現在、米国のコントロールされている日本のマスコミだけでなく、世界中のマスコミでチベット暴動(自治要求運動)や毒物混入食品の話題をことさらに取り上げている。不思議なことにそれにシンクロナイズするように、医薬品の毒物混入で医学界も騒然としている。
日本人を洗脳するために放送しているとしか思えないテレビのワイドショーでもこの医薬品の毒物混入を取り上げている。その医薬品は「ヘパリン」という使用頻度の高い血液凝固阻止剤である。
米国でヘパリン製剤は、70年以上前から製造され、いまや月間100万バイアル以上、年間何百万人の患者が恩恵を受ける頻用かつ重要薬剤である。このシェアの半数近くを占めるのは米国バクスター社。
この「ヘパリン問題」の発端は、ミズーリ州の小児科病院で、昨年11月に何件かの激しいヘパリンによるアレルギー反応が出たと今年1月、CDC(疾病予防管理センター、Centers for Disease Control and Prevention)に届け出があったことである。
昨年の12月以降、米国でヘパリン使用後の死亡例を含む重篤なアレルギーの副作用報告は約350件と、それまでとは明らかに有意に急増して、生命にかかわるような重篤なものが発生していることが公表された。
米国バクスター社製のヘパリン製剤に使用されているヘパリン原薬は、中国のChangzhou-SPL社で製造されたものと公表され、ヘパリン製剤を販売している米国バクスター社が今年1月から自主回収する騒ぎに発展している。
これを受けて、厚労省は3月10日、「ヘパリンナトリウム製剤」について、国内3社が計17品目を自主回収すると発表した。これがワイドショーで取り上げられたのである。ヘパリンなしでは手術できない心臓外科医をインタヴューし、毎度ながら感情論に終始した報道を垂れ流していたようである。
ヘパリンの原料はブタの腸から抽出され、中国産が世界中で流通する唯一のものである。つまり、世界中で中国のブタを原料としたヘパリンという医薬品が使用されているということである。
EUでは唯一、ドイツがヘパリンによる副作用を報告しているが、米国のように死亡例が出るような重篤な副作用は報告されていない。同じホワイトである欧米人(遺伝的に近い)で、しかも同じ原料の医薬品を消費しているにも関わらず、米国だけで被害が甚大なのは不思議である。
副作用との因果関係は不明だが、製品の一部からヘパリンに似た異物の混入が確認されたという。現在の時点では、FDA(米国医薬品局)も、何が原因か、どのような汚染物質がどう混入したのか不明としている(http://www.fda.gov/cder/drug/infopage/heparin/default.htm)。
米国で消費される薬剤の90%近くは外国からの輸入で、その半分以上が中国、インドと言われている。日本の医薬品事情もほぼ同じである。
当初、このヘパリンでも日本と取引のない中国メーカーの原薬が原因とみられたが、その後、米国メーカーの製品でも副作用が確認され、日本の3社が原薬を輸入していることが分かっている。
米国のBSEでの杜撰な食品管理体制を持ち出すまでもなく、FDAの医薬品のトレーサビィリィティは全く当てにならない。おまけに「中国産」と騒いでいたら、米国内の製品でも副作用が出現したというのだから始末におえない。
そこへ、お隣の韓国からも日本のギョーザ事件と同期して以下のニュースが流れてきた。
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