1.現在の日本には本当の意味で「報道の自由」はないし、「ジャーナリズム精神」というものも幻想になりつつある。もっとも資本主義社会におけるマスコミの限界は世界共通である。 

<解 説>

 1880年、『ニューヨーク・タイムズ』紙の著名な記者であったジョン・スウィントンが、ニューヨークプレスクラブのパーティにおいて「報道の自由」に乾杯がなされたことに対して行った辛口のスピーチを以下に紹介する。

(以下引用)

「世界の歴史における今日のアメリカにおいて、報道の自由などというものは存在しない。あなたはそれを知っているし、私も知っている。あなた方のうち、誰一人として正直な意見を書けるものはいないし、もし書いたとしても、それが決して新聞に載ることはないことを知っている。私は私の正直な意見を新聞に書かないことで給料をもらっている。あなたがたも同じことをして給料を得ている。もし正直な意見を書こうなどという、愚かな考えを持つ者がいれば、すぐに失職して別の仕事を探さなければならないだろう。

 もし私の正直な意見が新聞に掲載されようものなら、24時間以内に、私はくびになるだろう。ジャーナリストの仕事は、真実を壊し、公然と嘘をつくことであり、判断を誤らせ、中傷し、富の邪神の足元にへつらい、自分の国も国民をも、日々の糧のために売り渡すことである。あなたはこれを知っているし、私も知っている。報道の自由に乾杯など、どんなにばかげたことか。

 我々は金持ちたちの舞台裏の道具であり、召使だ。我々は操り人形で、彼らが糸を引き、我々が踊る。我々の才能も可能性も命も、他の人間の道具なのである。我々は知性の売春婦なのだ。」

  (出所:Labor’s Untold Story, by Richard O.Boyer and Herbert M. Morais, Published by United Electrical, Radio&Machine Workers of America, NY 1955/1979) 

  

ところで、ジャーナリズムの目的とは何だろう。

マスコミ人が常々言っている「真実を伝えること」とは本当だろうか。311以後の原発報道等を見てかなり怪しいと感じている日本人が多くなっているのではないだろうか。

 ここまで、不可思議な報道を大手マスコミが行っている現状では、心ある人が、いろいろな関わり合いの中で、得ている本当の情報を多くの人に知ってもらう努力をすべき時代に入ったと考えるべきではないだろうか。

残念ながら現在、大手マスコミが今行なっているのは、情報隠蔽と情報操作と情報誘導と歪曲・矮小と言っても過言ではない状況にある。

 たとえば、全国で地方都市の商店街の衰退が続いているが、マスコミ(NHK、民放テレビ局、新聞各紙)は商店主の頑張りや行政の梃子入れで客を取り戻したわずかな成功事例、もしくはコンサルがでっち上げた偽りの成功例を紹介してお茶を濁している。

大元は、米国の圧力で決めた大店法の廃止、規制緩和にあったのではないか。日本人のための、今日的な地域コミュティーのための大店法のあり方を日本のマスコミが紙面で論じたことがあっただろうか。

 現在、地方の医師不足が深刻だが、この原因は医局制の廃止と診療報酬のマイナス改定によってもたらされたものである。しかし、日本のマスコミはこのことには、絶対に触れず、医師の増員を説く専門家の話と、創意工夫で乗り切る地域の涙ぐましい努力を紹介するだけで本質に迫ることはない。

 一頃盛んに言われた「限界集落」の問題についても、農水省の統計によれば、前回の調査から全国で500の集落が消失し、全国の過疎地比率は50パーセントを超えた。

2000年の農地法改正が離農に拍車を掛けた形だが、食管法廃止に始まる農業自由化と関係づける報道を見たことがない。マスコミは、農水省の後援も得て、大規模化と法人化による成功事例を紹介するばかりである。現在、放射線による汚染で海外では日本の農産物の多くは輸入禁止になっている。TPP論議において、いまだに高付加価値の日本の農産物の輸出を主張している強者がマスコミに出てきている。ここまでくるとブラックジョークの世界に近い。

 2007年5月に新会社法が施行された。外国株対価の合併を認め、外資による国内企業の買収を円滑にする三角合併の解禁が盛り込まれている。しかしマスコミは、「一円から会社が設立できるようになった」「企業の社会的責任を重視する世論に応えた」と礼賛してきて、先進国の中で一人株価が低迷していた日本にとって如何に不利な取り決めかを一切解説しなかった。

余剰弁護士を抱える米国は、わが国を「リーガルマーケット」にするため司法制度改革を要求してきた。しかし、日本のマスコミは「日本は弁護士が足りない」「裁判を身近に」とその宣伝に努めてきた。改革が持つ本当の意味に触れず、新試験の合格率が目標を下回ったことや不合格者の進路などをわざと本質を外した問題を書いている。

 郵政民営化で、わが国は国債売却による金融システム崩壊の危機リスクを抱えることになった。しかし、マスコミは「郵政選挙」で国益擁護派議員を「抵抗勢力」とたたき、“刺客”を「小泉チルドレン」と持ち上げた。郵政公社職員の給与に一切税金は使われていないのに、「公務員10万人を減らせる」との小泉前首相のデマを一生懸命宣伝していた。

 また、民営化ブームに乗って、道路公団の赤字体質を宣伝し、民営化に追いやった。しかし、公団は、一貫した黒字経営で、償還準備金を12兆円も積み立て無料化寸前だったことをマスコミは報道しただろうか。(つまり、焼け太りの民営化だったことをご存じだろうか?)

 また、「社会保険庁の解体」を招いたのは年金納付率の低下が非難されてのことだったが、2002年に徴収業務を市町村から引き上げたことをどのマスコミも伝えていない。米国は、公的年金を運用受託する米国の金融機関が運用先の日本企業で株主権限を行使(委任投票)できるよう求めてきた。年金記録のずさん管理が大報道された末に出てきたのは、ICチップを使って個人情報を一元管理する「社会保障カード」の導入であった。米国はこの数年、日本に無線ICチップの導入も求めている。

これらの改革はすべて、毎年米国から出される『年次改革要望書』に明記されているが、奇妙なことにどの新聞もこの文書をまともに取り上げ、詳細な解説したことがない。

 また、教育市場の開放も『日米投資イニシアティブ報告書』にもある通り米国の要求なのに、いじめや未履修の問題を騒ぎ立て、参入の障壁となる教育委員会を批判することだけを意図的に行っている。

 

大手菓子メーカーの不二家は、内部告発によって期限切れの材料を使ったと連日報じられたため、販売休止に追い込まれた。インサイダー情報を得たある外資系証券会社は事件前に不二家株を大量取得し、空売りして大儲けをしていた。そして、本社の土地と建物は、見事に米シティーグループのものになった。

 竹中平蔵氏らの「りそな銀行」等のインサイダー疑惑を指摘していた植草一秀元教授の痴漢容疑は、裁判で無実を決定づける証言が出てきた。起訴状で犯行があったとされる時間帯に植草氏が何もしてなかったことを、7月4日の公判で目撃者が明かしたのである。しかし、どのマスコミもこのことに触れず、「大した証言は出てこなかった」と切り捨てている。

 もちろん、マスコミをめぐっては、記者クラブ制度や再販制度、広告、電波の許認可制、テレビ局が払っている電波使用料などさまざまな制約があるから、記者が無意識でも「長いものには巻かれろ」として動いてしまうことになってしまうのも仕方がないのかもしれない。

ところで、、わが国の場合、1990年以降、電通を中心としてマスコミを支配する「金持ち」は外国の資本家であり、さらにわが国の政府は、彼らが牛耳る米国の意向を100%聞くことを戦後一貫して基本戦略にしている。

そのため、わが国におけるジャーナリズムの目的とは、真実を隠し、外国による支配を円滑にすることに残念ながら繋がってしまっている状況である。

そのために今、日本は大変な隠蔽社会になってしまっている

米国が日本経済の強さを容認していた冷戦時代はそれでもよかったのかもしれない。

しかし、1980年代後半から米国の「日本封じ込め戦略」によってどんどん日本の国力が削がれていき、それが極端なまでの経済のグローバル化と重なると、日本政治の劣化が際立ってくるとともに限界が見えてきた。政治力が必要なときに政治がまったく役に立たず、むしろ事態を混乱させ、増長させているからである。もちろん。米国の言うことを100%聞くことが善だという戦後一貫して続く官僚の意識にも大きな問題がある。

2011年の現在、東日本大震災と原発事故の惨状を見て、もはや多くの心ある日本人は日本の「中枢機能の崩壊」に近いものを感じているのではないのか。

政治家・官僚・大企業が責任を果たしていないという声は水面下では、今までもずっとあったが、それが一気に噴出したのが311の福島原発事故以降である。

現在、日本でも多くのデモが起きていて国民が明確に政治や企業やメディアに対して批判の声を強めている。脱原発デモ・韓国偏向批判デモ・TPPデモと立て続けに起きているのを見ても分かるが、国益を考えない権力層の現実に気がついた市民が毅然としてノーを突きつけ始めたようである。たしかにそれはまだ大きなうねりにはなっていない。なぜならば、批判されているなかにメディアも含まれていて、メディアは自分たちが批判されているデモ等を一切報道したくないからである。

フジテレビに対するデモが行われたが、これはフジテレビが執拗な韓国崇拝?を報道し続けることによる反発として生まれてきたデモだった。フジテレビが報道しないのは自己防衛だから分かるが、それを他のテレビ局も報道しない。考えてみれば、他のテレビ局にとってはフジテレビとの競争に勝つ好機なのにまったく動かない。メディアに競争原理が働いていないのだ。要するに日本は、悪い意味での「仲良しクラブによる隠蔽社会」になってしまっているのである。

それでは現在、日本はどんな課題を抱えているのか?

日本は今までどんな大きな問題が起きても、それをすべて「先延ばし」にして「後は野となれ山となれ」で処理してきたように見える。見て見ぬ振りをしてやり過ごそうとしてきたのかもしれない。要するに「事なかれ主義」だったのだ。日本のすべての問題がこの事なかれ主義によって深刻化してしまっている。

官僚・政治家は、大きな問題に取り組む前に選挙や自身の出世を考え、問題を回避することを常に選択してきたようである。

解決すべき問題が発生しているのにもかかわらず、それを避けたり、あるいは見て見ぬふりをしたりして、係わり合いになるのを避け、決断をすることなく問題を放置してきたのである。問題から逃げると問題はさらに大きくなる。なぜなら、問題は先送りにしても問題は消えてなくなるものではないからだ。

ギリシャの金融危機を見ても分かる通り、問題を先送りにすればするほど、どんどんこじれて最終的にはそれが「致命傷」になっていく。ユーロはギリシャという小さな国の債務問題を放置して議論はすれども結論は先延ばししてきた。そのツケが回って、いまやユーロ圏が瓦解するのではないかと言われるほどのダメージに陥っている。

深刻な問題は事なかれ主義で対処してはいけないのである。

日本が直面している数々の問題

 それでは、具体的に日本は今、何を「事なかれ主義」で放置しているのか。

・国家主権問題(米国隷属からの脱却)

・国防(自衛隊・憲法9条・沖縄・米軍基地問題)問題

・政治力低下問題、官僚の無責任体制

・検察・官僚・行政制度の金属疲労、腐蝕

・デフレ経済からの脱却

・地方経済崩壊問題(地方分権:財政を渡すことができるか)

・財政問題(累積債務の処理の仕方)

・放射能汚染・原発問題

・中国・韓国・北朝鮮・ロシアとの外交

・TPP問題(米国のブロック経済に飲み込まれるかの瀬戸際)

・食料自給率問題(世界の食糧危機への対応)

・高齢化・少子化問題

・格差問題

・年金破綻問題

・教育崩壊問題

・経団連・経営者の質の劣化問題

・メディア・報道への不信問題

 これらの大きな課題を、日本人はずっと「先延ばし」してきており、それらの間隙を諸外国に突かれ、国益の損失に繋がっている。

放射能汚染ひとつ取っても、これを隠蔽したり、放置したり、数値をごまかしていたりすると、将来にどれだけの禍根を残すのか、現在の政治家・官僚たちは真摯に考えたことがあるのだろうか。我々日本人の遺伝子が傷つき、今の子供たちが健康を害し、産まれてくる子供たちに先天的な遺伝子欠陥があったときに、誰が責任を取るのだろうか。

このような状況下では、どうしてもこれからは、自分で考えて自分で行動することが求められている。そのために必要なのが「本当の情報」である。しかしながら、今のマスコミには全く期待できない。

 みんなが淡々と忙しく日常生活を送っているから、何もしなくてもいいと思うことも根本的に間違っている。災害が起きたとき、頭を働かせないでみんなと同じ行動を取る人が多いが、それは他人に判断力を預けているのと同じだ。

「みんなが逃げないから逃げなくても大丈夫だ」

「みんなが大丈夫だと言っているから、大丈夫だ」

「みんなが走っているから、自分も走ろう」

スマトラ沖大地震のときも、津波が来ると思った人たちは速やかに海岸沿いから離れるか高いところに避難した。しかし、逃げている人たちを笑い、「逃げなくても大丈夫だ」とイスに座って海を見ていた人も大勢いた。「みんなが大丈夫と言っているから大丈夫だ」というわけだ。2004年12月26日の大地震・大津波で亡くなった人は20万人。この中で、最初から必死で逃げていれば助かった人たちも多い。大丈夫だとのんびりしている人たちを見て、自分ものんびりして、やっぱり駄目だった人も相当数いるのである。

他人と同じようにしていれば助かるというのは幻想だ。自分が逃げたほうがいいと思えば、他人と同調していないで逃げておくほうが素直でいい。

 

その意味で、本当の情報を共有するネットワークづくりをすることを一人一人が求められている時代に入ったと言えよう。そしてそう言った人たちがより大きなネットワークを創り上げて地域社会からその輪を拡げていく必要がある。本当の情報を共有するネットワークが地域社会に根ざせば、百人力である。



  昨年あたりからウィキリークスの情報が日本を含めた世界のマスコミを賑わし、実際に世界情勢を動かしている。「ジャスミン革命」もその一つであろう。

NHKのクローズアップ現代で「機密告発サイト・ウィキリークスの衝撃」が2010年11月4日に放送されたのでこの番組を視聴された方も多いのではないか。

そして311以後、日本に関するウィキリークス情報がいよいよ公になりつつある。

たとえば、ウィキリークスから提供を受けた朝日新聞が下記のような情報を公開している。

(以下引用)2011年5月4日

「米軍グアム移転費水増し 日本の負担軽減装う 流出公電」

 

米両政府が在沖縄米海兵隊のグアム移転について合意した2006年春のロードマップ(行程表)で、米政府が、関連費用の総額を水増しして日本側の負担割合を見かけ上減らし、日本政府も08年に追認していた。海兵隊の移転人数については、削減をアピールしやすいよう実態より多い数字を挙げていた。

約25万点の米外交公電を入手した内部告発サイト「ウィキリークス」から、朝日新聞が日本関係の公電約7千点の提供を受け、分析する過程で判明した。

海兵隊のグアム移転は、在日米軍再編の中で、沖縄・普天間飛行場の移設と一体となった形で進められる計画。普天間移設は地元の根強い反対で決着しておらず、再編計画全体の数字の粉飾が米公電に明記されていたことで、反発が強まることは必至だ。

 

問題の公電は08年12月、在日米大使館から国務省あて。日米両政府は当時、06年5月に両国がまとめたロードマップに基づき、具体的な資金負担の進め方などを決める「グアム移転協定」の交渉をしていた。公電は暫定合意の妥結を報告、経緯を詳述している。

公電によると、ロードマップ作成時に日米の負担額を決める際、米側が「実際は必要ではない」軍用道路の建設費10億ドルを再編費用に盛りこんだ。08年の交渉では米側が、軍用道路を盛りこんだのは総額を増やすことで日本側の負担比率を相対的に低く見せることが目的だったと説明し、日本政府もその点を了承した。

92億ドルだった総額を10億ドル増やすことで、3分の2だった日本側の負担比率が60%を切るように操作していたことになる。06年当時は負担割合をめぐって日米間で激しい駆け引きが行われており、日本側が受け入れやすくするための措置だったとみられる。実際には軍用道路も含めて、グアム移転全体が進んでいない。

移転対象の海兵隊員8千人と家族9千人についても、公電は「日本での政治的効果を上げるため」実数を水増しした、と記した。

沖縄の海兵隊は1万8千人が定数で、うち8千人が移転するというのが公式説明だった。だが公電によると、実際には沖縄の海兵隊は06年時点で「1万3千人水準」だった。これに対応する移転の実数が、8千人を下回るのは確実だ。

これまでも、沖縄県などが実数は約1万2千人だけだと指摘。「ロードマップによる移転でこれだけ負担が減る」とされた人数は誇大と批判してきた。国会でも取り上げられてきたが、日本政府は確認を拒んできた。

 今回、沖縄県などが指摘していた実態に近い数が米外交公電に記されていたことがわかったことで、その疑念が裏付けられた形だ。



*ウィキリークスウオッチジャーパンより

2011年2月22日火曜日

「東京公電2010年:日本企業によるイランとのウラン取引疑惑

 

要件:イランとのウラン取引の可能性について、日本への調査要請

代理EMIN(恐らくEconomic Minister Counselorの略 経済担当公使)は外務省、軍縮不拡散・科学部の中島明彦氏に1月4日、外交政策に関するメッセージを渡した。

そして、カザフスタン政府とのアスタナでの議論についての詳細には立ち入らずEMINは12月30日付のカザフスタン政府による公式表明のコピーを彼に渡すことにより、この問題についてのカザフスタン側の断固とした否定について知らせた。



中島氏はこの情報について感謝の念を表して、外務省はこの取引について調査をするとのことで、経済産業省にも相談してみると言った。

さらに彼はアメリカ政府がこの問題について、取引の状態や出荷予定日などのさらに詳しい情報を提供できないかと聞いてきた。

中島氏によると、日本政府はイランの天然ウランがもうすぐに底をつくというのを知っていて、イランが他の入手元を探すものと考えていた。今後、この種の取引について警戒し続ける必要性があると彼は提案した。

だが、一旦日本の企業がこの問題に関与している可能性について気が付くと、安全保障貿易国際室長の高畠昌明氏は速やかに調査を開始すると言った。 

彼が言うには彼の部署はこの問題に関連しているこれらの企業については余り詳しく知らないとのことで、そのため経済産業省の原子力部門と協力してこの問題に取り組むとし、恐らくこの部門はすでに今回必要とされている情報を持っているであろうとのこと。

(原文:http://www.xs4all.nl/~aebr/wl/aftenposten/10TOKYO11.html



「東京公電:電力会社や経済産業省による原子力についての隠蔽

 

 アメリカで学び、働いた経験のある河野太郎氏は優れた英語会話力を持ち、農業、原子力、外交問題に興味があり、大使館との頻繁な接触を保っている。

 彼は日本の原子力産業に対して強い反対を表明しており、核燃料の再処理化に関してはコスト面や、安全面、また警備などの問題を上げて特に反対している。

 河野氏の主張によると日本の電力会社は原子力に関するコストや安全問題を隠しながら、核燃料の再処理を「ウランのリサイクル」との名で日本世論に上手く売り込んでいるとした。

 電力会社の影響力について河野氏によると、日本のテレビ局は核問題について3部にわたるインタビューを彼と行う予定であったが、最初のインタビュー後に取りやめを決定し、その理由は電力会社が主要なスポンサーを取りやめると脅しをかけたためであるという。

 河野氏によると、実は北海道電力網と本州の電力網間には使用されていない接続ラインが存在していて、電力会社によって非特定の非常時のために備えられているという。

  また彼は経済産業省による原子力事故の隠ぺいについて非難しており、これは原子力産業の実際のコストと問題をあいまいにしていると言った。

 河野氏は放射性廃棄物の保管問題についても言及し、日本は非一時的な高レベル放射性廃棄物保管場所はなく、それがゆえに保管問題に対しての解決策をまったくといって持っていないとした。

 そして日本の頻繁な地震活動や豊富な地下水などを理由として上げて、火山の国である日本に放射性廃棄物を貯蔵する上で本当に安全な場所など存在するのであろうかという疑問を上げた。また六ヶ所村は高レベル放射性廃棄物において一時的な保管場所という意図で計画されていたと付け加えた。

 (原文:http://213.251.145.96/cable/2008/10/08TOKYO2993.html

(引用終わり)

 ちょっと垣間見るだけでも如何に興味深い情報か、おわかりいただけるのではないだろうか。

 ところで、このウィキリークスについて日本の元外交官二人が対照的な見方をしている。まず、はじめに天木直人氏の考え方を紹介する。

*天木直人氏のブログより(引用始め)

20111026

「米国のウィキリークス潰しとアサンジュの反骨魂」

 ウィキリークスウォッチャーである私には、このニュースは見逃せない。ウィキリークス代表のアサンジュ氏が24日声明を発し、資金不足のため米外交公電の公開を停止する、と表明したという。

 資金不足に追い込まれた理由は米国が資金源を断ったからだ。数千万ドル(数十億円)の寄付金が入らなくなくなったからだ。クレジットカードやネット決済による資金集めの手段が打ち切られたからだ。

 米国がテロ対策や金融制裁に使う常套手段だ。どこまでも卑劣な米国だ。資本主義の世の中ではカネの流れを止めるのが最強の弾圧手段である。北朝鮮を締め上げ、ヤクザの活動を封じ、そして今度はウィキリークス潰しである。

 米国にとっては、アサンジュ氏はテロやヤクザに劣らない外敵であるということだ。

さすがのアサンジュ氏も活動を停止せざるを得なかった。しかし記者会見でアサンジュ氏は明言したという。

 公開停止は口座閉鎖に対抗するためだ。今後は資金集めに集中する。必ず米外交公電の公開は再開する。米国の卑劣な圧力に屈しない、と。

 私はここにアサンジュ氏の真骨頂を見る。反骨魂をみる。

 米国の不正義に、姿を見せてここまで挑戦する一人の人間を私は見た事がない。

私は繰り返し書いてきた。アサンジュ氏の言動をどう評価するかによってその人間の本質が分かる、と。

 権力側に立つか、権力の犠牲になった弱者の側に立つか、そのリトマス試験紙である、と。

 米国はアサンジュ氏に勝つことはできないだろう。米国がアサンジュ氏に勝つためには不正義を止めるしかない。不正義がなくなればその瞬間にアサンジュ氏の活動は終わる。

 私はアサンジュ氏の側に立つ。(引用終わり)



もう一人の元外交官が原田武夫氏である。天木氏の「人のよい日本人」らしい素直な意見と趣が違う欧米基準?の「人の悪い見方」を原田氏はしている。そんな彼の新著「アメリカ秘密公電漏洩事件 ウィキリークスという対日最終戦争」からそのユニークな分析を今回は紹介させていただく。

 2011年9月2日、ウィキリークスは入手したアメリカ外交公電25万1287本すべてを、なぜか一気にサイトで暴露しはじめた。「資金難」を理由に現在閉鎖中。

ところで、9月2日とは、日本で野田佳彦内閣が誕生した日である。

単なる偶然だろうか。もちろん、暴露された中には5697本もの東京・アメリカ大使館発の秘密公電が含まれている。この日本関連の公電を、「対米論で最も危険な日本人の一人?」とアメリカに評価されている元外交官 ・原田武夫氏がすべて読破し、世界の中枢で進行する大きな構図を推理していく。大変興味深い。



○以前のレポートでも紹介したように米国は不可思議なことに、東日本大震災が起こることを予測していたかのようなのである。なぜ米国は震災前から「死活的利益」として、日本のヨウ素鉱山などに着目していたのか。また、日本の重電メーカーの水力発   電、火力発電のタービン技術に注目していたのか。



○日本の政治リーダーは「親米派」で固められるようにコントロールされていることが、公電からはっきり読み取ることができる。



○「アラブの春」「Facebook革命」は、仕組まれたデキレース? 中東の独裁者は欧米にとって用済みになって捨てられただけなのか。



○いま世界中で起きている異常気象、特にヨーロッパの寒冷化による将来的な民族大移動に備えて中東の民主化という策を欧米は弄している? 以前のレポートで紹介したペンタゴンレポート(An Abrupt Climate Change Scenario and Its Implication for United States National Security”(急激な気候変動とそれが米国国防に持つ意味)が大きな意味を持っていることがわかるのである。

そしていよいよ世界最大の債権国である日本マネーが簒奪される最終ステージに入る? ウィキリークスですら、そのために利用されているかもしれない。



 <本書の内容>

 ・震災で日本がどうなるか知っていたアメリカ

・アメリカが着目した日本の「死活的利益」

・金融メルトダウンの真っただ中にリークが起きた謎

・情報工作機関同士の暗闇

・日本人外交官が世論操作を手引き

・「ニューヨーク・タイムズ」が斎木元局長を狙い撃ち

・アメリカがしてやったりの民主党“親米”政権

・捨てられる独裁者たち

・オバマが仕掛けた「体制転覆」の罠

・絶妙のタイミングで拡散される「不都合な真実」

・オバマの狙いはイスラエルの暴発?

・「寒冷化」がヨーロッパを動かす

・「変えられなければならない」中東・北アフリカ

・アメリカの日本マネー簒奪史

・自作自演の「秘密公電漏洩」

・史上空前の日本バブルが来る?

・野田政権誕生直後に全文公開の意図

 



昨年11月末から突如としてアメリカ秘密公電をリークし始めて一斉を風靡したウィキリークス。いまだにその実態は謎に包まれている。

 その一方で欧州を中心に「政府が持つ情報の全面開示」を求める動きが世界を席巻しつつある。Open Government Data、略して「OGD」という考え方である。

ドイツ・ベルリンではこれを強く掲げる「海賊党」がいよいよ大量の議席を獲得。かつて平和運動と脱原発を掲げて登場した緑の党のデ・ジャ・ヴが見え隠れしている。

フェイスブックといったソーシャル・メディアは単なる「社交ツール」などでは決してなく、一国の社会を完全に転覆するためのツールとして拡散されている情報兵器という一面を持っていることを原田氏は鋭く指摘している。

 

そしてその大きなターゲットの一つが世界一の債権国である日本だと原田氏は分析しているのである。



よくできた推理小説の一つとして一読をおすすめしたい。

今回はレポートでは、ありません。過激な言葉の使い方を嫌悪する方もいるかもしれませんが、日本民族を愛する作家の思いが伝わってきます。日本という国も、住んでいる私たち日本人も知らないうちに大変な状況に現在、置かれております。

昨年亡くなった作家の日本人への遺言のような魂の叫びです。

                                    

(*林 秀彦「日本人はこうして奴隷になった」より)

<林 秀彦(はやし ひでひこ)プロフィール>

(1934年9月26日 – 2010年11月19日生まれ)日本の脚本家、作家

1934年、東京府に生まれる。学習院高等科を卒業後ドイツのザール大学、フランスのモンペリエ大学に留学し、哲学を専攻する。松山善三に師事し、映画やテレビの脚本を執筆。 

3度結婚しており、最初の妻との間の子は作曲家の林魏堂、1974年には女優の冨士真奈美と結婚し、一児(岩崎リズ)を儲けるも1984年に離婚。1988年から2005年までオーストラリアに移住、帰国後は大分県九重町に暮らしていた]。また、祖母にドラマ「おはなはん」のモデルとなった「林はな」がいる。

2010年11月19日、肺炎の為に福岡県久留米市の病院にて死去

 

「人間としての日本人を探そう」

 

人間としての日本人を探そう。

私たち日本人は、自分たちを人間として意識したことがない。

その意味で実に珍種の民族だ。

人間であることを考えずに今までやってこられた。

そんな人間種は、私たち民族だけだった。

しかし、限界に達している。

もはやそれだけではやっていけない。

なぜなら、地球上のすべての人間が、

絶滅の危機に瀕しているのだから。

今まで人間だと思っていた人間も、

人間でなくなってしまいつつある。

なぜなら~~

人間とは何か?

人間とは~~

より人間らしくなる人間のことだから。

人間とは何か?

進歩の現在進行形こそ人間である。

より高度な人間性を求める過程こそ人間だ。

何が、どう、高度なのだ?

無論そこに物質的レベルを加えてもいい。

人間とは贅沢で、安逸を求める動物なのだから。

民度、という言葉の中に、経済要素を加えるのもいい。

昨日まで大八車を引いた人間が、

今日ベンツのトラックを運転するのも人間だ。

しかし、それだけではない。

無論それだけではない。

そんなことは誰だってわかってる。

じゃ、それ以上の高い要素とは何か?

論理だ、倫理だ、見識だ、

愛する能力だ、哀れみのこころだ、

寛容であり、自己犠牲の精神であり、勇気だ。

神と野獣のジレンマの克服だ。

つまり哲学だ。

知への限りない愛と追求だ。

本当は誰にもできることだ。

本当は誰にもわかることだ。

すべては明々白々なのだ。

ただ考えればいいのだ。ほんのちょっとだけ。

俺たちは人間なんだろうか~って。

君は知ろうとしないだけなのだ。

君は考えていないだけなのだ。

君は今まで一度として、

自分が人間なんだろうか、と

考えたことがない。

少しでも時間をかけ、考えれば、

たいていの人なら、日本人なら、わかることだ。

映画や小説を愛し、

美空ひばりとフランク・シナトラを愛し、

最低三年外国で暮らし、

異国人、異民族をも愛せれば、

誰にもわかることなのだ。

人間としての日本人を探そう。

少なくとも二カ国語の外国語を習得し、

剣道とトランペットを習得し、

古事記と聖書を熟読し、

世界史と日本史に精通し、

プラトンと三浦梅園を読み、

司馬遼太郎とジェフリー・ディーヴァーを読み、

モツアルトと高橋竹山に聞き惚れ、

落語とゴスペルを愛し、

ゴッホと大観を愛し、

シャーロック・ホームズと銭形平次のファンになり、

将棋とチェスに通じ、ポーカーと麻雀に強く、

苔寺に散策し、ベルサイユに遊べば、

誰にもわかることなのだ。

人間としての日本人を探そう。

至極簡単なことだ。

誰でも知っていることだ、

人類が滅びつつあるとき、

われわれしか人類を救う民族がいないことを。

それなのに~、

真っ先に滅亡するのが、

日本民族であることを~~。

ただ君が考えていないだけなのだ。

そう、本当は誰にもわかることだ。

考えさえすれば~~。

誰も相対性原理の話などしているわけではない。

至極当たり前の日常の話だ。

どこにでも正確なデーターが転がっていることだ。

日本の教育と世界の教育を比較してみればいい。

日本の政治家と世界の政治家を比較してみればいい。

日本の外務省と世界の外務省を比較してみればいい。

ブッシュを観察し、プーチンを観察し、

アラブの民に思いを馳せ、ユダヤの民に思いを馳せ、

七秒間に一人の割で餓死している世界の子供たちと、

登校拒否してゲームに現を抜かす子供たちを比較し、

明治の教育勅語を精読し、

アメリカの独立宣言を読み、

フランス革命史を読み、

朝日新聞の記事とフランクフルト・アルゲマイネの記事を比較し、

外食をやめ、我が子と一時間の会話をし、

朝は味噌汁を飲み、ローソンを無視し、

蕪村の死を読み、イヴ・モンタンのシャンソンを歌い、

痩せることを恐れず、太ることを恐れず、

同胞のしまりのないアホ面を観察すればすむことだ。

人間としての日本人を探そう。

なぜ隣国にごめんなさいを言い続けるのか、

なぜ日本の財産が失われていくのか、

なぜ日本の全株式の半分以上をガイジンがもっているのか、

なぜ醜いオバンがルィ・ヴィトンを持つのか、

なぜスポーツ選手や将棋指しまでが髪を染めるのか、

なぜ子どもたちが日本の童謡を歌わなくなったのか、

なぜ「なぜ」という新鮮な驚きをなくしてしまったのか、

その解答と対策は誰にでもわかることだ。

直感力を働かせ、人間を心から愛し、

すこしでも時間をかけて考えれば、

誰にでもわかることだ。

人類が滅びつつあるとき、

日本民族がいかにすばらしかったか、

われわれしか人類を救えなかったのだという慚愧の思いが、

誰にでもわかることだ。

しかし、わかっただけでは仕方がない。

キミはどんな行動をとればいいのか。

人間としての日本人を探そう。

神棚を祭り、祝祭日には日の丸を掲げ、

緑なす黒髪を取り戻し、

等身大の自分を見つめ、

拝金主義の我利我利亡者を軽蔑し、

日教組を撲滅し、一生が勉強であることを知り、

謙虚に自然を見つめ、直感力を養い、

自己顕示を卑しみ、老人をいたわり、先輩を立て、

親に感謝し、先祖を尊び、

美しく正しい日本語を取り戻し、世界に目を向け、

付和雷同を避け、己自身の見識を獲得し、

9.11のアメリカ政府の発表はすべて嘘だと知れば、

誰にでもわかることなのだ。

人間としての日本人を探そう。

もっとも危険なこと、もっとも忌むべきことを教えよう。

それはあらゆる種類のステレオタイプ思考だ。

情報の鵜呑み~、

鵜呑みこそ断じてしてはならないことだ。

たとえば、アメリカ人はこうだ、中国人はこうだ、と、

同じ人間を特定の枠に入れてはならない。

人間の違いは知性の高さと低さ、

それしかないことを肝に銘じよう。

国籍ではない、肌の色の違いではない、

脳味噌の中と、心の中だ。

人間を信じる以外に人間の道はない。

当たり前の話だ。

人間の味方は人間しかない。

人間を助けるのは人間しかない。

人間は人間がいてはじめて人間になる。

問題は人間でない人間が増えている。

戦争をする人間だ。

アメリカは今一分間に百万ドル、一億円の軍事費を使っている。

もう一度言おう。

一分ごとに一億円が軍事費で消える。

そのため、アメリカの教育関連予算は

連邦予算の八パーセントに過ぎない。

これは人間のすることではない。

しかし、だからといってアメリカ人全体が

人間でなくなっているわけではない。

ハリウッドはユダヤ・イルミナティの巣窟だ。

だからといって、

ジャージ・クルーニーが人間でないわけではない。

今とっさに頭に浮かぶだけでも、

次の映画を制作したアメリカ人や、

あるいはそれに協力したニグロイド、モゴロイド、コーカサイドはみな人間だ。

アタランダムに~、

「クラッシュ」「ナイロビの蜂」「ワーグ・ザ・ドッグ」「グッドナイト&グッドラック」

「ネットワーク」「JFK」「アミスタッド」「911ボーイングを捜せ」

「ダーウィンの悪夢」「ザ・コーポレーション」

どうせ日本民族などどこの馬の骨ともわからぬ民族で、失って惜しいものなどない~

のだと言う人がいる。

美しい日本語が失われたなどと言うのもチャンチャラおかしい言い草で、そもそも

たいした言語体系を持っていたわけでもないと言う人もいる。

それなりの学者がいっているのだ。

そうであったらどれほどいいことだろう。

このまま行けば、あと百年から二百年の間に、日本は中国の属国になるに違いない。

また、そうなるべきだとも思う。

どうせ世界は壊滅するし、その直前の数世紀は、コーカソイドとモゴロイドが天下分け目の戦いを起こすことは間違いない。この一切合財を失い、性根の腐りきった大和民族が、そんな時代に自主独立を果たせるわけがない。地政学的に言っても、歴史的に言っても、我々は東洋の一国、中国文明圏の一翼だった。

白人の奴隷となり、これ以上の恥辱を味わうよりも同じ黄色人種の驥尾に付し、ハエとなって百里の道でも進んだほうがましである。

私は異国で実験してみたが、白人と交わるよりも、中国人と(そのほとんどは華僑であったにせよ)交わるほうが、気分がいいし、意志の疎通もはかれ、且つスムーズである。

たぶん、トクヴィルの世界制覇の予言は、ロシアがその一翼であることは正しくとも、もうひとつの国がアメリカという点だけは間違っていたと思われる。すでにかの国には往年の力はない。崩壊は時間の問題だ。後に残るのはロシアと中国になるのはあまりに明白だ。

もっと厳密に言えば、スラブを含むロシア・コーカソイドのユダヤ勢力と、華僑を中心とした中国文明との戦いで、人類最後の決着がつくに違いない。

それ以外のどんな可能性があるというのだ?

絶対にない。そのとき、政治的イデオロギーは何の意味も持たないはずだ。

結局は人種の決着になる。アフリカを中心としたネグロイドがその間に一枚噛むとは、

残念ながら考えられない。彼らはあまりに出遅れた。

だが、いずれにせよ勝利は一瞬のものに終わるだろう。

その後に、たとえエイリアンの時代が訪れようと、それはまともに論じる人類の歴史とはならない。

歴史はすでにそのように動いている。

見ることのできる人間だけが見ている。

そこでわれわれにたった一つの選択肢が残されている。

戦うか、戦わずにこの必然の運命を受け入れるか。

私は戦うことを皆さんに勧める。

蟷螂の斧であろうとも、わたしたちの子孫は戦い、

破れ、そしてひれ伏そう。

まだ、時間はある。この残り少ない時間を使って、

どうしてもこれだけは残しておきたいものを探し出そう。

日本の、日本人の。

これだけは死守すべきものとは一体何と何なのか、考えてみよう。

当然それは¥ではない。

今回は、はじめに結論を箇条書きで、書かせていただきます。日本人が頭にいれておくべきことの続きです。 

  



(日本は海洋大国) 

1.現在、日本のマスコミを騒がしているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)は、マスコミ等で宣伝されているような開国政策ではなく、全く逆の現代の集団鎖国政策、米国によるブロック経済、囲い込み政策であり、自由貿易に逆行する政策である。 

 

2.世界最大の債権国である日本の「円」は隠れ基軸通貨である。 

 

(3)現在、米ドルは、三年前のレポートでも指摘したように一ドル=50円に向かっている。

 

(4)際限なくドルを発行している米国は、石油決済通貨であるドルの過剰流動性を原油価格の上昇で少しでも補うことで、基軸通貨ドルの延命を図ろうとしている。

   したがって今後も石油価格は上昇する。

 (5)リビアのガダフィー失脚は、ユーロ・ドル防衛のために欧米のエリートが仕掛けたものである。



(6)チュニジアから始まった「ジャスミン革命」等の民主化運動は、中東情勢を不安定にするためのものである。狙いは、石油利権の確保、石油価格の上昇、その先にあるのは、欧米が金融危機を脱するための戦争経済(WAR ECONOMMY)である。

 

(7)日本は米国の「自冶領」であると欧米のエリートの一部、特に米国のエリートは心の底で考えている。

  (サンフランシスコ講話条約は「日本の自冶」を欧米のエリートが承認した条約に過ぎない?)



 (8)現在、福島県民を中心とする日本人は、低放射線の人体に対する影響調査のモルモットにされている?

 

<解  説>

 1.TPPなどで関税を撤廃すれば参加国内の貿易は促進されるが、他地域との貿易で関税を引き上げなくても相対的に障壁を高める結果となり、逆に保護貿易を招く可能性も高い。

1929年の世界大恐慌後も、特定地域間で経済圏を形成し、その中で貿易を拡大して景気回復を図るブロック経済の動きがみられた。当時の経済協定は宗主国と植民地及び周辺国との間で締結された。代表的な例が当時覇権国のイギリスを中心に1932年に成立したオタワ協定である。これは英連邦国間で特恵関税制度を導入し、連邦外の国との貿易には高関税を課すもので、スターリング・ブロックと呼ばれる閉鎖的な経済圏が形成された。これによりイギリスの対英連邦国の貿易比率は拡大した。

米国も関税を大幅に引き上げるスムート・ホーリー法や中南米諸国との経済協定を締結した。一方で植民地の少なかった日本やドイツは、経済圏の拡大を目指して満州や中欧への進出を強め、第二次大戦につながっていった。



TPP参加国?

 *世界最大の債権国である日本にはアメリカだけでなく、中国からのアプローチも当然ある 

(以下引用)

「アジア共同体や海洋協力を 日中友好委で唐氏が提唱

2011.10.23 18:17 産経新聞

  日中両国の有識者でつくる「新日中友好21世紀委員会」の第3回会合の開幕式が23日、北京の釣魚台迎賓館であった。中国側座長の唐家●(=王へんに旋)元国務委員は基調講演で、東アジア共同体の構築を視野に、自由貿易協定(FTA)の推進や海洋上協力体制の創設を提唱した。 唐氏は「アジアの大国として協調と協力を深め、多くの利益の接点を探さなければいけない」と日中がアジア一体化に努力すべきだと強調。日中韓FTAや東アジア貿易圏の創設などを提案した。 また、唐氏は沖縄県・尖閣諸島や東シナ海ガス田の問題などを念頭に、海上危機管理メカニズムの必要性を強調、西太平洋における海洋環境調査やシーレーン(海上交通路)の安全確保も日中合同で実施するように求めた。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/111023/chn11102318180003-n1.htm

(引用終わり)

下記にあるように米国のエリート自身がアメリカにすでにリーダーシップがないことを認めている。であるならば、日本は純粋に経済的損得だけを考えてこの問題を考えるべきである。

(以下引用)

金融危機が出現させたGゼロの世界

――主導国なき世界経済は相互依存からゼロサムへ

A G-Zero World

――The New Economic Club Will Produce Conflict, Not Cooperation

イアン・ブレマー  ユーラシア・グループ会長 

ノリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授 

 フォーリン・アフェアーズ リポート 20113月号

 市場経済、自由貿易、資本の移動に適した安全な環境を作りだすことを覇権国が担ってきた時代はすでに終わっている。アメリカの国際的影響力が低下し、先進国と途上国、さらにはアメリカとヨーロッパ間の政策をめぐる対立によって、世界が国際的リーダーシップを必要としているまさにそのときに、リーダーシップの空白が生じている。われわれは、Gゼロの時代に足を踏み入れている。金融危機をきっかけに、さまざまな国際問題が噴出し、経済不安が高まっているにもかかわらず、いかなる国や国家ブロックも、問題解決に向けた国際的アプローチを主導する影響力をもはや失ってしまっている。各国の政策担当者は自国の経済成長と国内雇用の創出を最優先にし、グローバル経済の活性化は、遠く離れた二番目のアジェンダに据えられているにすぎない。軍事領域だけでなく、いまや経済もゼロサムの時代へ突入している。

(引用終わり)

 経済的な利害だけを考えれば、TPPは日本には何のメリットもないものである。

ただ、世界最大の債権国である日本を参加させなければ米国の戦略にとって何の意味もないことだけは確かである。つまり、TPPは「米国の年次改革要望書」の仕上げである。

 

  <09年におけるTPP関連諸国のGDP(単位:十億ドル)>                出典:IMF

上記のグラフを見れば、一目瞭然、TPPとは、日米の問題なのである。

参考http://www.youtube.com/watch?v=8G29qFqId2w&feature=player_detailpage

 2.GDPが世界3位となっても日本は世界で最大の債権国である。GDPは中国に抜かれたとしても、純貯蓄の規模という意味では、日本が今なお、世界最大の国である。

減価していくドルから逃げ出した世界の資金が円に注ぎ込まれ、ドル安の影響が円に集中することになる。円高が進むということは、それだけ円の存在感が為替市場において大きいことを意味している。日本が世界で最大の債権大国であり、危機が起きるたびに円がその逃避先になる。これは、実質的に、円はすでに基軸通貨的な性格を帯び始めていると考えるべきであろう。もっとも日本が軍事力も核も持たない国が覇権を握れるわけではないので、正統な基軸通貨には現状ではなり得ない。当然、日本も基軸通貨になりたいなどと宣言すらしていない。また、基軸通貨国としての責任や権限を世界から認められたわけではない。だが、実態的に世界のマネーが日本に流れ込んできているという厳然足る事実は、円が実質的に基軸通貨的な役割を持ち始めたと言って過言ではない。

世界のマネーが円を実質基軸通貨と考え出したのは、「円キャリー・トレード」と、リーマンショックである。

リーマンーショックは、アメリカおよびヨーロッパの金融の中枢を破壊した。日本はバブル崩壊の後遺症もあり、バブル的な米国不動産価格の上昇に乗らなかった。不動産価格の持続的上昇を前提として、さまざまな金融商品が登場した。サブプライムローンがその典型だった。サブプライムローンやサブプライムローンとプライムローンを組み合わせたCDOやCBSなど、日本の銀行や証券会社は、ほとんど扱わなかった。そのおかげで、日本の証券金融業界はリーマンショックの影響は他のG7各国の中では最も軽微であった。日本のバブル崩壊後90年代終わりからリーマンーショックに至る約10年、日本はゼロ金利、更には量的緩和という政策を米国の圧力もあって取り続けた。

世界一の債権国でゼロ金利では、いくら国内でカネを回しても収益が上がらない。

そこで、ジャパンーマネーが世界にあふれ出ていったのである。

直接海外に工場を作るなどの直接投資も行われたが、その大半が円キャリー・トレードという形で海外に流れ出ていった。

円キャリー取引は1996年頃から活発化した。遅々として進まない不良債権問題などで、円が、長期的に低金利が続く予想と米国が1995年4月に為替政策をドル高政策へと転換したこと、そして通貨当局の為替介入姿勢からドル安・円高阻止への決定的な動きから、魅力的な取引となった。

円キャリー取引は低金利の円を調達して、運用して儲けることができる、株の信用取引みたいなものである。資金の多くは高い金利の債券等で運用し、その差益を儲けることができる。いわば、世界中の投資家が円を「ドラえもんのポケット」として利用したのである。

主に巨額の資金を個人や法人の投資家から集め、為替や株式、債券など国際金融市場で投機的な売買を行うヘッジファンドが活発に円キャリー取引を行なっていると見られている。円キャリー取引が多くなれば、円売り・ドル買いが進むため為替相場は円安・ドル高の傾向となり、円キャリーは世界中を低金利化させていった。

日本から溢れ出ていったマネーは、アメリカでもヨーロッパでも、あるいは新興諸国でも、潤沢な投資が行われ経済が活性化したのだが、不動産に過剰な投資資金が投下され、リーマンーショックに至る金融バブルを生みだしたのである。

金利が低い状態の中で、それでもカネを回すことで稼がなくてはいけない立場の投資銀行やファンドマネージャーたちが、ハイリスクーハイリターン商品に投資せざるをえない構造となってしまったのである。リーマンーショックは日本が作り出したと言っても決して過言ではない。そして「円」は今や隠れ基軸通貨となってしまった。

しかしながら、本当の基軸通貨となると責任と負担が発生する。いわゆる「流動性ジレンマ」である。これは1960年代初頭にベルギーのケインジアン経済学者ロバート・トリフィンが発見した矛盾である。流動性ジレンマを端的に言えば、これは要するに流動性と希少性の綱引き問題である。流動性があるということは、すなわち量が十分に確保されているということだ。希少性があるというのは、要するに質がきちんと担保されていることを意味している。この両者を両立させることは難しい。だが、それを常に要求されるのが基軸通貨だ。基軸通貨というのは、決済通貨や外貨準備、そして投資される通貨なのであるから、流動性が確保される量を発行すべきなのである。しかしながら、カミッペラにすぎない紙幣、最近では電子的にしか存在しないが、過剰に流通させると価値が薄れて基軸通貨としての機能を果たせなくなってしまうのである。

流動性が十分であると同時に、希少性を損なわない通貨発行量のレベルをどう見出すか。この至難な問いかけに常に正解を提供できなければいけない。それができないようであれば、基軸通貨国たり得ないのである。

もちろん、日本がドルから基軸通貨の地位を勝ち取ったわけではなく、ユーロも人民元も基軸通貨となり得る状況ではない。ユーロについては、ギリシャ問題で噴出した構造的矛盾により、将来的に空中分解する可能性がある通貨であるから、基軸通貨としてはもとより、決済通貨としても突出して大きな役割を担うことになるとは考え難い。人民元は国際的責任を負うことを回避し続け、未だに不当な自国通貨安政策を改めようとはしない。そんな通貨が基軸通貨になりえないことは自明の理である。

実質的基軸通貨的存在感を持つに至っている円も実際には「円の国際化」が全く進んでいない。ドル安を容認し、輸出を倍増させようと考えている米国にはすでに基軸通貨国の資格がないことは言うまでもない。

(5)*ダイヤモンドオンラインより引用

革命後の国民は本当に幸福になれるのか?リビアの富を奪うために欧米諸国が仕掛けたカダフィ打倒

笹川平和財団アドバイザー・佐々木良昭

 

今年の2月に始まり半年にも及ぶ内戦の結果、リビアのカダフィ体制はほぼ崩壊したかに見える。世界のマスコミはこの勇気あるリビア国民の革命蜂起と成果を称賛する一方で、かつてアメリカのレーガン大統領が彼に浴びせかけた『狂犬』以上の罵倒をカダフィ大佐に浴びせかけ、独裁者、血ぬられた男、国民の大虐殺に踏み切った男と評した。

 実際にカダフィ体制下のリビアが西側諸国や革命派が主張するように、非民主的で非自由社会で非統一の国家だったか否かは、もう少し時間が経過しなければ分からない。革命派はこれらの諸問題の解決を標榜するが、実はリビアの将来には幾つもの難問と不安が待ち受けているのだ。

 石油輸出の停滞とインフラの復旧遅れが3年は続く

まず、リビア人に限らず利己主義的な感覚が強いアラブ人に共通する最重要課題は個人所得だが、リビアのこれまでのGDPは一人当たり14000ドルであった。リビア国民の個人的な経済状態が今までよりも良くなるか否かが、最も重要な社会安定の要素なのだが、悪くなると予測する方が正しいのではないか。

  その理由は当分の間(一部の専門家の予測では3年以上)、リビアの石油輸出が革命以前のレベルに戻れないからだ。95%以上の外貨収入を石油輸出に依存しているリビアにとっては、この石油輸出が遅滞することは、大きな痛手となる。

 そして今回の内戦で破壊された、インフラの再構築に膨大な費用が必要になろう。そのことが国民の生活に与える影響は、小さくあるまい。

 今回のリビア革命を、最初の段階から支援してきたイギリスとフランス、そしてアメリカは、当然のこととして新生リビア政府に対し対価を求めよう。もちろん、最初の段階ではこれらの国々はリビアに対し経済支援をするのであろうが、結果的には、これらの国々によって膨大なリビアの富が持ち去られるということを忘れてはならない。

そもそもイギリスとフランスがリビアに乗り込んで行ったのは、自国経済が破たん寸前だったからではないのか。リビアの富と石油を支配することによって自国の経済を復興させようとしたのであろう。

  こうなると新生リビア政府は、カダフィ大佐が大金を投入して築き上げたインフラの多くを、修復できないままで放置せざるを得なくなる。

 その中で一番問題になるのは、カダフィ大佐が造り上げたGMR(人間が作った偉大な川)だ。GMRとはリビア南部の地下水を汲み上げ、地中海沿岸地域に運び、農業用そして飲料として使うというものだ。このGMRの補修・手入れができなくなれば、人口が集中しているトリポリ市やベンガジ市は、一気に水が無い死の世界に変貌する危険性がある。

解決されていないイスラム宗派間の対立

リビアの今後で不安なのは、今回の革命で主導権を握ったメンバーの中には外国逃亡組が多数いるということだ。彼らはよく言えば穏健なイスラム教徒、きつい言い方をすれば欧米かぶれの世俗派である。

 リビアには元々サヌーシー派(サヌーシー教団とも呼ばれていた)という、イスラム原理主義の宗派の人たちが少なくなく、特に東部地域ではそうだ。それに加えエジプトと隣接していることもあり、ムスリム同胞団のメンバーも多いのだ。

 そうなると近い将来、欧米帰りの世俗派とイスラム原理主義者が衝突する場面が想定される。リビアの国内の対立衝突因子は部族間に限ったことばかりではないのだ。

 もちろん、そもそも今回の革命が始まった原因は、部族間に所得格差が生じたことによる、とされてきていた。それならば当然のことながら、今後新政府が結成されていく段階では部族間の富の配分バランスをどう調整するか、という大きな問題が解決されなければならない。

革命の火を放ったのはだれか

今回のリビアの革命で、忘れてはならない疑問点がある。今後の不安材料に繋がっていくのだが、そもそも誰が最初に今回の革命の火を放ったのかということだ。

 単純に言えば、リビアの民主化を求めた国民、ということになろうが、そんな単純なものではない。実は反体制の動きが起こった当初の段階で、パキスタンの情報部が、イギリス、フランス、アメリカが軍事顧問をベンガジに送り込んだ、という情報を伝えていた。

 カダフィ大佐に嫌われ、チャドに長い間派兵されていたハリーファ・ヘフタル大佐がチャドから他のアフリカの国に移動した後、彼と彼の部隊をアメリカが受け入れ20年もの間バージニアに匿っていた。そのハリーファ・ヘフタル大佐も内戦勃発と同時期にリビアのベンガジ市に戻っている。しかし不思議なことに彼の名は、いまだ全くリビアから聞こえてきていない。

 イギリス、フランスは反政府派が軍事行動を起こし始めると、彼らの軍事行動への具体的な支援を始め、飛行禁止区域の設定に加え、空爆、武器の供与が行われた。それにアメリカが後発で加わる。アメリカは無人機を多数送り込み、空爆を実行した。もちろん偵察衛星や偵察機で集めたカダフィ大佐側の軍の動きも逐一、反体制側に送られていたものと思われる。

 そして最終的には、カダフィ大佐側が追い込まれ、彼の住居とされていたバーブ・アジージーヤも反政府側によって落とされた。

 これで一件落着と言いたいところだが、そうは行かない。カダフィ大佐側が拠点を移して反攻に出る可能性が否定できない。彼にはいまだに、多数の武器と莫大な資金がある。

 だからと言ってカダフィ大佐にもこの革命の流れを変えることはできなかったはずだ。それは時代の変化ということに加え、リビアで起こっている革命戦争に欧米が全面的に介入しているからだ。ここまできて反政府側がカダフィ大佐側によって敗北させられたのでは、欧米の面子が丸つぶれになるばかりではなく、戦争に費やした費用が回収できなくなるからだ。欧米はなんとしても、カダフィ体制を打倒しリビアの富とエネルギー資源を、手中に収めようと考えている。

こうした欧米側の考えを裏付けているのが反体制側の要人たちの発言だ。現在反体制側の代表者となっている、ムスタファ・アブドッジャリール氏は「リビアに居住していたユダヤ人に帰ってきて欲しい」と呼びかけ、彼らがリビアの政治活動に参加することを期待している。彼以外にも、王制時代の閣僚の子息である、アハマド・シェイバーニ氏は「イスラエルとの協力関係が重要だ」と語っている。彼に言わせれば、イスラエルの持つ国際的な影響力を通じて、新生リビアが国際的認知を受けていく必要があるからだというのだ。

 何のことは無い、イギリスやフランスに加え、最初の段階からイスラエルやユダヤ人がリビアの革命に深く関係していた、ということではないのか。つまり、今回のリビアの革命騒ぎは、欧米諸国やイスラエルなどが、こぞってリビアの富を奪うために仕掛けたものだったということであろう。

 そのことをカダフィ大佐ははじめから分かっていたのであろう。だからこそ欧米に支援される革命派に対し、徹底抗戦を叫び続けたのだと思われる。結果的に彼は妥協するタイミングを失い、敗北していくことになった。この結果、リビアは欧米の新しい形の植民地支配下に置かれることになった。

(*苫米地英人著『脳と心の洗い方』より抜粋)

(7)サンフランシスコ講和条約の原文を見ると・・・

そこで実際にSan Francisco Peace Treatyの英文原文を読んでみますと、条約が効力を発する翌年四月二八日をもって終戦を宣言する第一条(a)に続く、独立を認めたとする第一上(b)の文面は、”The Allied Powers recognize the full sovereignty of the Japanese people over Japan and territorial waters”となっています。これは、日本語訳では「連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全なる主権を承認する」と訳されています。

訳文は確かに、「日本国」の独立を認めた文言にも読めます。ところが、原文は、Japanese peopleと小文字でpeopleと言っているのであり、これは「日本人」、「もしくは日本の人たち」と訳すべきでしょう。「日本国民」と訳すのは誤訳です。

勿論、sovereigntyはフランス語語源で、ヨーロッパの伝統的な文脈では近代国家相互の対外主権と領土内の統治権の両方を表す言葉ですから、「主権」という訳語は誤訳ではないですが、統治権は人々にあるのであって、軍部や国家機関ではないという近代民主主義の理念を”full sovereignty of the Japanese people”と表現しているのであり、「領域の統治権は日本の人民にあると認識する」という統治権を表す文言には読めますが、日本という国の独立を認める意味での「対外主権」を表している文言と読むには無理があります。事実、同条約第二条以降は、対外主権の定義である、国としての最高独立性を強く制限しているのであり「対外主権」を表す言葉とするならばfullという言葉と本質的に矛盾しています。

また、sovereigntyという言葉は、合衆国である米国では、もともと各州に独立的自治権を認めている用語として使われている用語であり、当時の米国の政治環境並びにアメリカ史の連想から言えば、当時のアメリカ英語を現在の日本語のセンスで翻訳すれば「自治」という程度の用語でしょう。

ですから、「連合国は日本の人民による日本とその領海の充分なる自治を認める」程度が本来の翻訳でしょう。また、サンフランシスコ講和条約の日本語訳では、その後もJapanという言葉は全て、「日本国」と訳していますが、原文では、一度も、国としてのJapanを示唆する用法はありません。単に、TaiwanとかRyukyu Islandsといったterritoryを表す中立的な用語として、Japanという文言が使われているにすぎません。

サンフランシスコ講和条約には、Japanというterritoryには、Koreaは入らない等々、延々と、Japanという地域がどこからどこまでかということが書かれているのであり、条約全体の文脈からも、Japanは「日本」というサンフランシスコ講和条約で定義される領域を示す単語として使われており、国を表す言葉と読むのは、麗しすぎる誤訳です。条約のJapanは「日本国」ではなく「日本」と訳すべきところを、日本語訳のほうで、「日本国」という独立国が認められたかのような訳し方を意図的にしているだけです。

少なくとも、主権国家の定義である「国内統治権」と、「対外主権」の二つのうち、半分の統治権しか認められていないことは間違いないでしょう。

(8)日本人が、自分たちがモルモットとして人体実験されているというのに気がついたのは、広島・長崎に投下された二つの原子爆弾だった。人類史上初めて使われた大量破壊兵器であり、その威力があまりにも強力でそれ以降は一度も実際の戦争では使われていない。

投下した米国としては、その影響がどのようなものかを調査するのは当然のことだろう。米国は、2発の原子爆弾をヒロシマ・ナガサキに投下して、そのあとに多くの医師を派遣して原爆の影響を調査させたが、そのときに入ってきたのは医者だけではなかったことはよく知られている。軍事専門家は当然として、政治学者も心理学者も人類学者も哲学者も環境学者も物理学者も、ありとあらゆる専門家が両地域に派遣されて膨大なデータがアメリカに蓄積されていった。それが、先般のレポートで説明した試算被爆基準値T65Dをつくる元になったのである。

そして、今回の福島原発事故である。人口の多い地域である日本で起きた今回の事故はチェルノブイリを超える可能性のある核災害・放射能汚染の現場になった。

地震によって原子力発電所が破壊され、水素爆発(あるいは核爆発)を引き起こして4機の原発が次々と壊滅的な損傷をしていき、いまだに放射性物質を大気に飛び散らせている。これによって海洋と大地は汚染されて、しかも原発から250キロの地点にある首都圏にまで被害が及んでいる。

本来ならばすぐにでも避難しなければならなかった福島県の人たちを避難させずに、「放射線研究」をしている山下俊一氏を「放射線アドバイザー」に任命させて、今後の経過を見ようとしているかのようでである。

100ミリシーベルトまでは問題ない」、「笑っていれば放射能は逃げていく」と言って福島の人たちを「研究」しようとする山下俊一氏の姿勢は、まさに実験室でモルモット実験をしている科学者の態度である。

実際、この人は、この8月、ドイツのシュピーゲル誌のインタビューに答えて被験者は200万人の福島県民全員と答え、科学界に記録を打ち立てる大規模な研究なると正直に答えている。



 

 

 ごく当たり前の客観的な報道が日本では存在しないので、我々は本当のことを忙しい日々の中で把握できなくなっている。東日本大震災の海外からの支援についても同様である。以下の海外からの東日本大震災への支援状況を眺めていただきたい。

 *東日本大震災海外からの支援状況(http://wikiwiki.jp/h4j/#m48f54f7)より引用

•米国(軍人約8,000+救助隊144+専門家2+8=8,154名、救助犬12頭、義援金49億円以上、物資150トン)

•韓国(救助隊5+消防隊員102=107名、救助犬2頭、義援金約69,000万円、  ホウ酸52トン、その他援助物資)

•台湾(救助隊63名、義援金約28千万円+104億円、支援物資500トン以上)

•中国(救助隊15名、義援金7,200万円、ガソリン等燃料2万トン、36千万円相当の援助物資)

•インド(救援隊46名、毛布25,000枚、飲料水13,000本)

•パキスタン・イスラム共和国(食料等支援物資約23トン)

•タイ(義援金1,350万円、毛布1,000枚+20,000枚、タイ米15,000トンを含む援助物資)

•スリランカ(義援金8,200万円)

•マレーシア

•フィリピン(カップ麺など支援物資)

•ネパール(毛布5,000枚)

•オーストラリア(救助隊および専門家75名、救助犬2頭)

•ニュージーランド(救助隊7名+45名=52名)

•シンガポール(救助隊5名、救助犬5頭、毛布食料など支援物資)

•インドネシア(義援金約1億6千万円、救助隊15名)

•東ティモール(義援金約4千万円)

•サモア(義援金約820万円)

•トンガ王国(義援金約900万円)

•アフガニスタン(義援金約2.000万円)

•ウズベキスタン共和国(毛布、テントなど支援物資)

•キルギス共和国(飲料水2.5トン)

•モンゴル(援助隊12名、義援金約8,200万円、毛布等の援助物資)

•ブータン(義援金約8,200万円)

•カンボジア(義援金約1,000万円)

•ラオス(義援金約1,500万円)

•ベトナム(義援金約1,600万円)

•イラン・イスラム共和国(缶詰食料18トン)

•トルコ(救助隊32名以上)

ロシア(救助隊50+25+80=156名、毛布17,200枚他援助物資、天然ガス供給増)

•ウクライナ(毛布約2,000枚)

ドイツ(救助隊41名以上、救助犬3頭)

•スイス(救助隊27名、救助犬9頭)

フランス(救助隊100名以上、食料等支援物資150トン、その他原子力関連機材)

英国(救助隊および医療支援チーム計63名、救助犬2頭)

•クロアチア(義援金約5,600万円)

•ポーランド

•スロベニア(義援金1,730万円)

•エストニア共和国(義援金2,300万円)

•ラトビア共和国(義援金1,630万円)

•アイルランド(義援金約1億1,500万円)

•オランダ(義援金1億1,500万円)

•スロバキア(義援金1,150万円)

•カナダ(毛布約25,000枚)

•メキシコ(救助隊12名、救助犬6頭)

•ブラジル(義援金約4,200万円)

•ベネズエラ(毛布、飲料水、食料等の支援物資)

•南アフリカ共和国(救助隊49名、救助犬4頭)

•ガボン(義援金約8,200万円)

•タンザニア連合共和国(義援金約140万円)

•ボツワナ共和国(義援金約1,200万円)

•ナミビア共和国(義援金約8,200万円)

•スーダン(義援金約820万円)

•朝鮮民主主義人民共和国(義援金約810万円)

EU(義援金約12億円、毛布25,000枚など寝具70トン)

•国連(専門家5名)

•国際原子力機関(IAEA)(専門家4名)(引用終わり)

また、下記に書いてあるようにトモダチ作戦というものも非常に高いものだったようである。

(引用始め)

 米国軍から2万人の“トモダチ”が駆けつけた「トモダチ作戦」は日本のメディアでは大絶賛された。だが、そもそも8000万ドル(約67億円)が計上された「トモダチ作戦」は、もちろん無償の友情ではない。2011年度末の331日には民主、自民などの賛成多数で「思いやり予算の特別協定」が可決された。有効期限は従来の3年から5年に延長され、今後5年間、日本は米軍に現行水準(約 1880億円)を支払い続けることを決めた。

もともと、「思いやり予算の延長は民主党内に反対意見が多く、与党も外務省も年度内通過を諦めていた。ところが、米軍の支援がトモダチ作戦でムードが変わったために、今なら可決できると 踏み切った。」

米軍にしてみれば、海老で鯛を釣ったようなもの。「友情の請求書」こそ、現在の日米関係を象徴している。(週刊ポスト2011年4月29日号より)

 また、日本銀行が「東日本大震災」後の3月14日から8営業日連続で総額102兆6千億円の資金を銀行や証券会社向けのいわゆるコール市場、短期金融市場に投入している。(3月24日の朝日新聞より)。

 「日銀、8営業日連続の資金供給 短期金融市場に2兆円」
http://www.asahi.com/business/update/0324/TKY201103240098.html
 日本銀行は24日午前9時半過ぎ、銀行や証券会社などが必要な資金をやりとりする短期金融市場に2兆円の資金を供給する公開市場操作(オペ)を実施した。28日に金融機関に貸し出す分。日銀による大量資金供給は東日本大震災後の14日から8営業日連続で、資金供給の総額は102兆6千億円になる。(引用終わり) 

*それでは、日銀が震災直後から銀行に資金供給した102兆6千億円はどこ に消えたのか?

 日銀は102兆6千億円もの金をすでに金融機関に流していた。しかしながら、この資金が震災被災者の救援や被災地の復興に直接役立っているという話は一切聞こえてこない。ではこの資金はいったいどこに行ったのか?
 

日銀が資金供給した金融機関は3大メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ) と2大証券会社(野村証券、大和証券)である。この資金の使い道は「大震災の救済復興」を担当する政府ではなく直接は関係しない3大メガバンクと2大証券が握っている。

3大メガバンクと2大証券は融資の回収リスクがあったり、融資リターンが低い案件には決して融資も投資もしないから、102兆6千億の資金の大部分はいわゆる「円のキャリートレード」として国際金融資本(ゴールドマン・サックス、シティグループ、モルガン・スタンレー、メリル・リンチ、JPモ ルガン)に低金利で貸し出されていたことになる。

米国ユダヤ系投資銀行=国際金融資本はこれらの資金を投機資金としてBrics各国へ投資し現地経済をバブル化させ、先進国の株、債券、国債へ投機して国家財政を破綻させ、原油、金、食料への買占めで価格暴騰を引き起こしている。
 3月11日にマグニチュード9.0の大地震に見舞われた日本の株価を630円も暴落させ円を76円代まで暴騰させたのは、人の不幸に乗じて金儲けをたくらむ強欲な米国国際金融資本の仕業であることは言うまでもない。
 経済ニュースで時々報道されるように、巨額の財政赤字と貿易赤字をハイパーインフレで一気に解消しようとする目論むオバマ政権とFRBは大量のドルを印刷して米国ユダヤ系投資銀行に流している。
 日本銀行は米国支配層の要請に応じて表向きは「大震災対応資金」と称して大量の円を印刷してゼロ金利で3大メガバンクと2大証券会社に流し、その大部分は米国に流れ莫大な投機資金となっている。 

 

さらに今秋日本政府は、米国債を中心にした外国債購入のために外国為替特別会計を積み上げている。円高回避という名目で米国債や欧州債を買い支えるためである。

(以下ニュース引用))

外国為替資金特別会計の借入限度枠を165兆円に引き上げ 

安住淳財務相が30日午前の閣議後会見を開き、財務省は外国為替市場での介入資金の原資となる外国為替資金特別会計の借入限度枠を現行の150兆円から15兆引き上げ 

 165兆円とし、今年度第3次補正予算に盛り込むとすることを明らかにした。 

 為替市場のモニタリング強化策として主要金融機関に求めていた為替ポジションの報告も今年12月末まで延長する。明らかにした。 

 為替介入の資金確保のために発行している政府短期証券の発行残高は現在約119兆円となっている。 

 今回の引き上げで過去最大規模の46兆円の発行余力を確保することになる。 

 同省は昨年9月2兆円規模の円売り・ドル買い介入、実施を受けて今年度予算で借入限度枠を5兆円引き上げた。

 また、今年3月(6925億円)、8月(4兆5129億円)の為替介入で残高が増加していた。

ウォン安回避で支援拡大 日韓首脳会談で合意

(産経MSNニュース2011.10.20 01:13より)





共同記者会見を終え握手する野田首相(左)と韓国の李明博大統領=19日午前、ソウルの青瓦台(共同)

【ソウル=阿比留瑠比】韓国訪問中の野田佳彦首相は19日、ソウルの青瓦台(大統領府)で、韓国の李明博大統領と会談した。両首脳は欧州金融不安を受けたウォン安回避に向け、韓国への資金支援枠を現行の130億ドル(約9900億円)から700億ドル(約5兆3600億円)に拡大することで合意した。平成16年から中断している経済連携協定(EPA)交渉の早期再開に向けて実務者レベルでの協議を加速化させることで一致した。

両首脳の会談は、9月の米ニューヨークでの国連総会以来2回目。両首脳は、元慰安婦や竹島の問題は触れず、未来志向の日韓関係を築いていくことで一致。「日韓新時代共同研究プロジェクト」第2期を始めることも合意した。(引用終わり)

 ソウルで李明博大統領と会談した野田総理は、韓国がウォン安を乗り切るために通貨融通枠を5倍にすると約束した。もともと韓国は政府自ら通貨介入でウォン安を作りだし、国際競争力を高めて利益を上げ続けてきた。しかし、今回のユーロ金融危機で投資資金が一気に引き揚げられてしまい、ウォン安が止められなくなった。自業自得である。反日姿勢を崩さず、困ったときだけ援助を求めてくる韓国政府に対しては、きちっとした対応が絶対必要である。日本とは領土問題もあったのではないか。

先日、中国が大量にドル売りを実行した事が明らかになっているが、当然、中国がドル売りをすれば、韓国もドル売りをしなくてはならない。それを売らないで済む様に日本に700億ドルものお金を米国が出させたのだろう。

ところで、TPPに参加しないと日本は韓国に負けるなどという人たちがいまだに日本のテレビ番組に登場するが、どういうつもりなのだろう。頭の中を覗いてみたいものだ。まず、TPPに参加すると、韓国と自由競争する国:日本が5兆円以上お金をその国に援助している異常さを指摘すべきではないかと思うのだが、

  ここで、上記に示した援助額をもう一度、見ていただきたい。米国の援助額は、「トモダチ作戦」をあわせても110億円ちょっとしかない。その見返りとして、米国が日本から引き出した金額は、間接的、直接的なものを含めて110兆円を超えている。実に一万倍である。一説によるとこの日本から引き出したお金でこの夏のドル危機を乗り切ったとも言われているが、今回引き上げられた米国債上限額引き上げ分と110兆円がほぼ同じ金額なのも意味深である。

  韓国の震災援助額は約7億円である。韓国は今回の日韓首脳会談で米国並みの約7500倍のお金を日本から引き出したことになる。

 上記の海外からの支援状況で注目すべきは、台湾である。あの小さな国の援助額が約107億円である。日本の大手マスコミはこのことをほとんど報道しないが、この国は何の見返りも求めずこれだけの援助を日本にしてくれたのである。

日本にとって本当の友達は誰か、一目瞭然であろう。

 

311 午後8時、李登輝元総統より日本語のメッセージ

「日本観測史上最大の「東北・太平洋沖地震」の発生をテレビで知りました。津波で押し流された家や車、そして、火災、家に戻れない方々。亡くなった方もおられます。負傷者もおられます。

次々報道される災害状況を見て1999921日、台湾で起きた大地震を思い出すと同時に、現在の日本の皆様の不安や焦り、悲しみなどを思い、私は刃物で切り裂かれるような心の痛みを感じております。

人間には力の及ばない大自然の猛威を前に、畏敬の念は抱いても、決して「運命だ!」と諦めないでください!元気を出してください!自信と勇気を奮い起こしてください!

今は、一刻も早く地震の余波が収まることと復旧を、遠い台湾の空の下でお祈りしております。」

  李登輝氏

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