現在、米国の株式市場は、モノラインに振り回されている。

(*モノラインとは、金融保証業務だけを行う専門会社。

一般の保険会社は複数の保険を扱いマルチラインといわれる。モノラインは、金融債務のみを対象にした保証事業だけを行うのでモノライン(単一の事業)という。証券の発行主体から保証料を受け、債務不履行時には予定通りに元利払いをする。

個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が拡大している米金融市場ではモノラインの経営問題が浮上している。)

「モノライン会社大手の格付が引下げられた」と言ってダウ平均が急落したり、「資本調達がうまく行きトリプルAは維持できる」というモノライン会社経営者の言葉が伝えられると相場が急騰するという具合だ。1月30日にFOMCが予想通り0.5%の追加の利下げを実施したが、この効果もモノラインの危機話でかき消された。

現在、米国の実態経済は確実に悪くなっている。

1月の雇用統計で雇用者数は4年5ヶ月ぶりにマイナスになった。2007年10~12月期の実質GDPの成長率はわずか0.6%(年率換算)である。7~9月期が4.9%であり急低落といえる。米国ではマイナス成長(リセッション)に陥るか注目されているが、実質成長率の急落を見ると、既に12月頃にはマイナスになっていた可能性がある。

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