*元外交官 原田武夫氏のコラムより

小生が昨年秋より、次期大統領になると予想したオバマ氏の分析を原田氏もしてい るので紹介します。                                            2008/03/16



「オバマ躍進の影に見え隠れするもの」



米国大統領選に向けた民主党予備選でバラク・オバマ候補(上院議員)の躍進が止まらない。11日に行われた米国南部・ミシシッピ州でもヒラリー・クリントン候補(上院議員)に勝利。422日に行われる「ペンシルヴァニアでの決戦」に向けて大手をかける形となっている。

こうした情勢を受けて、米国大統領選を巡り日本では大手メディア、そしてそこに出てくる「有識者」たちがオバマ候補の勝利をすでに確信しているかのような発言をちょっと前に言っていたことを恥もなく忘れたかのように繰り返している。特に目につくのが「ヒラリー=保守、オバマ=革新」という単純な構図を念頭においた幼稚な発言だ。もっともそうした勧善懲悪の図を頭に刷り込んでしまったのは「有識者」たちだけではないようで、私のところには経済同友会の某幹部からもメールにて同様の「熱狂的オバマ支持」なるメールが届くようにすらなっている。

選挙はフタをあけてみないと分からないものであり、「そのようなもの」であるとの留保をつけてあえて申し上げおきたいが、これまでの情報収集と分析に基づく私のスタンスはこれと大きく異なっている。情勢を見る限り、この点に関する発言で当該人物の「インテリジェンス能力」、いや、そのレベルが最終的には計られる結果となるようである。果たしてどういう結末となるか、今から非常に楽しみである高名なジャーナリスト手島龍一氏は私の分析予測と同趣旨の結論を周囲に漏らしているとの情報に接している。この点について、深く”敬意”を表する次第だ。

さて、結果の正しさはともあれ、今回の米国大統領選(予備選)を見ていて大変気になることがある。それはオバマ候補のWEB選挙戦略が際立って“成功”しているということである。WEB2.0というスローガンが叫ばれて久しいが、オバマ陣営が当初よりyoutubeを用いた若年層へのアウトリーチに大変意を用い、実際それに成功していることは、これまで日本でも何度か報じられてきた。対するヒラリー・クリントン陣営はというと、目立ったネタが取り上げられることはなく、むしろWEB戦略上の守旧性が暗に広められるような結果となっている。

もっとも、問題は果たして選挙参謀たちの「巧拙」にあるのかという点にある。この点について考えるべき際、まずもって参照すべきなのは“オバマは一体誰からカネ(選挙資金)をもらっているのか”を示すデータであると考える。

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