*参考資料  2009年FACTA 6月号 [天を仰ぐ「野党ボケ」]より



小沢の腹は「大連立狙い」

~世論無視で押し切った代表選の舞台裏。総選挙後を睨み「壊し屋」の逆襲がはじまった。~

新味のない「党の顔」の掛け替えで、民主党は再び政権交代に向け、反転攻勢に打って出ることができるのか。誰もがそれは難しいと感じている。小沢が金権体質を反省したわけでもない。とするなら、呆気ない代表交代劇の本質は、前代表・小沢一郎の党支配体制を温存するプロセスでしかなかったということになろう。言うなれば、党内外の辞任圧力にさらされたトップが、電撃的に「上からのカウンター・クーデター」を仕掛け、まんまと党内を再制圧した、紛れもない党内権力抗争だった。

火の玉になって頑張る

気力十分と見ていい。辞任表明後の小沢である。記者会見の最中から、それは始まっていた。全国紙1面に並んだ政治部長たちの署名記事は、おしなべて「説明責任を果たしていない」という凡庸な批評でお茶を濁したが、ジャーナリストなら「これは小沢の新たな闘争宣言だ」と喝破しなければならなかった。説明責任どころか、「世論に追い込まれて」辞めていく者なら当然に帯びているはずの打ちしおれた陰りがまったくなく、むしろ正反対の気力みなぎる口吻に、大方の意表を突いた辞任表明の本当の目論見を見抜かなければならなかった。「辞めていく者が、その後のことについて論ずるべきではない」。5月11日夕の辞任会見で、小沢はそう言いながら問われもしないうちに自分から「ただし、国民生活への影響を最小限に抑えるために、平成21年度補正予算案の衆議院での審議が終わるのを待ったうえで、速やかに代表選挙を実施してほしい」と言った。わずか5日後の後任選出という流れは、小沢がこの時、一方的に宣言したとおりに取り運ばれた。

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