<日本郵政の不祥事とは>



現在、世間の注目を浴びているのが日本郵政の社長人事である。

西川善文社長の再任を巡り、鳩山総務大臣が日本郵政の一連の不祥事を理由に強く反対していた。ところが意外なことに、更迭されたのは鳩山総務大臣の方であった。



まず不祥事の一つである郵便事業会社の障害者団体向け割引制度の悪用事件を考えてみよう。今のところこの事件には郵便事業会社に加え、厚労省、広告代理店、割引制度の悪用企業などが関わっている。しかし根本は郵便事業会社の割引制度である。この図式は、10年前のDMの大量発送に伴う別後納郵便の割引制度の悪用と全く同じである。

この時に問題になったのは「エンデバー」「郵和」というDM取扱い業者であった。郵便局がこのような不正に手を染めた原因は、収益を上げるためのノルマであった。予算達成のノルマは、地方の郵政局、郵便局、担当課毎に設定された。つまり郵便局同士が競争関係に置かれたのである。

今日、郵政事業が民営化され、さらに収益を上げるよう大きなプレッシャーがかかっている。しかし国民が期待しているのは非効率的な経営の是正による収益アップである。郵政社員への過酷なノルマ課すことまで期待しているのではない。

ましてや割引制度の悪用など考えられない。また利用者への負担増加による収益増加なんてもってのほかである。もしこれらが郵政事業民営化の実態なら、民営化路線を止めさっさと元の形に戻すべきである。障害者団体向け割引制度の悪用事件はおそらく氷山の一角だと思われる。

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