現在の経済状況を本質的に理解するのに良い本を紹介します。

*元外交官 天木直人のプログより

「なぜ、日本はここまで対米従属なのか?」

私はよく質問される事がある。なぜ日本外交はここまで対米従属なのかと。

はっきりと「こうだ」と断言できる答えを、もとより私は持ち合わせていない。

外務官僚の出世頭はすべて対米従属者であり、日米同盟至上主義者である。逆に、外務省では米国を批判する者は中枢を歩めない。それは事実だ。

しかし、それはあくまでも偉くなりたいための保身のなせる業であり、対米従属の理由に対する答えにはならない。

米国に逆らうと失脚させられる、脅かされる、あるいは命まで狙われる、という話が陰謀論のごとくささやかれるが、それを確認出来ない以上、これまた「答え」として公言する事は出来ない。

昭和天皇とマッカーサーの歴史的会談の中で、国体護持と日米安保体制(日米同盟)が、昭和天皇の強い意向により表裏一体の形で作られた、という史実を知れば、なるほど対米従属はそこから始まったのか、と思ったりするが、戦後世代にまでそれが影響を与えているとは思えない。もはや過去の歴史の一こまだ。

日本人は米国が好きなのだ、という理由は頷けるが、しかし米国への憧憬を抱く国民はなにも日本人だけではない。そのような国民は世界中に広く存在する。

しかし、同時にまた、それらの国民は、米国の不当な政策に対しては激しくデモや抗議をする。米国が何をやっても「仕方がない」とあきらめる従順な国民は、世界ひろしといえど日本人くらいだ。

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*元外交官 原田武夫氏のレポートです。いい指摘です。

「これから明らかになる1,000兆円の損失という“大穴”」

本当の損失額は一体いくらなのか?日本の大手メディアは口が裂けても言わないことであるが、現在、米国を中心とした金融マーケットで生じている事態は「金融メルトダウン(溶解)」とでも言うべき展開である。“溶解”の名のとおり、これまで機能してきた金融システムが時間をかけて壊れていく=溶けていく過程であり、一時的なマーケットの調整(下落)のような、目に見える短期的なものではない。

「何でも良いから早く“底”が来てくれないか」

そうはやる気持ちを抑えられない読者もいらっしゃることだろう。実際、国内外の大手メディアは、「もうそろそろ底です」と無責任な議論を展開し始めており、「やっぱりするならバリュー投資、長期投資だろう」と具体的な投資戦略まで語り始めている。

しかし、長きにわたってこのコラムを愛読されてきた賢明なる読者の皆様は、きっとこうした議論に、もはや容易に騙されないのではないかと思う。繰り返しになるが、現在生じている状況は、これまでとは全く違い、じっくりと時間をかけて“溶けていく”過程だからだ。もちろんその間、乱高下はある。

今、思い起こすべきことは、1920年代末から数年間にわたって続いた“前回の”金融メルトダウンに他ならないと私は考えている。あの時も、直前まで金融バブルが続き、その後、一斉に崩壊。しかも“溶けていく”かのように3年余りの間、下落が続いたのである。そして、最終的にたどり着いたのは米国のダウ平均株価=41ドル(!)という驚愕の“底”なのであった。それから考えれば、今の水準は米国のみならず、世界中において「まだまだだ」ということが、自ずからお分かりいただけるのではないかと思う。

スイス勢が叫び出した「1,000兆円の損失」こうした状況の中、私が率いる研究所では、今年4月より次のような「予測分析シナリオ」を公表してきた。

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