福島原発事故から半年以上が経過した。



    振り返ってみれば、この事故が起こるまでは、電力会社からもマスコミからも、日本の技術は優秀だから原子力発電所は絶対に安全だというメッセージしか、私のような一般人には伝わらないようにされてきたような気がする。それはもちろん、「原子力村」とも言われる利益共同体の大きな意志、意図が働いてそうなったのだろう。

  私自身もエネルギー技術関連の知人がいて今までにいろいろなことを教えてくれたにもかかわらず、たとえば、「現在の原子炉の耐用年数は20年位しかない。」「日本の原子炉の設計の大半はGEで、本当に大切な技術は日本に公開されていない、つまり、ブラックボックスになっているので、大きな事故があったら、日本だけでは対応できないだろう。」

「人間がつくったもので、壊れないものがあるはずないだろう。」

とにかく、いろいろなことを言われたが、原発について真剣に考えることもなく日々を過ごしてきたというのが本当のところだ。

そう言えば、小学生の頃、東海村の原子力のPRフイルムを見せられた記憶がある。人類の輝かしい未来を切り開く新エネルギー:原子力の研究が私たちの日本でも行われているという原子力という技術によるバラ色の未来を宣伝するものだった。私の記憶に今でも生々しいのは、放射線を照射して突然変異の研究をしているというものだった。

  しかしながら、311以後、多くの方が、気がつき始めているが、現在の原子力技術は我々にバラ色の未来を約束するものではどうもなさそうだ。

また、今回の事故に対する政府、東電、マスコミの対応は、あまりにも不誠実であった。

 子供のことを心配するお母さん方や、わたしのような素人が原子力や放射線の本を読まなければならない時代を誰が想像しただろうか。 



今回は、この半年間読んだ本から気になったものをお忙しい方のために少しご紹介したい。



   まずは、「原爆ぶらぶら病」のことを教えてくれた「内部被曝の脅威」という本から紹介させていただく。福島県産の食品を積極的に食して被災者を支援していた芥川賞作家の柳 美里女史がぶらぶら病の症状を発症しているかもしれないというニュースから読んでいただきたい。 

 

芥川賞作家・柳美里さんに「原爆ぶらぶら病」の声も 

ライブドアニュース2011年09月09日12時00分

 

 芥川賞作家・柳美里さんがこのところ自身のツイッター上で体調の異変を訴えているが、福島県産の食べ物などを摂っていたことから、インターネット上では一部に食べ物が原因ではないかとの声も上がっている。 

 柳さんは「ふしぎだよね。福島に取材に行ったり、福島産の食べものを美味しいと言ったりすると、フォロワーが減る」と過去にツイートしており、「わたしは、食べますよ」と反論している。 

ただ自身の子供については、東日本産の疑いのある食材や水などは食べさせていないという。 

 体中に激痛が走るそうで、その原因を「たぶん同居男性の三叉神経痛が染ったんだと思う。拷問のような頭痛と吐き気。顔も痛い。目が押し出されそう」などと書いている。 

 こうした一連のツイートは7月下旬から始まって、現在も続いており、これらを見た一部ユーザーからは「原爆ぶらぶら病」ではないかという指摘もある。 

 ぶらぶら病とは、一度何らかの病気になると、人並みに働くことさえ困難となり、また重病化してしまうとされている。

それでは、本の一部を紹介させていただく。以下、引用抜粋。



「内部被爆の脅威」肥田舜太郎/鎌仲ひとみ著 

(ちくま新書 2005年6月10日発行)

 

被ばく者はアメリカのモルモット

 *48Pから

一九四九年、広島の比治山にアメリカのABCC(Atomic Bomb Casually Commission),

原爆傷害調査委員会)が開所した。被ばく者を集めて被ばくの診察、検査を行い、治療は一切行わず、死亡者は全身を解剖して全ての臓器をアメリカへ送って、放射線障害研究の資料とした。はじめは藁をつめた遺体が遺族に渡されたが、最後のころは親指だけになったと、労務者が憤慨して語っていた。

 敗戦直後に広島に入って調査、研究を行った京大医学部の「原爆傷害に関する報告第一~第四」は人体の脳と背中の燐が放射化し、骨髄の造血機能を傷害して、一定の潜伏期を経た後、死亡させるメカニズムを指摘したが、研究記録はすべて占領米軍に提供させられ、以後、日本の学会の調査、研究は禁止され、或いは制約を受けて、臨床の現場の医師には原爆放射線の傷害に関する情報は全く届かなかった。

 「ぶらぶら病」

*51pから

「ぶらぶら病」寝込むほどではないが、具合が悪い状態が続く病気。

 55pから~

二〇〇五年の今年、生き残っている約二十七万の披ばく者の多くは二つ、三つの病気を待ちながら、様々な不安や悩みを抱えて生き続けている。

 彼らの多くは披ばくの前は病気を知らず、健康優良児として表彰までされたのが、披ばく後はからだがすっかり変わり、病気がちで思うように働けず、少し働くとからだがだるくて根気が続かずに仕事を休みがちになった。医師に相談していろいろ検査を受けても、どこも異常がないと診断され、当時、よく使われたぶらぶら病の状態が続き、仲間や家族からは怠け者というレッテルを貼られたつらい記憶を持つものが少なくない。事実、「からだがこんなになったのは原爆のせい」とひそかに思いながら披ばくの事実を隠し続け、誰からも理解されずに社会の底辺で不本意な人生を歩いた被ばく者を私は何人も診ている。

 110pから~

『広島・長崎の原爆被害とその後遺―――国運事務総長への報告』

2-2 被害の医学的実態

(2)後障害

(g)原爆ぶらぶら病(当時はまだ症候群とは呼んでいなかった)

 原爆症の後障害のうちで、とくに重要と思われるものに「原爆ぶらぶら病」がある。被爆後三十年をこえた今日まで、長期にわたって被爆者を苦しめてきた「原爆ぶらぶら病」の実態は、次のようなものである。

 1被爆前は全く健康で病気ひとつしたことがなかったのに、被爆後はいろいろな病   気が重なり、今でもいくつかの内臓系慢性疾患を合併した状態で、わずかなストレスによっても症状の増悪を現わす人びとがある(中・高年齢層に多い)。〔中略〕

 2簡単な一般検診では異常が発見されないが、体力・抵抗力が弱くて「疲れやすい」「身体がだるい」「根気がない」などの訴えがつづき、人なみに働けないためにまともな職業につけず、家事も十分にやってゆけない人びとがある(若年者・中年者 が多い)。

3平素、意識してストレスを避けている間は症状が固定しているが、何らかの原因で一度症状が増悪に転ずると、回復しない人びとがある。

 4病気にかかりやすく、かかると重症化する率が高い人びとがある。

 以上に示すように「原爆ぶらぶら病」はその本態が明らかでなく、「被爆者の訴える自覚症状」は、がん固で、ルーチンの検査で異常を発見できないばあいが多い。〔後略〕

 性的不全

 同書51pから~

彼女の相談したかったことというのは、夫婦生活のことで、ある時期から夫の要求に100パーセント応えきれなくなった自分の体調の不甲斐なさの原因を調べて、それまでのように円満に夫婦生活を送れる「女」に変えるにはどうしたらよいかを相談したかったというのである。

 ・・・略・・・

 ある時から夫の気持ちの高ぶりに応えて自分も燃え、頂上へあと一息というときに急に気持ちが萎えて、下半身から力が抜けてしまうのだという。熱くなっている背中にいきなり水をかけられたよう、と書いている。

 実は、彼女は原爆後、半年ぐらい経った頃から、時々、急にからだがだるくなり、手足の力が弱くなって立っているのが辛く、どうしても座らなくてはいられなくなることがあった。半日ぐらいでよくなることもあるし、何日聞か続くこともあった。医師に話したこともあったが、気のせいだと取り上げてもらえなかった。

 ペトカウの実験

 同書90Pから~

    放射線の人体に対する影響の医学的な解明を阻んでいた壁の一つは、放射線に対する細胞膜の強大な障壁だった。アブラム・ペトカワは1972年、マニトバにあるカナダ原子力委員会のホワイトシェル研究所で全くの偶然からノーベル賞に匹敵する次のような大発見をした。

即ち、「 液体の中に置かれた細胞は、高線量放射線による頻回の反復放射よりも、低線量放射線を長時間、放射することによって容易に細胞膜を破壊することができる。」

ことを実験で確かめたのである。

ペトカワは牛の脳から抽出したリン脂質で作った細胞膜モデルに放射線を照射して、

どのくらいの線量で幕を破壊できるかの実験をしていた。エックス線の大装置から15.6シーベルト/分の放射線(許容量は一ミリシーベルト/年)を58時間、全量35シーベルトを照射してようやく細胞膜を破壊することができた。

ところが実験を繰り返すうち、誤って試験材料を少量の放射性ナトリウム22が混じった水の中に落としてしまった。リン脂質の膜は0.00001シーベルト/分の放射線を受け、全量0・007シーベルトを12分間被曝して破壊されてしまった。

彼は何度も同じ実験を繰り返しその都度、同じ結果を得た。

そして、放射時間を長く延ばせば延ばすほど、細胞膜破壊に必用な放射線が少なくて済むことを確かめた。

こうして、「 長時間、低線量放射線を放射する方が、高線量放射線を瞬間放射するよりたやすく細胞膜を破壊する 」ことが、確かな根拠を持って証明されたのである。

これが、今までの考え方を180度転換させた「 ペトカワ効果 」と呼ばれる学説である。

(引用おわり)

 興味深い事実が書かれていることに吃驚された方もいるのではないか。

この本のなかで、米国のピッツバーグ大学医学部教授だったスターダラス氏の「死にすぎた赤ん坊~低レベル放射線の恐怖~(Low Level radiation)(時事通信社)に対する言及がある。

 当時、ABCC(原爆傷害調査委員会)が広島、長崎の胎児・乳幼児には先天性奇形などの異常がなかったとした発表は誤りだったと指摘し、理由はABCCが死の灰の影響を全く考慮せず、当然影響のあった住民を比較の対象に選んだことにあると断定している。

 米国は意図的に原爆の被害を最小に見積もりたかったのである。 

   そしてこの調査研究がその後の、ICRP (International Commission on Radiological Protection国際放射線防護委員会)による安全基準に大きく影響を与えていくことになるのである。そう言った意味で大変重要な意味を持つ米国による行為であった。

 そしてこのことは、内橋克人氏の「日本の原発、どこで間違えたのか」(朝日新聞出版)第三章 人工放射能の恐怖「放射線はスロー・デスを招く」に詳細に述べられている。

(以下、引用)

  バベルの塔を築くT65D

   一九六八年、アメリカの「オークリッジ国立研究所」が、ある推計に基づく「暫定値」を発表した。それまで諸説激しく分かれるところとなっていた広島・長崎両原爆投下時の、「放射線量」について、こういうふうに推定されるという暫定的な計算値であった。

彼らが根拠としたのは、ネバダ核実験はじめ過去に行われた核実験の際の測定値である。

オークリッジ国立研究所の推計委によってまとめられた、この「広島・長崎両原爆投下時における放射線量」の暫定値は「T65D」と呼ばれた。

もともと広島・長崎両原爆については、投下時の放射線量がいまもって定かではなく、推定値によるほかない。(中略)

実は、オークリッジ国立研究所がまとめたその暫定値、肝心の「計算根拠」がいっさい示されていなかったのである。

 原爆中性子の分布を示すデータがすべて「軍事機密」の厚い壁の中に塗り込められたままになっていたからだ。

 根拠が示されぬまま、T65Dのひとり歩きが始まり、それはやがてICRPなどの絶大な権威の後ろ盾を得て、世界に大手を振って通用していった。(引用おわり)



   お気づきになったと思うが、今、子供たちを放射線から守ろうと大きな声を上げている武田邦彦教授の根拠は、(もしかしたら、随分甘いかもしれない)ICRPの基準値なのである。

 それでも彼は日本のテレビで極端なこと言うドンキホーテのように扱われている。

それでは、子供のことを心配するお母様方を中心に多いときには30万件以上のアクセスがあるというブログで武田教授がどんなことを書いているか見てみよう。

まず、用語解説 *T65Dとは

“Tentative 65 Dose”の略で、1965年に作られた暫定値、という意味。世界中の全ての原発が、まさにこの『仮定』のうえに建設され運転している。ICRP勧告も、このT65Dという『仮定』の上に成り立っている。

アメリカのオークリッジ国立研究所が1966年に「広島・長崎原爆投下時における放射線量」の「推定値」を発表した。これがT65Dと呼ばれており、ネバダでの核実験はじめ過去の核実験をもとにした推定値である。

広島・長崎の原爆投下による放射線量はいまだもって定かではなく、推定でもってしか測ることができない。そこで推定値となるT65Dと、原爆被災者の白血病やガンの発病率をつきあわせることによって、人間はどれくらいの放射線を浴びるとどうなるかという基礎データをまとめた。

現在よく知られている、○○シーベルト以上は全員死亡とか、△△シーベルトではリンパ球が減少、といった説もオークリッジ研究所の発表した基礎データがもとになっている。ICRP勧告も同様に、この基礎データがもとになっている。

 (以下引用)武田邦彦教授のブログより

 最近の情勢から(1)

(平成23年10月7日)

 福島原発事故から半年。多くのことが「手遅れ」になりましたが、それでも今日もまた最善を尽くして行かなければなりません。いつの世もそうですが、本質的ではないことに話が及ぶこともあり、それが解決を遅らせるのも人間社会ですから仕方が無いことです。でも間違った情報に惑わされることなく、子供を守っていきたいと思います。メールなどで寄せられていることを書きました。

 1) 全国への放射線への拡散(九州はどうか?)

   外部被曝と土埃を心配しなければならないのは、福島、茨城、栃木、埼玉、東京、千葉の北部、山形の福島側、宮城の南部と北部、ホットスポット(早川先生データ)です。(本当は一関などもそうなのですが、一関の放射線量が高いと書くと、一関や岩手の方から抗議が来ます。放射線量が高いのだから事実をそのまま見ないと子供たちを被曝させることになるのですが、農家の方の力が強く、汚染された農作物をどうしても出荷したいようで、こまったものです。)

  食材は、静岡以北の太平洋側(北海道、青森、岩手、宮城、福島、千葉、神奈川、静岡)は、魚はもっとも注意を要します。中部圏から関西、四国、九州、沖縄、日本海側、北海道日本海側、オホーツク側の魚、貝、海草は大丈夫です。北海道は海流の関係で太平洋側の魚が50ベクレルぐらいになりまして、残念ですが、しばらく控えた方がよいでしょう。

野菜などは外部線量が問題の地域(最初に書いた地域)のものはできるだけ避けるようにしてください。新米も同じですが、もう少し様子を見ることと、玄米および玄米の製品はより注意が必要です(玄米の方が、圧倒的にセシウムが多くなる。米は怪しかったらよく水でとぐ。野菜も怪しかったら煮て煮汁を捨てることで5分の1になる。)

牛乳などの乳製品は注意しなければならず、同じ物を続けて食べないことや量を減らすことが大切です。外国製品などで補ってください。卵は上記地域の物以外は大丈夫です。水耕栽培のキノコ、もやしもOK。

マスクは放射性物質がかなりコンクリートや土にへばりつくようになってきたので、飛散量は減っています.その代わり除染が難しくなっています。雨は心配ありませんが、雨の日に外出した場合は、靴は外で拭いた方が良いでしょう。

やや落ち着いて来ましたから、身の回りを見て3月に汚染されたと思われる家具、絨毯、その他の洗浄などを計画すると良いと思います。

 2) 子供の体に放射性物質

 子供の甲状腺の検査結果がでましたが、医学的に異常かどうかはこれからの様子を見ることになります。しかし、今頃になって民間が子供の診察をするようでは話にならず、継続的に福島の子供たちの健康診断を重ねて貰いたいものです。

また、子供の尿などからセシウムがでる例が増えてきました。これは汚染された地域、もしくは食材などからどうしても入ってきます。汚染のレベルが問題ですが、尿中に1キロ1ベクレルを超えるようなら少し気をつけてください。今、尿中に出る濃度との関係を検討しています。ボディーカウンターより尿中のセシウムを測定した方が被曝の状態はわかりやすいと思いますが、それでもヨウ素はすでに半減期をかなり大きく過ぎているのであまり正確にはわかりませんので、できる限り注意することが大切です。

体内にセシウムが取り込まれると、そのまま排泄されるものと体内の筋肉などに残る物があります。体内のものを計算するのが「内部被曝計算」で、摂取してから50年間の被曝量を計算するのですが、原発事故がなく一回限りの場合と、今回のように毎日のように被曝する場合とでは計算はかなり違います。ネットを見ていると一回限りの被曝計算をして「たいしたことはない」と言っている人もいるので注意を要します。

また50年間といっても最初の3ヶ月がほとんどですから、それも間違わないでください。

体内の被曝もセシウムの場合、あまり特定の箇所に蓄積することもないので、被曝計算で大丈夫です。その点では、1キロ20ベクレル以下の食材(このブログでの注意は20ベクレルぐらいを念頭に置いています。外部被曝、呼吸なども加味しています。)が相変わらず子供を守るポイントでしょう。

(少し長くなって、時間が無くなってきたので、とりあえず、これでアップし、また書きます)

 広域の汚染について・・・引っ越し?除染??

(平成23年10月9日) 

 群馬大学の早川教授のマップのあと、2ヶ月ほど遅れて文科省から広域の土壌汚染についての調査結果が発表されました。まずは、それを見て、「逃げなければいけないところ」、「東電が直ちに除染しなければならないところ」をハッキリさせたいと思います。



 

この地図で「青、緑、赤系統」の色のついたところ、つまり茶色系の色のついたところはおよそ「1平方メートルあたり4万ベクレル」が観測されています。放射性ヨウ素が合った時代のデータも示して欲しいが、今の政府では期待できませんから、せめてセシウムのデータで考えてみたいと思います。

 1) 最初に流れた伊達市、福島市、二本松市、郡山市、日光市、沼田市、東京の奥多摩までの流れ、

2) 二回目のいわき市、水戸市、土浦市、松戸市、葛飾区までの流れ、

3) 地図にはありませんが、岩手県南部への流れ(最近、岩手県の危険性を指摘すると、あまりにもしつこく文句を言われるので、岩手県の危険性については暫く、記述を止めます)、の3つがあります。繰り返していますが、原発の事故による汚染は原発からの距離より死の灰がどこに流れたかで決定されます。風と気流や雨で地表に落ちたところをそのまま描いているのがこの地図です。

  新聞にはこの測定値と日本の法律との関係はなにも説明されていませんでしたが、日本は法治国家ですから、法律ではどうなっているのか、まず見てみましょう。法律で決められた数値は福島原発が起こる前に日本の放射線防護の専門家が頭を絞って「被曝から国民を守る」ことを考えての基準です。

「電離放射線障害防止規則」(他の法律も日本の法律であるかぎり、相互に矛盾はありませんので、法律論争ではなく「健康」を問題にするときにはどの法律を使ってもほぼ同じです)を参考にします。この法律(規則)を使うのは、法律にしては見やすいのと、2011年1月に改訂され、もっとも新しい考えが入っているからです。

 

                                                                                                                         



 第28条には放射性物質を扱う人が間違って普通の場所を放射性物質で汚した場合、「標識をたて」、「速やかに除染すること」を求めていて、その値は別表第三に示した値の10分の1であることを明確に示しています。

  別表第三には次のようにアルファ線を出すものと、アルファ線を出さないものに分かれていて、セシウムはアルファ線を出さないので、1平方センチメートルあたり40ベクレルですから、この10分の1の4ベクレル。従って1平方メートルあたり4万ベクレルが「基準値」になります。東電は、土壌の表面が1平方メートルあたり4万ベクレル以上になる地域は、1)土壌飛散防止剤を散布し、2)すぐ標識をたてて、3)除染しなければなりません。















 

 

 地図で言うと茶色以外のところはすべて東電がすぐ社員を派遣して除染するところです。まず、私たちはこのことをハッキリ認識しないと先に進めませんし、新聞やテレビがなぜこれを言わなかったのかについても十分に考えてみる必要があります。マスコミがいかに東電に甘いかがよくわかります。

 (なお、面倒な法律論争や重箱の隅をつつくような議論ではなく、愛情をもってそこに住む人の健康だけに関心がある議論をしてください。)

 つまり、地図の青、黄緑、橙などの色の地域は「3月11日以前なら住むことができない場所」であることが判ります。一刻も早く移住か除染が必要ですし、そこの物品や人は自由な移動ができません。(引用終わり)



ICRPのもしかしたら甘いかもしれない基準を元にして武田教授はこのように指摘しているのである。

如何に本当のことが報道されていないかを我々は今一度、認識すべきであろう。



  もう一冊紹介させていただく。「原発事故はなぜくりかえすのか」高木仁三郎著(岩波新書)である。松岡正剛氏の書評を以下、編集して紹介させていただく。(以下引用)

本書には、原発事故はなくならないということが「原子力文化というものなんてありえない」という視点から、繰り返し説かれている。

「原子力は文明であるかもしれないが、とうてい文化にはなりえない」というのが高木仁三郎の確信なのである。

 たしかに原子力技術にもとづいた原子力文明はありうるだろう。また、原子力発電がすでにそうなっているのだけれど、利潤を追求する原子力産業もありうるし、医療や宇宙開発に応用することも可能であろう。けれども生活の安心や安全を満喫する原子力文化がどこかにあるとは思えない。このことを高木氏は原子力技術の研究開発にかかわった現場で実感したようである。

 高木仁三郎が日本原子力事業という会社に入ったのは、東大理学部化学科卒業直後の1961年である。1955年に原子力基本法ができて、その翌年から日本の原子力研究が少しずつ本格化すると、三井(東芝)・三菱・日立・富士・住友などによる原子力産業グループが形成されるのだが、高木が入ったのはその三井系の会社だった。

 そこは東芝や石川島播磨や三井東圧から派遣された人材によって構成されていたらしく、高木は核化学研究室に配属になった。核化学はもともと彼の専門で、ウェット・ケミストリーとして放射性物質を水溶液状態で扱う研究開発に携わった。むろん心高鳴る職場であったはずなのだが(当時、原子力産業は学生に非常に人気が高く、工学部のエリートのほとんどが憧れていた)、しかし実情は、原子力委員会が組み上げた「日本の国産炉」をどうするかという計画の前で、①まず研究所をつくる、②そこに実験原子炉をつくる、③それに関連した仕事をみんなでやるというようなことしか、決まっていなかった。

 はっきり言って「無思想」だったのである。

1999年9月30日の東海村JCOでおきた臨界事故は、病身の高木仁三郎氏を激怒させ、悲しみの深淵に突き落としたようである。核燃料加工のプロセスで本来の手順を逸脱してウラン235の高濃度溶液が一つの容器に集中し、そのため核分裂反応が持続したまま中性子がこの世に放出された事故だった。

 80日後、現場作業員の大内久氏が放射線急性障害で死亡し、ついで二人目の篠原理人氏が大量被爆で死亡した。日本の原子力開発がもたらした初めての死亡事故である。これで日本人は三度、青い光の告発を受けることになってしまった。

 青い光というのは、原子炉で核分裂反応の高いエネルギーをもった粒子が水の中を通過するときに発する特殊な光のことである。核爆発や核分裂の現象に特有の光で、科学用語では「チェレンコフの光」という。日本人はこの青い光を、第1には1945年8月6日に広島で、第2には8月9日の長崎で、そしてそれから54年たった東海村で見ることになった。そのほか1954年3月1日に、ビキニ環礁で被爆して死亡した第五福竜丸の久保山愛吉氏も、チェレンコフの光から派生した光を見たかもしれない。

 JCO臨界事故は、濃縮ウラン溶液を手作業でバケツ7杯も運んだせいだと言われているが、そのようなことをさせた原子力関係者の意識が大問題になった。



 原発事故については、高木氏は基本的には二つに大別できると言っていた。Aは暴走事故型で、核分裂反応の制御に失敗する事故である。Bは冷却に失敗して炉心が溶けるという事故、すなわちメルトダウンにいたる事故である。しかし当時から、これらの複合型の事故もおこりうる、その危険性のほうがかえって高いとも警告し、その複合性を技術はカバーしきれないのではないかと見ていた。

 たとえば暴走には、エネルギー出力の反応度の事故と原子炉の事故があり、後者の場合は燃料棒が壊れるだけでなく、それによって熱くなった燃料と蒸気が接触すると蒸気爆発になることも、その途中で水が分解して水素になり、それが水素爆発になることもあり、一方、冷却材が破損あるいは喪失した場合は、メルトダウンがおこって炉心が溶けるだけでなく、そのまま原子炉の底を貫通して放射能が外部に漏れたり、それが他のエネルギーに転換して蒸気爆発や水素爆発を併発させることがありうるとも予告していたのである。

 高木氏は原発事故のほとんどすべてを予見していたわけである。

そもそも高木氏は「プルトニウム社会」というものを問題にしてきたのだった。

  一言でいえば、プルトニウムは原爆開発のために人工的につくられた元素である。核分裂性と毒性がやたらに高い物質で、核兵器の大半に使われる。たった1グラムでも人の命を脅かす。そのプルトニウムは、なぜ原発と関係があるのか。

 もともと原子炉による原子力発電にはウラン235とウラン238が使われてきた。この数字は原子核をつくる粒子、すなわち陽子+中性子の数をいう。ウラン235に中性子が衝突すると原子核が分裂して熱を出す。ウラン238に中性子が衝突しても核分裂はあまりおこらず、そのかわりに中性子を吸収してごく短時間でプルトニウム239に変化することが多い。そのプルトニウムに中性子が衝突すると原子核が分裂して熱を出す。これらの熱を利用して蒸気をつくり、タービンを回すのが原子力発電の基本原理になっている。

 この原理で発電するとき、地中から採掘される天然ウランには「核分裂するウラン235」がわずか0・7パーセントしか含有していない。たいへんな希少価値になる。一方、「核分裂しないウラン238」を使えばプルトニウムに変えられるから、かなりの有効活用ができる。

 これらのことから、原子力発電をするとプルトニウムが抽出できて、それを再処理できるということになってきた。100万キロワット級の軽水炉を1年間フルに動かせば、約250キログラムのプルトニウムが生成できる。ただしこれは、日本の全人口を何度かにわたってガンで致死できる量である。プルトニウムが1キロほどあれば一個の原爆が作れるし、日本中の43基の原発が稼働すれば、毎日原爆2~3個が作れるという計算になる。

 アメリカは原発王国ではあるが、核兵器用のプルトニウムをしこたま保有しているものの、民間原発からはプルトニウムを取り出していない。ドイツと日本がプルトニウム再処理をして核燃料サイクルを確立しようとしてきた。いまやドイツはこれをやめようとしているが、日本はまだそこまで踏み切っていない。なぜなら核燃料サイクルがあれば、燃料の有効利用ができて、ウランに依存するよりずっと効率的になるからである。

 こうして日本はプルトニウムをふやすしくみに開発費をかけることにした。それが高速増殖炉の開発で、「もんじゅ」に結実した?のである。



 高速増殖炉は中心部にプルトニウムを20パーセント前後に濃縮したMOX燃料(ウラン・プルトラウム混合酸化物燃料)を入れておいて、その周囲にウラン238を配置して、高温度の金属ナトリウムをドロドロの液体にして使う。

 中心部のプルトニウムが核分裂しながら、その熱をナトリウムに伝えて発電エネルギーとしていくと、核から飛び出した高速の中性子がナトリウムの中を走るので、これを首尾よくウラン238に保革させようというしくみなのである。これでウランがプルトニウム239に変化していく。

 その結果、消費されたプルトニウムより、新しく生まれたプルトニウムの量が多ければ、資源が増していくということになる。発電ができて資源も増加するから、一石二鳥なのである。

  しかし、1995年に「もんじゅ」はナトリウム火災をおこして、停止した。核燃料再処理サイクルは止まったままである。

 高木氏は、このようなプルトニウムを活用しようとする社会そのものが病んでいるのではないかと告発しつづけたのだった。(引用終わり)



 現在、日本が目指した核燃料リサイクルもすでに失敗したと言ってもよい状態である。六ヶ所村もすでにいっぱいで、もうすでに使い済み核燃料を日本では処理する場所がなくなりつつある。だから、原子炉のすぐそばに多くの使い済み核燃料をプールしておくような危険なことをしているのである。

  ところで、5月には、静岡茶からセシウムが検出された。また最近、静岡県伊豆の干し椎茸からも基準値を大幅に上回るセシウムが検出されたようである。

政府が浜岡原発の停止を要請したのは、米国の意向が働いていたという説がある。大前研一氏も、浜岡原発を止めろと米国政府の圧力があって、それを無批判に受け入れた結果だと述べている。

米国が浜岡原発を懸念するのは、横須賀基地が放射能で汚染される事態を想定しているからだ。その場合、単に停止させても無意味なことぐらい米軍も承知しているはずである。米国の要請は別の理由からなされたと言われている。311の大地震で浜岡原発が壊れ、放射能が漏れ出していたためだというものだ。

浜岡の事故が事実なら、米国の要請は当然のことである。

もし放射能漏れを起こしていたのなら、名古屋方面にも流れていったはずだが、静岡のお茶に比較的高い濃度の放射性物質が検出されたのは、このためかも知れない。

放射線は目に見えないので、政府も電力会社もマスコミも本当のことを言わなくてもすぐにはわからない、そのために随分おかしなことがまかり通っているようだ。

 そのことを心して自己防衛する時代に入ったようである。



*わかりやすい図表を載せておきます。

野田政権が発足し、増税路線が規定のことのようにマスコミでも語られている。 

それでは、本当の処はどうなっているのか、考えてみよう。

現在、日本という国は、311以後、多くの日本人が、気がついたように本当に不思議な国として世界に存在している。そう言えば、昔、ボール・ボネという自称フランス人が日本の不思議をエッセイにして週刊ダイヤモンドに連載していた。

現在の南方熊楠のような松岡正剛氏が言うように明治維新後、ある意味無理矢理造った「キリスト教国家に対抗するための国家神道の日本」もかなり彼が言う「日本という方法」からは、乖離してしまっているが、1945年以降、米国占領後の日本というのは、本当に背骨のない、捉えようがない不思議な国家になってしまっている。

その中で、戦後教育を受けて活躍する日本のエリートたちは、ノブレス・オブリージュ( noblesse oblige)とは全く懸け離れた行動原理で動いている。

どうも彼らは、自分のことと、省益を拡大することしか考えていないようなのである。

 

現在、「日本は財政危機である。」「日本の国債はバブルであり、いずれ暴落する。」「東日本大震災の復興は、まず財源確保のための増税が必要だ。」いろいろなことが、エリート財務官僚の意図的な誘導によってマスコミで報道されている。表舞台に立たされている政治家の裏で、私たちには顔の見えないエリート財務官僚の本音はどこにあるのか。

(1)日本国債の格付けが米国のムーディーズやS&Pが日本人から見ると本当に随分な格付けの引き下げを恣意的に行なっている。日本のマスコミでも大前研一氏のような有名評論家が、日本国債の暴落に言及し、日本人の危機感を煽っている。他にも同様のことを、言っている有名評論家は多数いる。

それでは、日本のエリート財務官僚はどのように考えているのか。

答えは、財務省のホームページにある。

(以下財務省のホームページより引用)

<外国格付け会社宛意見書要旨>

1.貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。貴社の格付け判定は、従来より、定性的な説明が大宗である一方、客観的な基   準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。

  従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。

  

 (1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。

 

 (2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。

   例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。

   ・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国

   ・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている

   ・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高

 

 (3) 各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。

   ・一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤字国でも、日本より格付けが高い国がある。

   ・1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債はAAA格を維持した。

   ・日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。

 

2.以上の疑問の提示は、日本政府が改革について真剣ではないということでは全くない。政府は実際、財政構造改革をはじめとする各般の構造改革を真摯に遂行している。同時に、格付けについて、市場はより客観性・透明性の高い方法論や基準を必 要としている。

<ムーディーズ宛返信大要>

1.貴社の説明は依然定性的であり、デフォルト・リスクや国際比較についての具体的・定量的説明が不十分。格付けがデフォルト・リスクを差別化して分類している以上、単に、一国の経済・財政状況や政策の方向性の記述ではなく、格付けの差の客観的理由を説明すべき。説明の欠如は、ソブリン債の短い歴史や統計的正当性の不足ともあいまって、ソブリン債の格付けの信頼性自体への疑問を増大させよう。貴社のソブリン債のデフォルト・リスクの計測に際しては、財政指標以外の経済のファンダメンタルズ等の要素はどの程度考慮されているのか。

2.貴社は日本国債のデフォルト・リスクとして、「将来の政府は国債に対する利子課税や資本課徴金、または債務リスケジュール(返済繰り延べ)を行う可能性がある」と説明している。しかし、このような想定は、日本のマクロバランスや国債の保有状況等を考慮に入れた場合非現実的であり、タイムスパンを明記しつつ、具体的にどのような事態が生じうるのか敷衍が必要。

  

 次のような要素は貴社の分析でどう考慮されているのか。

 (1)日本国債は現在95%が国内でかつ低金利で消化されている。また、2001年は、一般政府部門の赤字32兆円に対し、民間の貯蓄超過は42兆円である。更に、経常収支の黒字はしばらく継続し、資本逃避のリスクも小さい。従って、資金フロー上の制約はない。 

 (2)近年自国通貨建て国債がデフォルトした新興市場国とは異なり、日本は変動相場制の下で、強固な対外バランスもあって国内金融政策の自由度ははるかに大きい。更に、ハイパー・インフレの懸念はゼロに等しい。

 (3)貴社が示唆する債券保有者への負担の強制は、居住者が国債の95%を保有していることを考えれば、自国民への実質的課税に他ならない。通常の財政健全化策を疑問視する一方、金融市場を大混乱に陥れるような手段が採られると想定するのは非現実的。

 3.国債は最終的には将来の税収で償還されるので、各国経済のファンダメンタルズの評価は極めて重要。各国のデフォルト・リスクの相対比較でこの点がどのように考慮されているかについて、貴社の説明はなお不十分。

  

 (1)貴社の「定量的比較」はほとんど財政赤字の大きさに関連したものばかりである。貴社は、マクロバランス、強固な対外ポジション等は考慮しているとしながら、それぞれの要素がどのように、どの程度考慮されているかは引き続き不明確。

 (2)マクロバランスとの関係で、財政の持続可能性がどのように比較されているかも不明確。例えば、貴社は「日本の大きな国内貯蓄は実質金利を通じて間接的に考慮されている」としている。ならば、日本では十分な民間貯蓄が財政赤字を補って余りある結果、日本の実質金利は相対的に低いということになる。すなわち、貴社の見方によっても、日本の財政赤字は十分にファイナンスできている。

 (3)貴社は、「政府の規模が大きいほどより容易に債務を負担できる」としているが、財政の持続可能性は、経済の潜在力や将来の担税力を考慮し、動学的な分析が必要。貴社の見解は、大きな政府がしばしば民間部門の発展を阻害するといった、財政と実体経済の連関を無視した非現実的なもの。

 (4)貴社は、「対外部門は政府の外貨建て債の格付けとより関連している」としている。 ならば、日本の経常黒字、対外純資産、外貨準備は何れも世界最大であり、外貨建て債格付けはAAAでなければならない。結局は政府の支払能力が問われているのであるから、対外部門の強さは経済のファンダメンタルズの重要な要因として、自国通貨建て債にも反映されるべきである。

 (5)他国の格付けとの整合性の説明も、当方が質した全ての例を財政赤字の相対的な大きさのみで正当化しようとしているために説得的でない。例えば、ポンド危機後の英国や80年代の「双子の赤字」に悩んだ米国の対外不均衡をどのように評価していたのか。また、貴社は日本の改革の必要性をしばしば指摘しているが、70年代の英国の改革をどう評価していたのか。ちなみに、貴社が英国の外債をAAAとした78年当時は、英国では30年近くにわたる経済の低迷が続いていた。その一方、サッチャー氏が首相となったのは79年であり、改革が軌道に乗ったのは80年代に入ってからである。この間の貴社の格付け基準は一貫していないように思われる。

(以上 引用終わり)

  読んでいただければ、わかるように、財務官僚は、日本の財政など全く心配していない。そしてまた、「債券保有者への負担の強制は、居住者が国債の95%を保有していることを考えれば、自国民への実質的課税に他ならない。」と正直に書いている。多くの人が、マスコミや有名評論家に見事に騙されているが、税金も国内で消化する国債発行も本質的には同じものなのである。

問題は、デフレかインフレかなのである。

デフレ状況においては、日本のような国では、国債を発行して需要不足を国が、補うしかない。その意味で、デフレ状況にある日本で、東日本大震災の復興財源を税収で賄う発想は、愚の骨頂である。もちろん、日本の財務官僚はそんなことは、百も承知だろう。マスコミと政治家を自分たちの利権を増殖させるために巧みに利用しているだけのことである。そのことを的確に指摘している論説があったので紹介する。

(以下 引用)

「国の不幸を長期化させる霞ヶ関株式会社の「ビジネス・モデル」」

山崎 元

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。

芝居の脚本は官僚が書いている

 

野田新内閣に対する「どじょう内閣」という言葉にもそろそろ飽きてきた。もともと、どじょう鍋は、久しぶりに思い出すと食べてみたくなるが、何日も続けて食べたいと思うような食べ物ではない。

特に、官僚作文のつなぎ合わせのような新首相の所信表明演説原稿(「日本経済新聞」なら13日の夕刊に全文が載っている)を読み返すと、結局、この内閣は、官僚が脚本を書く田舎芝居の新しい演目に過ぎないことが分かって、早くも「もういい」という気分に傾く。前とその前の演目(内閣)では、演者達のわがままで「政治主導」というアドリブ重視を試したものの、役者の力量が追いつかず芝居にすらならなかった。今回の内閣は、教訓を踏まえて、ひときわ脚本家(官僚)に従順のようだ。

いずれにせよ、現政権、前政権、前々政権、あるいはその前の自民党政権も含めて、政治は主体的に機能していない。政権毎のパフォーマンスに差はあるかも知れないが、集団としての官僚(以下、慣例に従って官僚を「霞ヶ関」と総称する)が日本の社会と経済を動かしていると考えるべきだろう。

申し訳ないが、首相をはじめとして、今の内閣や党役員の面々に、官僚から見て「この人は出来る(=能力がある)かも知れない」、「この人にはかなわない」と思わせるに足るような能力や凄みを感じさせる人物は殆どいない。国会答弁でも、国際会議でも、閣僚のお世話をする官僚は、大学時代の家庭教師のアルバイトを思い出すような心境だろうと拝察する。これは、政治家に能力や凄みではなく、親近感程度のものを期待して、政治家(ひいては国のリーダー)を育成することに不熱心だった国民の気分がもたらした帰結だ。多くの政治家が「好感度」くらいしか磨いてこなかったわけだから、官僚に対する睨みもきかないし、選挙でも、テレビ芸人上がりの候補に負けたりする。

「霞ヶ関」には国民の不幸が好都合なのか?

 

野田新首相に指摘されるまでもなく、現在の日本に課題は多い。経済に近いものを幾つか挙げると、先ず(1)東日本大震災からの復興に向けた動きが遅い、(2)長年続くデフレからの脱却が出来ない、(3)円高で多くの産業・企業が苦しみ雇用にも悪影響が出ている、(4)社会保障、特に年金の改革が予定通り進んでいない、(5)日本の財政問題に関する議論が混乱している、といった諸問題がある。

これらに加えて、外部環境の問題として、欧州と米国の状況が、共に怪しいを通り越して「まずい」に変わりつつある(資産価格下落と未処理の「含み損」があるのだから、日本の経験からして「まだまだ終わらない」のが当然だ)。

さて、日本にとっての諸々の課題を眺めてみて、一つの仮説に思い至った。それは、「霞ヶ関」は、震災や円高、あるいはデフレのような困難をむしろ歓迎しているのではないか、もう一歩進めて考えると、長引く困難を利用することが彼らの「ビジネス・モデル」として定着しつつあるのではないかということだ。

推測(仮説)をそのまま事実であるかのように書くのでは、たちの悪い陰謀論と同類なので、以下、筆者が事実だと思っていることと、仮説がなるべくはっきり区別できるように気をつけて書くことにする。

 

たとえば、震災復興

 

先ず、東日本大震災からも復興を考えよう。本格的な復興に対応する第三次補正予算がこれから審議されるという復興作業のペースは「非常に遅い」。これは事実だと思う。

では、「霞ヶ関」にとって復興は早い方がいいのか、遅い方がいいのか。もちろん、個々の官僚が自分の利害のために意図的に復興を遅らせているとは思いたくないが、復興に関わる細目はある程度時間を掛けて決まる方が「霞ヶ関」がこれに深く、有効に関与して「利権化」することが容易である。

ここでは、現役官僚の権限が強まることと、これを背景にして将来の天下りの機会が拡大することを、霞ヶ関の「利権」と考え、利権を拡大することが彼らの利害に叶う「ビジネス」なのだと考えてみることにする。

本当は、時間的に早くて且つ即効性があり、個々の地域、ひいては個人のニーズに対応しやすいのは、被災者に主として現金を配布することだ。被災者は緊急に個々のケースで必要な目的にお金を使えばいい。被災地から他の地域に移りたい人もいるだろうし、地元に残りたい人もいるだろう。地域や個人に選択を与えつつ、両方に対応できる支援は現金支給だ。

しかし、現金の交付、特に複雑な手続きや審査が伴わない単純な見舞金支給は、官僚(この場合、「霞ヶ関」と自治体両方だが)の「利権」につながらない。現金配布は、子ども手当が「霞ヶ関」に憎まれたのと同様、利権にならないばかりか、他の利権に活用すべき予算を圧迫する。

従って、「霞ヶ関」としては、菅前首相をたきつけて(或いは、有効な手立てを教えずに)、具体策がまとまりそうにないメンバーで東日本大震災復興構想会議のような会議を作って時間を稼いだのではなかろうか(こちらは、私の仮説だ)。

また、「霞ヶ関」としては、震災からの復興は増税のための仕掛けを仕組みたい重要なイベントだった。このためにも、直ぐに国債で資金調達できてしまう即効性のある復興作業ではなく、「財源」の議論と並行して、復興のあり方がぐずぐず論じられる展開が好都合だった。

上記は、仮説にしても、あまりにも悪意が籠もった仮説であり、現実離れしているだろうか。

「円高」利用は完成されたモデル

 

では、「円高」はどうか。実は、筆者が、今回の仮説を思いついたきっかけは、民主党代表選の少し前に「円高対策」として打ち出された、外為特会の外貨を使い海外投資を支援する数兆円規模の基金の構想のニュースを見たことだった。

この記事を見て、筆者は、既に外貨になっている資産を海外投融資に回すことがどうして円高対策なのかはじめはピンと来なかったが、民間も合わせて資金を出すのでドル需給的に、ドル買いの呼び水くらいになるかも知れないということが何とか分かった。

しかし、これは税金(政府資産)を使った一種の空洞化支援ではないのかという疑問が新たに生まれたことに加えて、今度こそピン!と来たのは、「ああ、これは『霞ヶ関』の利権拡大の手段なのだな」ということだった。

どういうことか。先ず、この図々しくも円高対策を名乗る資金を扱う組織だが、新しく基金を作るならポストが増えるし、JBIC(国際協力銀行)がまとめて扱うとしても、JBICの案件と、従って権限を大幅に拡大し、これは、財務省の国際派人脈にとっては、豊かな利権の源になる。

報道されているように、資源確保や海外のM&Aに使うお金を、好条件で融資ないし出資して貰えるなら(注;市場で得られる好条件でないと案件が増えないから、案件の存在は何らかのメリットの提供を証明することになる)、企業にとっては大きなメリットがある、大変嬉しい話だ。対象企業は、財務省OBが「行ってもいい」と思えるような世間体のいい大企業が中心だろう。しかも、融資や出資は条件審査が複雑だから裁量の余地がたっぷりある。

円高という「苦難」に対して、海外投資を支援する基金のような仕掛けを「対策」を名目に導入し、「霞ヶ関」側では「利権」を拡大・確保する。これは、「ビジネス・モデル」として既にパターン化されているものの、典型的な応用例なのではないか。

野田首相の演説原稿では、「円高阻止にあらゆる手段」とはいうものの、具体的に金融緩和の方法が述べられているわけではなく、具体的に書かれているは、「立地補助金を拡充」、「円高メリットを利用して、日本企業による海外企業の買収や資源権益の獲得を支援」といった企業のメリットと役人の利権に直結する「生臭い」話だけだ。

民主党代表戦時も含めて、野田氏が述べる円高対策とは、「円高そのものを反転」させる徹底した金融緩和のような原因に働きかけるものではなく、先に挙げたような対策や中小企業の資金繰り支援のような、「円高になった後に、これを我慢するため」の対症療法ばかりだ。

「霞ヶ関」は円高を困ったことだとは思っていないのだろう。政策批判を多少受けたり、市場介入のための根回しに汗をかいたり、介入自体が十分効かなくて恥をかいたりしても、それらは所詮「お仕事」の一コマに過ぎないし、円高の困難が続く方が上記のように「利権」を拡大できるのだから、むしろ彼らの利害の上では円高歓迎ではないのか。

付け加えると、円高になっても公務員の雇用は安泰だし、彼らの報酬は硬直的なので、実質所得が増す。

上記の「財務省の利権拡大」のストーリーは、もちろん筆者の仮説であり、当事者から話を聞いたわけではないが、こうした「利害」が存在していることは注意に値すると思う。

増税は「霞ヶ関株式会社」の増資だ

デフレでも、公務員の雇用と実質給与は安泰だし、デフレは、不況の原因となって、「霞ヶ関」による各種の「対策」の必要性を継続的に生む。

もちろん、「霞ヶ関」のビジネス・モデルにとっては、予算の規模及びその維持が決定的に重要であり、「増税」は一般企業における「増資」のような余裕を霞ヶ関株式会社にもたらす。

「利権」が有効であるためには、(出来れば現在の現役が天下りするもっと先までの)継続性がなければいけない。増税を早く確保して、将来必要になる財政支出の削減をより小さく済ませることが、すべからく「長期」が大切な霞ヶ関の住人達の重大な関心事であることは当然だ。早期の増資は、将来のリストラの苦悩を和らげる。

また、「霞ヶ関」のビジネスは、大根役者(政治家)達に脚本を書き渡して国会で法案を通し、予算に盛り込むことでこれを実行する形を取るので、基本的には、一年をサイクルとして進行する。しかも、長期的に利権に関わることが将来も期待されるからこそ、天下りに需要が発生する。

「ドッグイヤー」などという言葉さえある、せわしい民間のビジネスとは全く異なるスロー・テンポで物事が進むので、円高も、デフレも、そして利害の上では震災復興さえも、ある程度定着してゆっくり進むことが「霞ヶ関」には好都合なのだ。

政治や経済への関心がある方の殆どが、「日本では、何に対する対応も信じられないくらい遅い!」と腹を立てたり、絶望したりされているのではないかと拝察するが、支配的集団である「霞ヶ関」のビジネス・テンポが影響しているので、やむを得ない側面がある。

ここでは詳しく触れないが、利益集団であり実質的なビジネス体である「霞ヶ関」には特定個人の支配者なり黒幕なりがいる訳ではなさそうだ。人事制度的に彼らのメンバーが固定的である(実質的に40年以上の長きにわたって、お互いの面倒を見合う、固定メンバーの利益集団でこれだけ大規模なものは他にない)ことから、競争力・影響力を持ち、且つ長年にわたって形成・純化された、幾つかの自生的な行動ルールが、おそらく「官僚支配」といわれるものの正体だろう(想像するに、回遊魚の群れやオキアミなどの群れの振る舞いを規定するルールに近い少数の行動原理なのだろう)。

従って、「個々の官僚」は、自分が自分のために利権確保に動いていると思っていないだろうし、国の困難に対しては、それぞれなりに国民のための努力をしているという自己認識を持っているのだろうと筆者は推測している。

ポイントは、個々の官僚の意図や倫理観の問題ではなく、官僚集団の利益に着目した時に、国民が直面する不幸をむしろ歓迎する「利害」が存在することだ。この利害は、国民の不幸の解消に「霞ヶ関」(本石町辺りの金融子会社も含む)が不熱心であることの原因になりかねないし、下手をすれば国民の不幸の積極的な長期化につながりかねない。この構造は変えた方がいい。

以上、筆者の仮説に過ぎない推測を述べてみた。

もちろん、仮説だから間違っているかも知れないし、むしろ、この仮説が間違いである方が嬉しいくらいのものだ。

仮に、官僚による裁量の余地が少ない現金による再分配がスピード感を伴って広く行われたり、デフレと円高をもたらしている金融政策と財政政策のミックス(筆者は、現在のデフレに関して、日銀だけではなく、財政政策にも問題があると考えている)が有効なデフレ対策に向かって直ちに修正されたりするような「嬉しい反証」があれば、今回の仮説は、喜んで撤回する。

それまでは、折に触れて、この仮説を思い出しながら、脚本家(官僚)達の利害を推測しつつ、(主に政治家が演じる)田舎芝居を見物することにする。

(引用 終わり)

 

 ところで、日本が1980年代以降、米国に経済戦争を仕掛けられないで、普通の経済運営をしていたなら、どのぐらい経済成長できたのだろうか。考えてみよう。

まず、注目すべき点は、この20年間、日本を除く先進国は年平均4%程度の名目成長をしてきたことである。その間、日本の名目成長率はほぼゼロ。日本も一定程度の実質成長を達成していたにも関わらず、デフレ経済を放置することによって見事にこれを相殺してきたのである。

           <名目GDP成長の国際比較>

 

日本のGDP1000兆円

IMFの統計によると、1990年の日本のGDPは439兆円。そして2010年のGDPは475兆円程度。仮に、他の先進国と同様に1990年から20年間年率4%の名目成長をしていたと仮定すると

439兆×1.04^20 = 439兆 × 2.19 = 961兆円

現在の日本のGDPは約1000兆円となる。もしも現在の名目GDPが1000兆円もあれば、800兆円といわれる債務問題はGDP比80%となって大した問題ではなかったことが一目瞭然。しかし、デフレにより名目成長を行わなかったツケはこんなものではない。債務問題については「国民一人当たり800万円の借金」などといって大騒ぎをしているが、デフレにより日本は、桁違いの損失を生んでいるのだ。それは、この20年間に生み出されるはずだった付加価値を見事に失ったことにある。

 

「失われた3200兆円?」

この20年間で生み出されるはずだった付加価値の合計額は等比数列の和(等比級数)として簡単に求めることができる。以下の公式に当てはめれば良い。

Sn = a(1-r^n)/(1-r)
ここで 初項 a = 439兆円 公比(成長率) r = 1.04 項数(期間) n = 20年
をあてはめると
      S20 = 439兆×(1-1.04^20)/(1-1.04)=13,060兆円

これにたいし、実際に生み出された付加価値額(名目GDP)の合計は9,858兆円だった(1990年から2009年までの名目GDPの単純な和)。つまり、年率4%の名目成長をしていた場合と、デフレにより名目成長を打ち消してきた現実の日本を比べると
13060兆 - 9858兆 = 3202兆円 の付加価値が実現されなかったということになる。
日本人口は約1億2700万人なので、これを国民一人当たりに直すと

3202兆円 / 1億2700万人 = 2521万円
 

なんと、国民一人当たり約2500万円も喪失した計算だ。4人家族なら1億円を稼ぎ損ねたのだ。



デフレによる損失 一人当たり2500万円

当たり前のことだが、国全体がデフレ不況から脱却するために有効な政策を発動できるのは政府・財務省(財政政策)と日銀(金融政策)のみである。個別企業や個人の合理的な努力は全体としては無力。にもかかわらず、日本はこの20年間、財政支出の拡大が必要な時には「財政再建」を目指して増税・歳出削減を行い、また、ようやくインフレ率がマイナスからプラスへ転じようとすると金融引き締めを行いデフレに引き戻すという、信じられないような財政政策と金融政策を故意に?繰り返してきたのである。

 

その結果が「失われた20年」であり「失われた3200兆円」なのである。そして、その「失われた3200兆円」の内実が、企業業績の悪化、企業の倒産、失業率の上昇、賃金水準の低下、正社員から非正規社員への置き換え、大卒就職率の低下、自殺者数の増加なのである。こうした問題は他の国なみの普通の経済成長さえしていれば起きなかったことばかりである。おそらく、これは、日米エリートによる構造改革というものを日本国民に押しつけるためのショックドクトリンなのだろう。(このような厳しい環境下で鍛えられ、生き残った企業は、非常に強い体質となる。大小問わず、日本の企業にはユニークな技術を持つところも多い。おそらく、それらを金融力によって乗っ取ろうという外資の戦略だったのだろう。)
 

拡大再生産を前提とする資本主義社会にもかかわらず、日本では「もう経済成長はいらない、もしくはできない。」とする不可思議な言説が流行し、または「最近の若者は努力が足りない」と若年層の失業問題を個人個人のミクロの問題へと還元する思考能力を喪失させられた状態になっている。

そして、何にも知らない国民は得るべき3200兆円が政府・財務省・日銀(そして何も言わない経済学者)、米国に奪われたことさえ思いつかないように洗脳されているのである。まさに「日本の悲劇」である。

もちろん、日本のエリート財務官僚はすべてこのことを承知である。優秀な自分たちさえ、良ければそれでいいと考えているのかもしれない。米国が持ち込んだプラグマティズムの教育は、我々のエリートから、どうやら「公の概念」を奪い去ってしまったようである。

 

<*ショックドクトリンとは>

1973年のピノチェト将軍によるチリのクーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、イラク戦争、アジアの津波被害、ハリケーン・カトリーナ。暴力的な衝撃で世の中を変えたこれらの事件に、従来にない視点から過去35年の歴史を語りなおすのが、カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインの話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)。

ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べた。

この主張をクラインは「ショックドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなしている。近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがちだが、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張する。

投資家の利益を代弁するシカゴ大学経済学部は、「大きな政府」や「福祉国家」をさかんに攻撃し、国家の役割は警察と契約強制以外はすべて民営化し、市場の決定に委ねよ主張してきた。でもそのような政策は有権者の大多数から拒絶され、アメリカ国内で推進することはできなかった。民主主義の下では実現できない大胆な自由市場改革を断行したのが、ピノチェト独裁下のチリ。無実の一般市民の処刑や拷問を行ったことは悪名高いが、それと同時にシカゴ学派による経済改革が推進されたのは、クラインによれば偶然ではない。これがショック・ドクトリンの、最初の応用例だった。

ショックの効用を研究したもう一つの機関は、カナダのマッギル大学。同大学の精神医学科はCIAの資金で拷問手法としてマインドコントロールや洗脳の実験を行っていた。囚人に幻覚剤を投与し、近く刺激を奪って長期の孤立状態に置くことにより、精神を幼児まで退行させ、人の言いなりにさせる手法は、現在グアンタナモやアブグレイブで使われている拷問マニュアルに酷似している。

戦後イラクで連合軍暫定当局(CPA)のブレマー代表は意図的に無政府状態と恐怖の蔓延を助長する一方で、急激な民営化を進めたが、これを個人に対するショック療法のパラレルとしての国民レベルのショック療法とみることもできる。

人類最古の文明におけるゼロからの再出発、既存体制の完全な抹消という発想には、個人の精神を幼児に戻して言いなりにさせるCIAの拷問手法が重なる。

これはさらに、ハリケーン被害においても踏襲され、長年の放置により劣化したインフラが必然的に災害を招くと、それを口実に、まるごと民間に売り飛ばせという主張に拍車がかかった。

クラインを驚かせたのは、このようなことを公然と認める経済学者たちの発言が、たくさんの文献に残されていたこと。自由市場経済を提唱する高名な経済学者たちが、急進的な市場経済改革を実現させるには、大災害が不可欠であると書いている。

民主主義と資本主義が矛盾することなく、手を携えて進んでいくというのは、現代社会における最大の神話だが、それを唱導してきたまさにその当人達が、それは嘘だと告白している。

早くも日本国内で子宮頸がんワクチンの犠牲者が出てしまったようである!?



         

          







国の政策が決まってから、豊橋市の担当者に次のような質問をしたことがある。

以下。



「子宮頚ガンワクチンサーバリックスについては、多くの問題点が指摘されている。

1.HPV(ヒトパピローマウイルス)のうちの「16型及び18型感染」に起因する子宮頚ガン及びその前駆病変の予防となっている。

 ところで、このワクチンの添付書には、①HPV-16型及び18型感染に起因する子宮頚ガン及びその前駆病変の予防効果は確認されていない。

 ②接種時に感染が確認されているHPV排除及び既に生じているHPV関連の病変の進行予防は期待できない。③ワクチンの接種は定期的な子宮頚ガン検診のかわりになるものではない。ワクチン接種に加え、子宮頚ガン検診の受診やHPVへの曝露、性感染症に対して注意することが重要である。④本剤の予防効果の持続期間は確立していない。

  ところで、日本では、欧米と違い、数種類ある高リストの子宮頚ガンを引き起こすHPVのうち、52型と58型も高危険型であって18型は日本では自然治癒することが多いとの報告がある。

  もし、そうであるなら、日本で、サーバリックスを小学生等に集団接種する意味がほとんどないのでないかとも思われる。認識を伺う。



 2.確かにCDC(米国疾病対策センター)がワクチン接種によるベネフィットのほうがリスクを上回るとの見解を示しているが、FDA(米国食品医薬品局)は、問題は持続性の感染であって大半のHPVが子宮頚ガンと関連がないことを認めている。HPVに感染しても多くの場合は、免疫力によってHPVが体内から排除され、HPV感染の大半は2年以内に自然消失するとも言われている。

  ところで、この予防接種は、HPVに全く曝露していない性的活動未経験相当者および、免疫力によってHPVが体内から排除されて者でなければ接種する意味がない。その問診はどのようにするのか。プライバシーの保護等をどのように考えているのか、伺う。

 3.一部の医療機関では、ガーダシルを個人輸入して、使用している。

    国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センターがガーダシルに含まれる「ポリソルベート80」には、一定濃度以上で不妊傾向が見られるという報告をしている。どのように認識しているのか、伺う。」



残念ながら、まともな答えをいただいた記憶がない。 



 

「14歳、子宮頸がんワクチン接種後死亡…国内初」 

読売新聞 9月12日(月)20時49分配信



 子宮頸(けい)がん予防ワクチンの接種を受けた国内在住の14歳の女子中学生が、2日後に死亡していたことが分かり、12日、厚生労働省の専門調査会で報告された。 

 ワクチンは英グラクソ・スミスクラインが製造した「サーバリックス」で、接種後の死亡例は国内では初めて。ワクチン接種との直接的な因果関係は認められないという。

 報告によると、中学生は今年7月28日に接種を受け、30日朝に心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。中学生には突然不整脈を起こす「心室頻拍」の持病があり、直接の死因は不整脈と推定されている。

 サーバリックスは2007年5月に豪州で初承認され、日本では09年12月に販売が始まり、これまで約238万人が接種を受けたと推定される。同ワクチン接種後の死亡は今回が世界で5例目。因果関係がはっきりした事例はないという。



「子宮頸がんワクチン接種後の少女が死亡、英国」



 2009930 AFP】英国で子宮頸(けい)がんのワクチンを接種した14歳の少女が死亡したことをめぐり、接種プログラムにワクチンを提供する同国医薬品大手グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)は29日、保健当局とともに調査を開始したことを明らかにした。

 英保健省傘下の国民保健機関(National Health ServiceNHS)の共同責任者キャロン・グレンジャー(Caron Grainger)医師とコベントリー市議会(Coventry City Council)によると、コベントリーに住む少女が28日、国が進める子宮頸がん予防接種プログラムの一環として、学校でグラクソ・スミスクラインが製造するワクチン「サーバリックス(Cervarix)」を接種した直後に死亡した。

 その後、検査の結果、少女は「重大な基礎疾患」を抱えており、ワクチン接種が少女の死を引き起こしたと可能性は「非常に低い」との見方が示された。保健当局はこの学校で使われたワクチンを保存する措置をとっている。

 このワクチンは子宮頸がんの主な原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐことができるとされる。

 保健省は、これまでに全国で140万人以上にワクチン接種が行われ、強い安全性が示されてきたと強調、今後も予定通りワクチン接種プログラムを進める方針を示した。

 子宮頸がんに対する関心は、今年3月、同国のリアリティー番組タレント、ジェイド・グッディ(Jade Goody)さんがこの病気で亡くなったことをきっかけに高まり、定期的な検査の必要性に対する認識が強まった。(c)AFP



昨今話題となっているワクチンのひとつに、「子宮頸がんワクチン」がある。

テレビや新聞の情報を見ているだけでは、想像できないが、このワクチンは、予備知識なしで、気軽に接種してよいものではない。しかし、一般には広く、「子宮頸がんを100%予防できるワクチン」のような誤ったイメージで宣伝されている。

当然のことだが、すべてのワクチン接種には、死亡例を含む副反応がある。それは、この子宮頸がんワクチンにおいても、例外ではない。

本来、人の命を守る役目を担うはずの製薬会社、医療機関および政府が、接種を考慮するのに必要な情報をわかりやすく国民に提供せず、良い面ばかりを伝えているおかしな社会の風潮がずっと続いている。(その意味で原子力発電に似ている。)



「子宮頸がん」という言葉を聞いて、この話は自分には関係ないと思われた男性もいるかもしれない。特に最近のアジュバンド(免疫賦活剤または免疫増強剤)を添加した各種の新型ワクチンがもたらす人体への長期的な影響については、いまだ実験段階にあり、不妊症を引き起こす可能性もささやかれている。

もちろん、子宮頸がんワクチンも例外ではない。大げさに言えば人類の存続問題とも関係している。



「子宮頸がん」とは、子宮の出口付近である子宮頸部にできる癌。子宮の中にできる「子宮体がん」と異なる。子宮頸がんは遺伝に関係なく、原因のほぼ100%は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染によって起きるとされている。多くの場合、このウイルスは性交渉によって人から人へ感染するとされ、中でも発がん性のあるHPVには、女性の約80%が一生に一度は感染していると推定されている。このため、性交渉経験のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っているとされている。

子宮頸がんは、近年、20代後半から30代の女性に急増し、発症率が増加傾向にある。現在では、がんによる死亡原因の第3位で、女性特有のがんの中では乳がんに次いで第2位。特に20代から30代の女性においては、発症するすべてのがんの中で第1位となっている。            

     



ドイツ人のウイルス学者であるハラルド・ツアハウゼン氏は、1976年に「HPVが子宮頸がんの原因である」という仮説を発表した。そして、1983年に子宮頸がん腫瘍の中にHPV16型のDNAを発見した。翌年には、HPV18型のDNAも同腫瘍中に発見し、この研究結果を元に2006年には、子宮頸がんワクチンが製造された。

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、パピローマウイルス科に属するウイルスの一種で、現在確認されているだけでも約200種類ある。このウイルスは、大きく2種類に分けられる。皮膚に感染する上皮型と粘膜に感染する粘膜型である。

この粘膜型のうち、発がん性の高い15種類が、子宮頸がんの原因とされています。

具体的に示すと、HPV16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82,(ときに26,53,66)

型。

実際には、これらの発がん性HPVに感染しても90%以上は、免疫により体内から自然に消失するため、子宮頸がんに進展するのは、約0、1~0、15%とごくわずかだ。

また、子宮頸がんになるまでには通常、数年~十数年かかると推測されている。

そのため、子宮粘膜に異常が見つかったからといって、安易に手術するよりも、観察が大事であるという専門医もいる。

現在、子宮頸がん予防ワクチンとして、米・メルク社の「ガーダシル」と英・グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」がある。2010年3月現在、国内で厚労省に認可されているのは、後者のみ。

 (*9月にカーダシルも公費助成の対象とされた。)

製造元の英・グラクソ・スミスクライン社によれば、「予防効果がどのくらい続くのか」

「追加接種が必要か」については、まだ不明とのことだ。

同社は、「半年に3回の接種で、最長で6.4年間くらいは、HPVの感染を防ぐのに十分な量の抗体ができる」としている。

この子宮頸がんワクチンが予防できるのは、HPV16型と18型。全ての発がん性HPVの感染を防げるものではない。

「ワクチンを接種しても子宮頸がんにかかる可能性がある」と製薬会社もはっきりと述べている。また、特筆すべき点は、日本人の子宮頸がんの原因はHPV 52・58型が比較的多く、HPV16・18型は全体の約60%ということだ。そのためHPV16・18型予防に製造された輸入ワクチンは、日本人には予防効果がさらに限定的であるということになる。(HPV52・58型に対する予防効果は10%程度)

「サーバリックス」の接種対象は、10歳以上の女性となっている。(2010年の時点)また、諸外国における子宮頸がんワクチンの推薦接種対象も、主に9歳から10代前半までの女児

同ワクチンは、HPVにすでに感染している人には、効果がなく、また同ウイルスの増殖を刺激するという報告もある。これらの理由から、諸外国では、性交渉をまだ経験していない、HPV感染前の小中学生の女児を優先接種対象として、早期に接種を済ませる政策がとられている。
 さて、現代の医学の通説上、子宮頸がんの原因とされるHPV(ヒトパピローマウイルス)だが、「実は、このウイルスには子宮頸がんと直接の因果関係がない」と指摘するレポートが存在する。

「子宮頸がんワクチンの大ウソを暴く」-マイク・アダムス著、(原題”The Great HPV Vaccine Hoax Exposed”) の中では、アメリカのFDA(連邦食品医薬品局・日本の厚労省にあたる機関)が、子宮頸がんワクチンを認可する以前の2003年の時点には、「HPVは危険なウイルスではなく、感染しても自然に消滅するものである。健康への長期的な悪影響はなく、子宮頸がんとの関連性はない」と認識していた事実が明らかにされている。

ヒトパピローマウイルス自体は、ごくありふれたウイルスであり、健常者の命を危険にさらすようなものではないということなのである。更に、マイク・アダムス氏は、このレポートの中で、子宮頸がんワクチン「ガーダシル」が、逆に子宮頸がんの発生リスクを44.6%も増加させることを示すFDAの書類を取り上げている。さらに同氏は、「この子宮頸がんワクチンは、無益であるばかりか、有害である。さらにその目的は、大手製薬会社の利益以上に、今後のアメリカ政府による ” 各種ワクチン強制接種政策 ” の実施の先陣を切るものである」可能性を指摘している。



*興味深い証言が信頼すべきブログに掲載されていたので、ご紹介する。



「私は現在、婦人科で働いており、サーバリックスのメーカ(GSK)からの正式な資料も見ており、続々と行政サイドで無料のワクチン接種が決定されていくのに、なんの情報開示も無く、疑問視する報道もない事に非常に危機感を抱いている者です。

しかも、先週には医師会を通じて、サーバリックスについて、だめ押しのような文書が配送され、目を疑いました。そこには、全く危険性がないとでもいわんばかりのいいわけのような、さも安心で、これで癌が防げるという説得調の説明が長々あり、驚く事に海外での死亡例でさえ、それは、「ワクチンと関係のない自殺や、事故が原因だった」とまで書かれ、その上だめ押しで国内では死亡例はないと高らかに歌われています。 (国内では昨年末から認可、発売されたばかりで死亡例が、あったら困るでしょう)ここまで子どもだましの説得には、驚く他なく、まるで必至で「リスク」を隠蔽しようと意図していますといわんばかりです。まさか、自殺や事故死がサーバリックスによる死亡例として報告されるはずがありますか?!

もし入手できたら、サーバリックス開発メーカーのGSKの説明書をよく読んでください。どこにも、サーバリックスが子宮頚癌を防ぐ効果があるとはかかれていません。HPV(子宮経癌の原因といわれているウィルス)のDNAタイプが数十種類あり、その中の16型と18型(欧米では、この2種が癌化の確率が高いという根拠で)のみに効果が期待される、あるかも知れない、と言っているだけです。性交渉前で70%の効果と言っています。30%には期待できません。しかも、この2種類以外のHPVウィルスにはまったく効果ありません。もう一社の4種に効果が期待できるとするワクチン(欧米では既に認可)が、昨年暮れには認可がおりて発売になると言われていたのに、未だに日本では認可されません。これも不思議です。GSKが一人勝ち、独占状態です。

欧米でも、経癌ワクチンが発売されてまだ10年たらず、しっかりとしたエビデンスが無い中、まして、日本人に多いのは「16型18型ではない」のでは、というデータもあります(まだ、母数が少なく、データの蓄積が無いので、これも不明ですが)接種して効果は、5年から7年くらいは期待できるのでは?と言っています。これもデータはありません。

GSKの説明書を読めば読む程、わざわざ危険を犯して接種する必要があるとは思えなくなります。私も10代の娘がある母親として、真剣に検討して、接種はしないという判断をしました。子宮頚癌は、発症するのに5年から10年かかると言われ、発症しても早期発見さえできれば死に至る癌ではありません。子宮頚癌検査をきちんと受けていれば、十分と考えます。

と、ここまで書いておいてなんですが、



実は、それ以前の問題として、子宮経癌ワクチンと検索すれば、誰でも見る事ができるレベルで、なんと米国FDAは、「HPVウィルスは子宮頚癌の原因ではない」と正式に発表しています! 研究結果が出ているのですよ!!つまり、HPVが頚癌の原因であるというのは、既に間違った古い情報のはずなんです。これが、何故表に出てこないのか、とても不思議です。

そもそもHPVウィルスが原因でないなら、このワクチンがまったく無意味です。どうしてそこのところが公表されないのか、とても不思議。やはり、別の意図、巨大な力、お金、が動いているとしか思えません。誰かがとっても儲かるでしょうね。

本当に、真実を知らない、知らされていないと言うことは怖いと思います。

知った上で判断したら、誰でも分る事だと思うのに、どうして、行政で何の問題にもならずに、莫大な税金を投入する事業が採用されてしまうのか、本当に不可解です。



ある、有名なIT企業家(今は引退して、慈善事業に専心している事になっています)が、「地球を救う為に、今できる最善の策は何か?」と世界のトップレベルの頭脳を集めた国際会議で聞かれて応えたそうです。「予防接種を徹底することだ、それも第三国向けに」これの意味するところがわかりますか?

地球を救う為には、人口をこれ以上増加させない事だと言っているのです!

その為に、無知な第三国の子ども達に、高い確率で「不妊になる」予防接種を打つのが最善の方法だというのですよ! しかも、その企業家は、引退したとはいえ、莫大な資産を予防接種のワクチンメーカーに出資しているそうです。ちなみに誰だかわかりますか?そうです、ビルゲイツ氏ですよ。

これを聞いて、心が凍りました。ヒトラーと同じ発想ではありませんか?

信頼できる方からの情報なので、英語が堪能な方なら、この情報を探せると思います。

この緊急提言を拝見して、興奮して、思いつくまま打ち込んだので、読み難いかもしれません。今度、資料を手元においてもう少し正確にデータをアップしたいと思います。新聞に投稿しようかと危機感もっていたところでした。医療関係者で詳しい人が、GSKの開発の中から、もっと声をあげて下さる人が出てきますように祈っています。」





また、精神科医の遠山高史氏の著書『医者が薦める不養生』で下記のように書いている。



「癌の中で取り扱いが容易とされる子宮頸癌は早期の癌と診断されると、通常はことごとく手術となってしまう。取ってなくなってしまうので、早期の癌に自然消滅があるなどと確かめられない。集団検診によって、子宮頸部の上皮内癌(早期の癌)と診断されながら、治療を受けなかった女性を、20年間追跡したニュージーランドの疫学調査がある。このような女性750人のうち、子宮頸癌となった者は、10人(1.3%)しかいなかった。しかも、検診で見つけられた上皮内癌から本当の癌に進展したと認められたのは2例しかなく、他は、当初の上皮内癌とは関係なく起こったものと考えられたという。むろん、ニュージーランドの疫学調査を100%、鵜呑みにはできないにしても、日本の癌学者がこの論文を否定しうる根拠を示し得ないことは確かなのである。従って、日本の癌医学は定量的に未来の予測をなし得ておらず、科学とはまだいえる段階に達していない」



毎年550億円以上の国費を使い、地方自治体にも多くの負担をかける施策である。

もう少し、日本人の命を重く受け止めて慎重に政策を進めるべきではないか。

今日、学校給食制度自体も大きな利権になってしまったが、給食費無料化を進めようとしている健気な地方自冶体に少し、工夫した助成制度でも作ってあげた方がまだ、有効なお金の使い方のような気がしないでもない。



*天皇家の食事に「マクロビオティック」を提唱した桜沢如一氏の理論が取り入れられているという話を聞いたことがある。食育に興味のある方は、一度は聞いたことがあると言葉ではないか。

提唱者である桜沢如一氏は、石塚左玄氏の「食物養生法」を、古代中国で生まれた「易」という概念から再構築し、宇宙万物に通ずる「無双原理」を唱えた。その原理が、マクロビオティックの基礎となっている。

そのため、巷にあふれる「健康法」とは全く異なるものとなっている。

「身土不二」という基本原則により、野菜や穀物を中心とし、アクを抜かず、皮も剥かずに丸ごと食べるという、「一物全体食」が特徴である。

「身土不二」について、サンマーク出版『新編集版 無双原理・易』(桜沢如一著、岡田定三編集・解説)には、”「人間が最も広い意味での環境の産物である」ことを意味する言葉である。その土地、その気候、その自然産物である人間は、それらに適応するとき生を全うし、それに反逆するとき悩み滅ぶということだ。”とある。

さらに”万病の原因は、例外なく陰または陽の過剰である。””動物である人間は陽性だから、その病の治療は、主として陰性である植物の力によるべきである”と記している。

難しく感じるかもしれないが、簡単に言えば、「遠く離れた海外から輸入した食べ物ではなく、今住んでいる場所で取れる旬の野菜を丸ごと食べなさい。そうすることが人間にとって最も理にかなったありかたなのだから。」ということだと考えて、まず間違いはないだろう。現在で言う「地産地消」である。

その土地によって、暑かったり、寒かったり、乾燥していたり、湿っていたりというのは様々で、それによって育つ作物も異なってくる。

日本の場合は四季があるから、時期によって育つものが異なる。現代では、日本のどこにいても、一年中トマトやキュウリが買えるが、冬に食べるより、夏の方が断然美味しい。やはり、「旬」というものが間違いない。

熱帯には、熱帯に適した、身体を冷やす食べ物が取れ、寒帯には、寒帯に適した、身体を温める食べ物が取れる。それと同様、乾燥地帯では、身体を潤す食べ物が取れ、

湿潤地帯には、身体を乾かす食べ物が育つ。

これらは、人間が食を通じて経験的に蓄えてきた先人の知恵。その中でも、特に日本の食文化に大きな影響を与えた人物がいる。

「食養」という言葉の生みの親である、石塚左玄氏である。天皇家の食事は、石塚氏の理論に基づいていると言われている。

石塚氏の大きな功績は、温める性質を持った(陽)元素の代表、冷やす性質を持った(陰)元素の代表が、それぞれ、ナトリウムとカリウムであるという発見をしたことである。 

つまり、身体を温めるものには、ナトリウムが多く含まれていて、身体を冷やすものには、カリウムが多く含まれているというのだ。 

以上の事実から、寒い地域に住む人は、塩気が多い食事となるのは自然なことだといえる。北の住人は、南の住人に比べ、昔から高血圧の割合が 高いと言う事実もある。

今、減塩が叫ばれていますが、時と場所と場合によるはずだ。

「もし北に住む人がナトリウムを減らせば、 高血圧は減るでしょう。 しかし、他の病態が増えるでしょう。」という研究者もいる。

カリウムと聞いてイメージしやすいのは、バナナだ。屋久島などでは夏にバナナが育つのは珍しいことではないが、北海道でバナナができたら少し違和感がある。

つまり、私達は、わざわざサプリメントなどで栄養分を補わなくとも、その土地に、その時期にとれるものを、丸のまま食べることで、深く考えなくとも、必要な栄養分を摂取する事ができ、なおかつ、最もバランスの取れた状態を維持することが出来るという考えなのである。このことを実践している元気な女性の本を今回は紹介させていただく。

 



(以下引用)

 

「日の丸弁当は貧乏ではなく、実は豊かさの証」

~福島原発事故は、日本に伝わる食文化を学び直す好機~

川嶋 諭

<川嶋 Satoshi Kawashima

早稲田大学理工学部卒、同大学院修了。日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。1988年に「日経ビジネス」に異動後20年間在籍した。副編集長、米シリコンバレー支局長、編集部長、日経ビジネスオンライン編集長、発行人を務めた後、2008年に日本ビジネスプレス設立。

最近は「夏痩せ」という言葉が死語になりつつあるようだ。政府と電力会社から過度な節電を強要された今年は例外だったかもしれないが、エアコンの効いた快適な部屋で過ごしていると暑い夏でも食が進み、涼しさを感じるお彼岸の頃、決まってお腹の周りの脂肪が気になり始めダイエットを志す、というのが年中行事のようになってしまっている。

74歳で老眼鏡要らず、縄跳びは100回以上跳ぶ

 さて、今年はどんな方法でダイエットに取り組むか。そう考えていた矢先、とてつもなく元気なスーパーおばあちゃんに出会った。74歳にして豊かな頭髪に白髪はほとんどなく、新聞や本を読む時に老眼鏡のお世話になることもない。

 スクワットは平気で70回以上こなし、縄跳びは100回以上連続して飛ぶことができるという。お年寄りになると会話のスピードが落ちがちだが、早口が“自慢”の私の2倍以上の速さで言葉が飛んでくる。

 医者に全くかからないのでデータで証明はできないものの、「体にはひとつも悪いところがない」と言い切る。健康料理研究家の若杉友子さん。見るからに逞しいおばあちゃんである。

健康の秘訣は食だという。若杉さんが主催する料理教室はいつも満杯。京都駅からクルマで3時間ほど走らないとたどり着けない交通の便の悪い京都府綾部市で開いているにもかかわらず、日本全国から受講者が集まってくる。

連休の狭間の今週は、このおばあちゃんのお話にお付き合いいただきたい。

若杉おばあちゃんは言う。「健康になりたかったら、そして痩せたいんだったら、あなたのお母さんが小さい頃に作ってくれたはずの日の丸弁当を見直しなさい」

日の丸弁当って、アルミ製の弁当箱の真ん中に大きな梅干が1つ。日本の国旗の形と色をしたやつでしょうか。

「そうよ。日本人なんでしょ。有難くそのお弁当をいただきなさい。もったいないからご飯つぶ1つも残しちゃダメよ。日の丸弁当を食べていれば日本人は健康になれるの」

でも、日の丸弁当というのは、小さいときの記憶では貧乏の象徴だったような・・・。「米と梅干とそして漬物だけかよ。お前の家は貧乏だな」。当時の漫画ではそのように揶揄される対象だったと思いますが。

最高の贅沢は銀シャリに梅干

「完全にアメリカのプロパガンダに洗脳され切ってしまっているわね。戦後66年も経っているのにこれだものねぇ。アメリカ人がカロリー、カロリーと叫んで、日本人のカロリー摂取量を上げようとしたのは、農産物を売り込みたいからじゃない」

「2000年以上日本に住んできて、日本の食生活に合った形に体の構造がなっている日本人は肉ばっかりの食生活を送ったら、体に良いことはひとつもないわ。口に極楽、腹地獄というやつね」

そういえば、JBpressで日本の中小企業の強さを連載してくれていた岡野工業の岡野雅行さんは、何よりのご馳走が銀シャリと梅干、そしておいしい緑茶をかけた茶漬けだと言っていました。

お会いすると決まって高級なお肉をご馳走になりましたが、ご自身はほとんど口にされず帰ってから梅干と茶漬けを楽しんでいる。

「あなた、ご馳走という漢字は書けるわね。どういう意味か分かるかしら。馬に乗って三里四方を走り、苦労して食材を集めてお客さまに出す。そのおもてなしの心をご馳走と言ったのね」

地元で採れた食物を食べるように人間の体はできている

「ただ自分たちは普段からご馳走は食べられないから自分の畑なら畑、野山なら野山から採れる範囲の食材を採って食べていました。実はそれが健康の秘訣だったのです」

「身土不二という言葉が日本にはあるでしょう。人間が生まれ育った風土で育った食物は体に順応し、適応してくれるということを表しています。つまり、地元で採れた食べ物を食べているのが健康のためということ」

小さい頃、背が高くなりたくて牛乳をたくさん飲みました。残念ながら並みの高さにしかなりませんでした。でも、やっぱり背を高く体格を良くしようとしたら、地元で採れた食べ物だけでは限界があるのではありませんか。

「日本のお米には栄養素がいっぱい詰まっているのよ。欧米人が食べている麦から作ったパンに比べたらはるかに栄養価が高い。何より昔のお相撲さんはお米を食べて大きくなったじゃないの。それから、お子さんの背を高くしたいなら良い日本の食材があるのよ」

「それは筍。この食材は上に向かって伸びる力が強いでしょう。食材は陰性と陽性の2つに分かれるんだけれども、上に伸びるということは非常に陰性が強いことを表しているの。旬の季節にこれを陽性が強い子供に与えると背を高くする働きがあります」

陰性の強い筍が子供の身長を伸ばす

「ただし、食事の陰陽のバランスを取るために陽性の海草、例えばヒジキやアラメなどと炊き合わせるのがいいわね。ヒジキやアラメは骨の再生にも効くので骨折したときなどにも筍との炊き合わせを食べると効果があります」

食物の陰陽ですか。それを知っているか知らないかで健康に大きく影響がありそうですね。これは古来から研究されていたのでしょうか。

 「江戸時代中期のお医者さんで思想家の安藤昌益は次のように言っています。『一本の草木の中にも陰と陽が完璧にあるように、人間の体の中にも陰陽は完全にある』。そして、この秩序法則を尊敬してこそ幸福があると言っています」

 

 「また、明治時代の人で食養の元祖と言われる石塚左玄という人がいます。明治維新で日本の食文化が大きく崩れ、日本人の健康が害されることを懸念して『食物養生法』という食物と人間の体の関係を深く研究した人です」

「その石塚左玄によると食養には次の5原則があります」

食養の5原則とは

(1)食物が健康と幸福の基礎である

(2)ナトリウムとカリウム、陰と陽の2つの拮抗が基本的要素

(3)穀物が人間の一番正しい主食である

(4)一物全体(食物を丸ごといただくの意)の完全な調和のあるものでなければならない

(5)身土不二、三里四方に採れるものがよい

「石塚左玄は『食育』という言葉を最初に使った人でもあります。また、『食養道歌』というものをつくっています。その中に、春苦味、夏酢の物、秋カラミ、冬は油と合点して食えというのがあります」

「夏の暑いときは陽性の臓器である肝臓がますます強くなる。だから陰性の食物である酢の物を食べて調和を取りなさいという教えです。このように食べ物の陰と陽は常に意識していないと体に良いと思っていたのに、全く逆ということもあるんです」

若林さんはお塩の効用についても強調されています。しかし、日本ではお医者さんの指導で高血圧予防のためにお塩をできるだけ控えるように指導されています。お塩を取って大丈夫なのですか。

体に十分な塩分がないと病気になりやすい

「塩梅(あんばい)という言葉があるでしょう。人の体を気遣うときに使いますね。お体の塩梅はどうですか、と。人間にとって塩気のバランスがとても大事なことを言っています。最近、日本人で腑抜けの人が増えているでしょう。みんな塩気が足りないんですよ」

「お塩をちゃんと取らないと体温が上がらないんです。だから最近の若い人たちには冷え性や貧血、便秘症が増えているんです。そして気持ちも暗くなって覇気がなくなってしまうんですよ」

「昔の人は1日に30グラムほどお塩をとっていました。陰陽で言えば、塩気を持っている陽性の魚にも陽性であるお塩を振って、それを陽性の火で焼いて陽性の醤油をかけて食べていた。みんな陽性だから、それを食べている人は元気だったんですよ」

「貧乏人の子沢山という言葉もあるでしょう。たとえ貧乏でもみんな明るく元気で、今の男性のように精子が少ないなんていうことがなかったから元気な子供がいっぱい生まれた。人間の元気の源がお塩であることを再認識すべきだと思いますよ」

でも、そんなにお塩をとったらやっぱり高血圧が心配でしょう。

高血圧は塩分ではなく肉食に起因する

体温を上げる料理教室』(致知出版、若杉友子著)

「高血圧になるのは、お肉を食べ過ぎるからなのよ。お肉をいっぱい食べるとその副作用として甘いものが欲しくなる。これがいけないんですよ」

「お塩をたっぷり使った味噌や醤油、梅干には体温を上げ、新陳代謝を活発にする作用があります。また造血作用もあるから人間を元気にするんです。高血圧が塩分のせいというのは間違いなのよ」

「それからこれは大切なんだけど、日本で作られている野菜など多くの食物はその種がF1と呼ばれるもので、1代限りの種になっています。こういう種からは非常にたくさんの野菜や果物が取れます」

「例えばピーマンなんか1本の苗から300~400個も採れるの。しかし、日本の在来種のピーマンの種から作った苗からはせいぜい数十個しか採れません。工業化された野菜を食べるのは体に良いわけがありません」

このほかにも、若林さんのお話には今まで常識だと思っていたこととは違うことが多い。例えば小さい頃から体に良いから食べなさいといわれてきたピーマンは決して子供に良いものではないとか・・・。

油断大敵、冬に油をとらないと病気になりやすい

「先ほど、石塚左玄の『食養道歌』で冬は油と合点して食えというのがあったでしょう。体をあまり使わずにいるから陰性になってしまっている。そのときに油を絶ってはいけないという戒めです。油断大敵という言葉があるように冬に油を絶ってはいけません」

京都の山の中で築160年の古民家に住み、一汁一菜にこだわり、日本原種の種から育てた野菜や穀物だけを育てて暮らしている。お風呂は昔ながらの五右衛門風呂だそうだ。私たちはいつの間にか、日本の知恵を忘れていることに気づかされた出会いだった。

福島第一原子力発電所の事故で、日本の食料の健康と安全性が脅かされたが、それは逆に私たちが日本の良さを再認識する好機を与えてくれたと言えるのかもしれない。

吃驚するニュースが飛び込んできている!



Russia Says IMF Chief Jailed For Discovering All US Gold Is Gone

Posted by EU Times on May 31st, 2011

 

A new report prepared for Prime Minister Putin by the Federal Security Service (FSB) says that former International Monetary Fund (IMF) Chief Dominique Strauss-Kahn was charged and jailed in the US for sex crimes on May 14th after his discovery that all of the gold held in the United States Bullion Depository located at Fort Knox was ‘missing and/or unaccounted’ for.

According to this FSB secret report, Strauss-Kahn had become “increasingly concerned” earlier this month after the United States began “stalling” its pledged delivery to the IMF of 191.3 tons of gold agreed to under the Second Amendment of the Articles of Agreement signed by the Executive Board in April 1978 that were to be sold to fund what are called Special Drawing Rights (SDRs) as an alternative to what are called reserve currencies.

This FSB report further states that upon Strauss-Kahn raising his concerns with American government officials close to President Obama he was ‘contacted’ by ‘rogue elements’ within the Central Intelligence Agency (CIA) who provided him ‘firm evidence’ that all of the gold reported to be held by the US ‘was gone’.

Upon Strauss-Kahn receiving the CIA evidence, this report continues, he made immediate arrangements to leave the US for Paris, but when contacted by agents working for France’s General Directorate for External Security (DGSE) that American authorities were seeking his capture he fled to New York City’s JFK airport following these agents directive not to take his cell-phone because US police could track his exact location.



Once Strauss-Kahn was safely boarded on an Air France flight to Paris, however, this FSB report says he made a ‘fatal mistake’ by calling the hotel from a phone on the plane and asking them to forwarded the cell-phone he had been told to leave behind to his French residence, after which US agents were able to track and apprehend him.

Within the past fortnight, this report continues, Strauss-Kahn reached out to his close friend and top Egyptian banker Mahmoud Abdel Salam Omar to retrieve from the US the evidence given to him by the CIA. Omar, however, and exactly like Strauss-Kahn before him, was charged yesterday by the US with a sex crime against a luxury hotel maid, a charge the FSB labels as ‘beyond belief’ due to Omar being 74-years-old and a devout Muslim.

In an astounding move puzzling many in Moscow, Putin after reading this secret FSB report today ordered posted to the Kremlin’s official website a defense of Strauss-Khan becoming the first world leader to state that the former IMF chief was a victim of a US conspiracy. Putin further stated, “It’s hard for me to evaluate the hidden political motives but I cannot believe that it looks the way it was initially introduced. It doesn’t sit right in my head.”

Interesting to note about all of these events is that one of the United States top Congressman, and 2012 Presidential candidate, Ron Paul [photo bottom left] has long stated his belief that the US government has lied about its gold reserves held at Fort Knox. So concerned had Congressman Paul become about the US government and the Federal Reserve hiding the truth about American gold reserves he put forward a bill in late 2010 to force an audit of them, but which was subsequently defeated by Obama regime forces.

When directly asked by reporters if he believed there was no gold in Fort Knox or the Federal Reserve, Congressman Paul gave the incredible reply, “I think it is a possibility.”

Also interesting to note is that barely 3 days after the arrest of Strauss-Kahn, Congressman Paul made a new call for the US to sell its gold reserves by stating, “Given the high price it is now, and the tremendous debt problem we now have, by all means, sell at the peak.”

Bizarre reports emanating from the US for years, however, suggest there is no gold to sell, and as we can read as posted in 2009 on the ViewZone.Com news site:

“In October of 2009 the Chinese received a shipment of gold bars. Gold is regularly exchanges between countries to pay debts and to settle the so-called balance of trade. Most gold is exchanged and stored in vaults under the supervision of a special organization based in London, the London Bullion Market Association (or LBMA). When the shipment was received, the Chinese government asked that special tests be performed to guarantee the purity and weight of the gold bars. In this test, four small holed are drilled into the gold bars and the metal is then analyzed.

Officials were shocked to learn that the bars were fake. They contained cores of tungsten with only a outer coating of real gold. What’s more, these gold bars, containing serial numbers for tracking, originated in the US and had been stored in Fort Knox for years. There were reportedly between 5,600 to 5,700 bars, weighing 400 oz. each, in the shipment!”

To the final fate of Strauss-Kahn it is not in our knowing, but new reports coming from the United States show his determination not to go down without a fight as he has hired what is described as a ‘crack team’ of former CIA spies, private investigators and media advisers to defend him.

To the practical effects on the global economy should it be proved that the US, indeed, has been lying about its gold reserves, Russia’s Central Bank yesterday ordered the interest rate raised from 0.25 to 3.5 percent and Putin ordered the export ban on wheat and grain crops lifted by July 1st in a move designed to fill the Motherlands coffers with money that normally would have flowed to the US.

The American peoples ability to know the truth of these things, and as always, has been shouted out by their propaganda media organs leaving them in danger of not being prepared for the horrific economic collapse of their nation now believed will much sooner than later.



 
 日本のニュースで報道されたように、IMF専務理事のドミニク・ストロスカーン氏は本年5月、米ニューヨーク市のホテルで女性従業員に性的暴行を加えたという容疑で逮捕された。そして今月22日、検察は、被害者の女性の証言が信用できないとして、告訴を取り下げた。

事の顛末を見る限り、フランス大統領候補になる可能性のあったストロスカーン氏は氏のことを快く思わない人たちの罠に嵌ったとしか言いようがない。当然のごとく、ストロスカーン氏は、IMF専務理事の職を追われ、信用を失って来年のフランス大統領選へも出馬できなくなった。アメリカのネオコン派と通じているサルコジ大統領もさぞや喜んだことだろう。このように嘘でもよいからスキャンダルを仕掛けて評判を落とせば、政治生命を断つことは簡単にできる。

 こういうやり方をどうも「人物破壊」キャンペーンと言うらしいが、わが国でも小沢一郎氏が同様の手法で現在、政治活動を封じられている。都合の悪い人物は、こうして抹殺されていくわけだ。一般国民も意に介さなければよいのだが、どうしてもスキャンダルを嫌う人が多いために、情報操作が巧みな人々にいいように操られてしまうことになる。

 ところで、ストロスカーン氏が嵌められた理由は、様々に推測されていたが、上記の英文の記事によれば、世界一の金保有を誇っている米国政府が実際は、金塊を所有していない(偽の金塊を持っている)ことを知ってしまったというのが真相のようである。当然、IMF専務理事であれば、こうした情報を入手しやすかったことは間違いない。金塊が偽物であることは以前から度々、指摘されていたが、IMFの専務理事が確認したとなると事は重大である。

 

おそらく現在、ドルの減価が止まらないのはこのためで、ドルには何の裏付けもないことを玄人の投機筋は感づいているのではないか。それで米国は、この8月にデフォルト寸前にまで行ったのだろうが、もし、この記事にあるように偽金塊が原因だとすると、この先もドルの価値が戻ることはないことになる。

逆に言えば、現在、買われている日本の円には何らかの裏付けがあることを暗示していることになる。

 「金塊の誤魔化し」が暴かれる危険性があったためにストロスカーン氏に米国側がスキャンダルを仕掛けた事件だったというところだろう。

日本のマスコミには、ドルの価値は今後も揺らぐことはないという米国教信者が相変わらず多いようだが、悲しいことだが、真実は全く違うものであることが、もうすぐ、はっきりするのではないだろうか。

 また、この記事の中でも触れられているが、パキスタン・ディリーが2010年1月にこのことを記事にしている。対外決済のために中国が米国から受け取った5600本、400トロイオンスの金塊が偽物であったという記事である。

「役人たちは驚愕した。中はタングステンであり、周りに金メッキが施されていたのである。しかももっと凄いことがある。これらの金塊は打刻されたアメリカ製であり、数年間は米国財務省金管理庫において管理されていたものだったのである。」

このことを調査した中国によれば、こういった金塊がすでに6、000億ドル以上、不法に売買されていることが判明したとのことである。2008年にはエチオピア中央銀行から南アフリカに送金した金塊が同じく偽物であることが判明した事件もあった。この事実関係を世界のBBCが報道している。考えてみれば、2004年4月の時点で世界有数の投資銀行であるロスチャイルド・アンド・サンズ社が金を含む商品取引から撤退しているのも意味深である。ロスチャイルドがロンドンにおいて金の値段を実質上、決めていると言われていたのではないか。何らかの背景があって撤退したとしか考えられないのである。

もちろん、閉ざされた言語空間にある日本のマスコミでこう言ったニュースが報道されることはない。



 英国のBBCで報道されることが、どうして日本では報道されないのだろうか。



私には、それが戦後、日本人がアメリカニズムの催眠術にかかっているためだとしか思えないのである。私の勝手な予想を先に言ってしまえば、これから一、二年の間にアメリカが起こすデフォルト等の出来事により、多くの日本人が1945年以降、より強固になったアメリカニズムの幻想から目を覚ますことになると思われる。

 思えば、GHQの民主化政策で導入された6・3・3制の戦後教育制度の中で、巧みコントロールされたマスコミ報道、ハリウッド映画、アメリカのテレビドラマによって我々はあまりも鮮やかにある意味、騙されてきたのである。たとえば、「日本人は先の大戦において南京虐殺等の大変残虐な行為をしたので、広島や長崎に原爆を落とされても仕方がなかったんだ。」と思わされてきたのである。

 

考えてみれば、私は、日本人なのに能や歌舞伎よりハリウッド映画の方をよっぽどよく知っている。ビビアン・リー主演の「風と共に去りぬ」は20回以上見たし、オードーリー・ヘップバーン主演の「ローマの休日」も10回以上見ている。冷静になって振り返ってみれば、戦後のアメリカ文化の日本への浸透にはすさまじいものがある。フジテレビに対して現在、韓流偏重放送だと抗議している人たちがいるが、アメリカ偏重はその比ではないだろう。

 私たちの世代は、訳もわからず、「トムとジェリー」というアニメを見させられ、「ベン・ケイシー」や「コンバット」、「パパは何でも知っている」、「奥様は魔女」というアメリカのテレビドラマの再放送をずっと見させられ、米国の中流家庭の文化的な生活に憧れを抱くように誘導されてきたのである。小学校でもディズニィーのアニメ映画を何回か見せられた記憶がある。思い出してみよう。「巨人の星」という人気漫画に出てくるスプリングの塊の「大リーグ養成ギブス」、まさにアメリカメジャーリーグに対する憧れそのものである。その流れがあったからこそ、我々は、野茂、イチロー、ゴジラ松井秀喜のメジャーリーグでの活躍に心を躍らせたのではないか。



 ところで、上智大学の渡部昇一氏のような人々が1960年安保、1970年安保は日本にとって正しい選択だったと力説していたが、本当だろうか。

今から考えてみればはなはだ疑問である。そのために日本が独立国に近づく機会をみすみす放棄し、1980年代以降、莫大な国富を米国に貢ぐ道に嵌りこんだだけでないのか。米国の強硬な世界戦略に圧倒されたと言ってしまえばそれまでではあるが、

 最近よくよく考えておかしなことだと思うのだが、私自身が受けてきた学校教育の中で、本当の意味で日本の本質(哲学、思想、宗教、文化)を教えられる機会が全くなかったことに思い当たる。

 もしかして現在の日本の教育は独立国家としての体をなしてないのではないかとも思わないでもない。

かつて岡倉天心は「アジアは一つ」と言った。日本人として、欧米に対する対抗意識をはっきり表明したわけである。もちろん、宗教、哲学の底流に流れるものが同じであるという意味で言った言葉であって、アジアを一つにまとめる哲学・思想が彼によって表明されたわけではない。



私の尊敬する松岡正剛氏が岡倉天心の「茶の心」をたった10項目に要約している。以下。



01. 西洋人は、日本が平和のおだやかな技芸に耽っていたとき、日本を野蛮国とみなしていたものである。だが、日本が満州の戦場で大殺戮を犯しはじめて以来、文明国とよんでいる。



02. いつになったら西洋は東洋を理解するのか。西洋の特徴はいかに理性的に「自慢」するかであり、日本の特徴は「内省」によるものである。



03. 茶は衛生学であって経済学である。茶はもともと「生の術」であって、「変装した道教」である。



04. われわれは生活の中の美を破壊することですべてを破壊する。誰か大魔術師が社会の幹から堂々とした琴をつくる必要がある。



05. 花は星の涙滴である。つまり花は得心であって、世界観なのである。



06. 宗教においては、未来はわれわれのうしろにあり、芸術においては現在が永遠になる。



07. 出会った瞬間にすべてが決まる。そして自己が超越される。それ以外はない。



08. 数寄屋は好き家である。そこにはパセイジ(パッサージュ=通過)だけがある。



09. 茶の湯は即興劇である。そこには無始と無終ばかりが流れている。



10. われわれは「不完全」に対する真摯な瞑想をつづけているものたちなのである。



見事な要約である。



ところで、戦後、我々日本人の頭の中に張り巡らされたアメリカという甘い幻想が、もうすぐ、雲散霧消する時が近づいている。ドルが基軸通貨でなくなり、アメリカが覇権国でなくなる日が迫っているからだ。たしかに戦後ずっとアメリカは日本人にとって特別な国だった!

そのアメリカをもうすぐ、日本人は、中国、韓国、北朝鮮のように客観的に見ることができるようになる。そして、多くの日本人が知ることになる。「本当のアメリカは我々のイメージとは全く違う国だった」と。

おそらく、このことは、1945年 8月15日のような大転換を日本にもたらすことになるだろう。明治維新以降、欧米金融資本によって国民国家としての道を歩まさられた日本が真の独立国になるチャンスがやっと訪れるのだ。

 

そのためには、新しい思想家が日本に出てくる必要がある。言うならば、二十一世紀の岡倉天心の出現が望まれる。日本、東アジア、をゆるやかにまとめていくことのできる哲学・思想を語ることのできる思想家が今、時代の要求なのである。



 ところで、現実的な問題は、アメリカが覇権国から普通の国に転落することによって日本が独立国になるチャンスを手にすることになった場合、日本はどの位の損失を被るかということであろう。



 わかりやすく言えば、アメリカから借金の棒引きをどこまで要求されるのかということだ。



現在、日本は、官民合わせて結局、1,200兆円ほど、アメリカにお金を貸していると言われている。アメリカがデフォルトして北米共通通貨「アメロ」を作るという情報も3,4年前から流れ始め、最近はサンケイ新聞も取り上げたようである。いろいろ言われているが、旧ドルに対する交換比率は3;1とか5:1だとか言われている。もし、3:1なら400兆円位はもしかすると返ってくるかもしれないということである。

 ところで、この1,200兆円という金額は、日本が平成バブルの崩壊(株式と土地の価格の暴落)で失った金額とほぼ同じ金額である。

現在、米国のデフォルトによって日本国が破綻するような事をいう評論家が多数存在するが、本当だろうか。竹中平蔵氏のような極端な人は、米国のデフォルトを避けるために日本は死ぬまで米国にお金を差し出すべきだと主張している。

 日本がバブル崩壊で被った損失額が1,200兆円。米国のデフォルトによって被る損失額は1,000兆円近くだろう。官民合わせて莫大な損失を被るわけだ。日本を米国から独立させるためにはそれだけの犠牲を払う必要があるということを意味しているのだろう。

もっとも、米国に貸したお金の回収は、もともと非常に難しいのだから、帳面に載っていた数字だけど、実際には使えない数字が消えるだけのことだとも言えなくはない。



 さすがに事態がここまで進めば、日本銀行も日本の中央銀行であることを思い出すであろう。米国国際金融資本とつながりのある人も君子豹変して手の平を返すのではないか。つまり、日銀が日本の金融秩序を保つために危機に陥った金融機関に対して米国のFRBが2007年のリーマンショック時にしたように公的資金を注入するはずである。

(*米国は、サブプライム問題に対処するために、公的資金注入を行った。アメリカの場合、救済額は桁違いである。今年7月、アメリカ会計検査院(GAO)がアメリカ連邦準備理事会(FRB)に監査を行った結果、07年12月から10年7月21日までに金融機関に行った融資の総額が16兆1千億ドルであったというのである。よく数字をみてほしい。問題になっているアメリカ政府の赤字は約1兆5千億ドルだ。アメリカのGDPは14兆1200億ドルしかない。しかしFRBが金融機関に融資したのは16兆ドル、アメリカのGDPを上回っている。)

日本の政府や日銀がごく普通の対応をできれば、日本政府が破綻することは有り得ないし、したがって、日本経済が破綻することも有り得ない。

 日本の有名な経済アナリストがこう言っている。「円高は止まらない。大変だ。」「日本は破綻への道を突き進んでいる」そうであるなら、破綻に突き進んでいる国の通貨が最も高く評価されていることの説明をしてもらいたいものである。彼が言っていることが正しいなら、円は暴落しなければならないはずである。

 たしかにこのことによって年金の運用資金、大学の運用資金、農協をはじめとする金融機関の資産運用資金、生命保険、郵便貯金、投資信託、個人の野心的な投資家、多くの方が大損することになるだろう。為替仕組債で資金調達している大阪府のような地方冶自体も大変な事態に陥るだろう。

 しかしながら、そうなって初めて本当の戦後史を国民の多くがようやく知ることになるのだろう。   



おそらく、その時から日本を独立国にする私たちの苦難の道が始まる。



「ひとことで言えば、自他ともに幸せになり、その社会を人間の望みうる理想のものとするには、日本を見習うべきだということなのである。―――もし自然が生活に必要なもの、そのすべてを与えたとしたら、そして、もしその国が国民の勤勉により、世界に例を見ないまでに発展しているとしたら、その国は外国に頼るこなしに存在できるのである。これは大きな利点である。これによって他国より来る邪悪、放蕩,軽薄、戦争、変節などに乱されることなく、国内に大きな問題も起こらず、危急の場合、外国の攻撃から身を守ることができるのである。これこそ日本が他国よりすぐれている点である。」著者の生前は出版されることのなかったケンペル著「日本誌」の一節から岩松睦夫著「緑の大回廊~森が語る日本人へのメッセージ」(1984年 東急エージェンシー)より



(ペリーが黒船で日本を脅す前に読んでいた日本についての情報は、ケンペルの『日本誌』によっていた。シーボルトが日本にくる前に読んでいたのもケンペルの『日本誌』である。ケンペル以降に日本に来た外国人の大半は『日本誌』を読んでいる。世界的なベストセラーだった。江戸時代の日本を西洋人は上記のように理解したのである。)

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