10月 312007
今日は今年一番の冷え込み、めっきり、秋らしくなってきた。秋の夜長に少し真面目に今国会のテーマの一つである。「テロ特措法」について考えてみる。
そもそも、国際社会が知らない日本の自衛隊の給油活動を国際社会から孤立するからその活動をすべきだという主張には相当無理がある。このことを10月23日の毎日新聞が「知られざる給油活動」という記事ではっきり書いている。どうも日本が給油活動をしていることなど世界は何も知らないらしい。大騒ぎをしているのは日本と米国だけである。その米国もついにイラクの平和回復をあきらめ、長期的な米軍駐留を言い始めている。米国は給油よりも日本がイラクから手を引く事を許したくないのではないか。終わりのない米軍のイラク占領に日本を引きとどめたい。それだけだと思われる。
振り返ってみれば、テロとの戦いが世界中に声高に言われ始めたのは2001年の9月11日のニューヨークのワールドトレードセンターの旅客機突入、崩壊:いわゆる911テロ事件からである。
当時、支持率の低迷していたブッシュ政権がこの事件によって息を吹き返し、米国世論は「アルカイダ;ビン・ランディンをやっつけろ!」という方向に誘導されていった。
小生はこのようなテロ事件予想する論説をまた、高層ビルに飛行機が突っ込むカ不思議なカードも事件の前にネット上で見たことがある。兎に角、当時のブッシュ政権を牛耳るネオコン派の人々にとっては911があまりにも都合の良い事件だったことだけは間違いない。
こうしてテロとの戦争が始まり、アフガン攻撃:タリバン政権の崩壊;カルザイ政権の成立、その後のフセイン政権を崩壊させるための大量破壊兵器を理由にしたイラク攻撃、そして、現在続くイラク内戦状態というのが一連の流れである。イラク攻撃については「もし、イラクが本当に大量破壊兵器を持っていたら、米国はイラクを攻撃しなかっただろう。」とある評論家が言っていたが、全くその通りである。
ところで、
もし、「911」が一般に云われているような事件でなかったとしたら、
もし、アフガニスタンの(米国が最初は支持していた)タリバン政権が戦争前にマスコミが報道していたような政権でなかったとしたら、
もし、ブッシュ家とビン・ラディン家が裏で共通の利害関係を持つ友人だとしたら、
*http://tanakanews.com/b1105osama.htm
そして、米国がイラクを攻撃した第一の理由とした「大量破壊兵器」がイラクに存在しなかったことは現在、公式に明らかになっている。
現在、米国内のイラク戦争に対する世論の変化すら日本のマスコミは報道しようと しない。
現在、米国においては911事件に関して政府が何らかの関与をしていたと考えて いる人がかなりのパーセンテージになっているににもかかわらず。
だからこそ、日本のテレビで下記のようなアメリカのテレビ番組の映像が流された のである。
http://video.google.com/videoplay?docid=-4633271838183936896&hl=en
もし、すべての前提が真実でないなら、現法律を超えてイラク戦争に転用している 給油を自衛隊が米国にしている表向きの論理の整合性はすべて消えてしまう。
それでもアメリカに協力しなければならないなら、その本当の理由とそのことが日本の国益になることを指導者は説明する責任があるのではないか。
ところで、イラク戦争で、アメリカの人々も犠牲になっている。その戦争に大義がなかったら、犠牲になった人はあまりにも哀れではないか。
ニューヨークタイムズに載った少女の横顔が悲しい。
http://www.nytimes.com/2007/10/21/us/21parent.html?_r=2&hp=&oref=slogin&pagewanted=all&oref=slogin
もっと国際政治の動きを現実的に考えてみると、どうなるのか。
現在の地政学的な世界情勢、米国の苦しい経済状況、また、世界を事実上、支配している人々の利害関係を判断すると、2003年3月に米国がイラク攻撃をしたのと同じように米国がイランの原子力施設を来年早々に空爆しようとするのは間違いない。とするなら、給油新法が成立し、予算が成立してから、衆議院を解散するという現在の一般的な見方は間違っていると言えよう。日本の自衛隊が給油した米軍がイランを爆撃している状態で、総選挙を断行するのはどう考えても与党に不利である。とするなら、衆議院の解散は非常に早いか、来年のサミット明けということになる。いくら自民党が解散をサミット明けまで延ばしたくても難しいのではないか。
つまり、新法のメドがつけば、いつ衆議院が解散になってもおかしくないということだ。
イランとは1970年代以降、日本は独自の外交ルートを通じて、大変な努力をして独自のパイプを築いてきた。残念なことだが、米国のためにそのすべてを失う日が近づいている。
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