米国民をイラク国民のように扱うものだった。米国のど真ん中の内陸にあるアイオワ州を侵略する外国勢力があるとは思えない。これも明らかに、地元住民の反乱鎮圧に対する訓練である。(Guardsmen to conduct urban training at Arcadia in April

(引用終わり)



米国発の100年に一度の経済危機がほんとうだとするなら、上記のようなことも十二分に考えられることである。



ところで、今回の事件を始めに仕掛けたのは、朝日新聞である。朝日新聞が、西松建設の裏金の問題と、不正献金の疑惑と称して、ずっと早くから紙面でキャンペーンを張っていた。朝日は、日本国民の普通の理解では、読売新聞と争って、リベラル派で、進歩的で、アメリカに批判的な立場だということになっているが決してそんなことはない。現在の朝日新聞は、読売や産経、文藝春秋などと同じで、アメリカの手先である。そう言えば、小泉・竹中改革=米国の破壊ビジネスを一番、応援していたのも朝日新聞であった。たしかに 朝日の現場の記者たちは、まだ、左翼リベラルであり、構造改革で、どんどん会社を辞めさせられてゆく現状を批判している一線の現場の記者たちもたくさんいる。しかし、朝日の一番上から、経営陣さえも押さえつけて、主筆(役員待遇、前ワシントン総局長)の船橋洋一氏が、内部で記事の統制をやっているようである。

船橋洋一氏は言うまでもなく、デイヴィッド・ロックフェラーのカウンターパートのひとりだ。

小沢氏が、この2月23日に、「アメリカ軍の日本駐留は、第七艦隊(横須賀基地他)で十分だ。防衛でも日本のことは日本人で出来る」という発言をした。

その前の、2月17日の、ヒラリーとの会談では、「日米同盟は、対等の関係でなければならない。そのことを、日本側が、(勝手に卑屈になって)アメリカに言わなかったことが問題だ」との発言もした。もしかすると、この二つの発言が米国の逆鱗にふれたのかもしれない。

戦後ずっと続いた対米従属していれば、何とかなった時代は、もう終焉しつつあることを、日本のマスコミも政治家も深く認識すべきであろう。一昔前、あの中国が張り子の虎だった。今、米国が急速に張り子の虎になりつつある。原田武夫氏が指摘するようにこれから、米国という国では、我々の想像だにしないことが起きても不思議がない状況なのである。

忘れてはならないことは、「国民のために国益を守るのが政治家だ」ということではないか。



*田中良紹(たなか・よしつぐ)のブログより



<田中良紹プロフィール>

1945年宮城県仙台市生まれ。

1969年慶應義塾大学経済学部卒業。

同年(株)東京放送(TBS)入社。

ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。

1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。

TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。

2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。



2009年03月04日

「予言が現実になった」



田中良紹



麻生政権誕生時に私が予言したことが現実になった。「麻生政権は民主党の小沢代表をターゲットにスキャンダルを暴露する以外に生き延びる術はない」と言った事がその通りになった。

実は07年の参議院選挙惨敗以来、政府与党は民主党の小沢代表を失脚させる事に専念してきた。小沢代表さえいなくなれば、仮に政権交代が起きたとしても民主党は少しも怖くない。なぜなら小沢代表以外に「権力」の裏表を知る人間が民主党にはいないからだ。

与党と官僚とが微妙な隙間を作りながら複雑に絡まり合い、どこに権力のポイントがあるのかを分からなくする日本の統治構造は、国会議員であっても誰も内実を知らない。ましてそれを縦横に操る事の出来る人間など滅多にいない。しかしかつて権力の内側に身を置き、権力を操った事のある「経験者」が小沢一郎氏である。霞ヶ関の権力機構からすれば最も「目障り」で「恐ろしい」存在だった。

小沢氏がいなくなれば、民主党を権力の手のひらに載せ、今の自民党と同じように溶かしてしまう事が出来る。しかし小沢氏の手で政権交代になると本当に霞ヶ関は解体されかねない。だから07年から小沢氏は権力にとってスキャンダル暴露の最大ターゲットであった。

その事は当然小沢氏も分かっていた。だから07年11月に福田政権に対して「大連立」を仕掛けたと私は見ていた。「大連立」は参議院選挙で権力の半分を失った自民党が権力にしがみつくための唯一の方法である。次の衆議院選挙で勝ったとしても三分の二以上の議席は維持できない。参議院選挙で過半数を獲得するまで自民党は権力が半分の状態を続けなければならない。10年以上もその状態が続く事になる。しかし「大連立」が実現すれば権力の座に居続けられる。それを見透かして小沢氏は「大連立」を仕掛けた。

民主党には3つのメリットがあった。一つは権力の内実を知らない若手議員に統治行為の訓練をさせる機会が得られる。二つ目はあわよくば自民党から有為の人材を引き抜くチャンスになる。そして三つ目は大連立に前向きな小沢氏を自民党はスキャンダルで潰せなくなる。「大連立」には「一石四鳥」の効果があると私は見ていた。

しかし「大連立」は頓挫した。それでも福田政権が続く限り、小沢氏のスキャンダル暴露はないだろうと思っていた。福田政権は民主党と対立する事の愚かさを分かっていると思ったからである。ところが麻生政権が誕生したとき、人事を見て考えを変えた。今度は民主党のスキャンダルを暴露するための政権だと思った。官房副長官に前警察庁長官を起用したからである。警察庁内部からもその能力には疑問符をつけられ、とても霞ヶ関を束ねる事に向いていない人物をなぜ起用したのかが問題である。



検察は悪い人間を捕まえる捜査機関ではない。時の権力者にとって障害となる人間を捕まえるところである。ロッキード事件が端的にそれを物語っている。55億円の賄賂が海外から日本の政治家に流れたとされる事件で、解明されたのは田中角栄元総理に流れた5億円だけである。後は闇の中に消えた。ところがこの事件を「総理大臣の犯罪」に仕立てて大騒ぎし、解明されたと国民に思わせたのは検察とメディアである。「本ボシ」は今でも偉そうな顔をしてご活躍だ。

これまで権力者のお先棒を担いできた検察だが、かつては政治的中立という「建前」を一応は守る姿勢を示した。選挙がある時期に捜査着手は避けてきた。海外逃亡の恐れでもなければ捜査を先に延ばしても何の支障もない。ところが今回はあまりにも露骨に意図が見え見えの時期の捜査である。私はその事に驚いた。いずれやるとは思っていたが、ここまでタイミングを合わせられると、むしろ追いつめられているのは権力の側ではないかと思えてくる。

容疑は政治資金規正法違反だと言うが、そもそも政治資金規正法という法律がいわくつきのおかしな法律である。国民は規正の「正」が「制」でない意味をよくよく考えた方が良い。本来政治資金を「規制」すべきでないと言うのが民主主義の考え方である。政治資金規正法の本来の目的は金額の規制ではなく、資金の「透明化」にあった。ところが三木内閣が金額の規制に踏み込み、それを「クリーン」と宣伝したため、日本では政治献金に「悪」のイメージが付きまとうようになった。

アメリカ大統領選挙を見れば分かるが、政治家にとって重要な能力の一つは金を集める事である。オバマがヒラリーに勝ったのも集金能力であった。政治資金は政治家の力量を計る物差しというのが民主主義国家である。ところが日本で「金権政治家」は悪の代名詞だ。なぜなら戦前から官僚機構は力のある政治家を排除する論理として「金権政治」を使ってきた。星亨や原敬など、明治、大正時代に官僚と戦った政治家はみな官僚から「金権政治家」のレッテルを貼られ、新聞に批判されて、憤った国民に暗殺された。官僚機構が権力を脅かされると「カネのスキャンダル」を持ち出すのが昔からの常套手段なのだ。



ところで今回はどうなるか。こんなに露骨な選挙妨害にメディアと国民がどう反応するかでこの国の民主主義のレベルが分かる。今封切られているアメリカ映画「チェンジリング」は1920年代の実話で、堕落した警察に立ち向かう一人の女性を描いているが、権力を持つ警察に立ち向かう事は難しく精神病院に監禁される。しかし最後には市民が警察に抗議のデモをかけるシーンがあった。民衆が官僚の横暴に立ち上がるのである。民衆が立ち上がるためには警察発表を鵜呑みにしないメディアの存在が必要である。検察の言う通りにしか報道しないのが日本のメディアだが、産経新聞の宮本雅史記者のように、著書「歪んだ正義」(情報センター出版局)で検察の実像を書いた勇気あるジャーナリストもいる。どのような報道が行われるかをまずは注目したい。



*原田武夫氏のブログより

「金融メルトダウンと「ブッシュ訴追」という奥の手」



今、米国でブッシュ前大統領とチェイニー前副大統領を訴追すべしという声が俄然高まってきている。つい先日(今年1月)まで正副大統領であった両者が検挙されるという事態が本当に生じた場合、世界中に与えるインパクトは測りしれないものがある。

現在、こうした動きを主導しているのは米国を代表する人権団体ら142の民間団体だ。これら団体の要求はただ一つ、「グアンタナモ収容所での“拷問”に象徴されるようなブッシュ前政権時代の人権侵害を徹底的に調べあげるべく、特別検察官(special prosecutor)を任命せよ」というものである。民間団体による一大ムーヴメントだといっても、ワシントン政界が動いていないというのでは話にならない。しかし、米連邦議会の要人たちがまたぞろその趣旨に賛同する旨、公言してはばからないようになってきているのである。

たとえばナンシー・ペロシ連邦下院議長(民主党)は今年2月25日にはっきりと次のとおり明言したとの情報がある(グローバル・リサーチ(カナダ)参照)。

「何人も法の上に立つ者はいない。オバマ大統領もそう言っている。(この事案について)刑事手続に入り、場合によっては訴追することにすら、私は完全に同意する。何人も法の上に立ってはいないからだ」

この2月に入って米連邦議会でリーダー格である議員たちから、同様の発言が相次いでいる。オバマ政権としては決して無視できない動きであろう。なぜなら、止まるところを知らぬ金融メルトダウンの中、景気対策、さらには金融対策を決め、実施していくためには、どうしても連邦議会の同意が必要だからだ。そのため、今後さらなる公的資金の投入を連邦議会に求めざるを得なくなってくることが必至な状況の下、オバマ大統領としてもこの問題について直接コメントし、さらには自ら行動せざるを得ない事態に陥ることは目に見えている。

事実、オバマ政権も「ブッシュとチェイニーを訴追せよ!」という動きに呼応するかのような措置を密かに取り始めている。例えば去る2日、オバマ政権は2001年9月11日に発生したいわゆる「同時多発テロ事件」の直後にブッシュ政権(当時)が作成した極秘メモを情報公開した。それには、“対テロ戦争”のためには合衆国憲法上、保障されている人権条項を制限してもかまわないとの法的見解が記されている。つまり、「同時多発テロ事件」を奇貨としてブッシュ政権(当時)は事実上、「非合法国家」への道を、米国民のうかがい知れぬところで歩み始めていたということが白日の下にさらされたというわけだ。こうした情報公開が持つ政治的なインパクトをオバマ大統領が綿密に計算したのは間違いないのであって、「ブッシュとチェイニーの訴追」という前代未聞の可能性を既に昨年(2008年)末の段階でテレビ・インタヴューの場で尋ねられ、明確に否定しなかったバイデン上院議員(現・副大統領)の言動と共に、オバマ政権がそもそも何を企図して成立したものなのかがうかがわれる展開となっている。



そもそも連邦および州レヴェルでの公的債務を合算すると天文学的な負債を抱えていた中、サブプライム・ショック以後、それへの対処のため、米政府はさらなる出費とそのための費用を捻出すべく、巨額の財政赤字を抱えるに至っている。しかし、もはやこれが立ちいかなくなってきていることが明らかである以上、最悪の場合にはデフォルト(国家債務不履行)とそれに続くハイパー・インフレーションへの移行というシナリオを辿るにしても、国民からは「誰が一体、これまで無駄遣いをしてきたのか?」という糾弾がオバマ政権に浴びせられることは必定なのである。

その際、いわば全体を救済するためには“人身御供”が必要となる。「対テロ戦争」を理由として、国防総省、あるいはCIA(中央情報局)を中心としたインテリジェンス機関を経由して大量の税金を民間軍事会社といったアウトソーシング先に流し、自らがこれら企業の幹部となることで巨利を得ていたブッシュ前政権幹部たちこそ、それにはふさわしい候補だというわけなのである。



今、オバマ政権の閣僚たちはいずれも居所が分かるような追跡装置の付いた衣服を着用しているのだという情報すらある。インテリジェンス機関や軍を相手にこうした政争を挑んでいるのだから当然、身体には気をつけなければならないのだ。「オバマ大統領は就任後、既に6回の暗殺未遂を経験した」(米系ファンド関係者)との情報すらマーケットでは流布されている。果たして「ブッシュ訴追」という奥の手まで使ってオバマ大統領が“CHANGE(変革)”をもたらすのか。

Sorry, the comment form is closed at this time.

© 2011 山本正樹 オフィシャルブログ Suffusion theme by Sayontan Sinha