「現在、日本の政治で何が起きているのか」

~小沢一郎氏の狙いはどこにあるのか~



ご存じのように、8月30日に行われた総選挙では民主党が308議席を獲得して歴史的勝利を収めた。社民党や国民新党との連立協議もまとまり、9月16日に鳩山由紀夫政権が誕生。これから、同政権は総選挙に際して公約した「脱・官僚依存=政治主導」に向けて大規模な行政改革に取り組むことになり、また外交政策についてもうまくいくかどうかは別にして米国一辺倒からの軌道修正が図られていくことになる。



まず、対米関係で焦点となるのが、在日米軍再編問題の行方だ。

ここで問題となっているのは、海兵隊のヘリコプター基地である沖縄県の普天間基地のキャンプ・シュワブ沿岸部への移転をめぐるもの。在韓米軍がこの基地に移るにあたり、海兵隊9,000人の移転先として以前には鳩山新首相は県外移転を主張していた経緯があるが、それを他の都道府県が受け入れるはずがないので、グアム島に移すことになった。(鳩山総理は、最近になって沖縄県内の移動の可能性も示唆し始めている。)

この移転にあたり、日本政府はすでに2兆円ほど支払っており、アンダーセン空軍基地以下、住民地区も含めてすべての電力設備を施設し直した。ところが、2月24日に小沢一郎新幹事長が米軍の日本防衛は「第七艦隊で十分」と発言したように、6,500億円もの「思いやり予算」をも含めて民主党はその資金を支払わない姿勢を崩していない。これに対し、米国としては従米政権だった小泉純一郎政権が結んだ協定に基づいて、移転費用をしっかり支払ってくれるかどうかについて図りかねているのが、現在の状況である。

そこで、国務省とは無関係のジョン・ルース駐日大使が新しく赴任したのである。

今、新大使がすでに動き出している。バラク・オバマ政権が打ち出している「グリーン・ニューディール政策」でグリッド(送電線網)や光ファイバーの敷設、環境関連での先端企業の交流を名分に米国から大勢の企業経営者に日本を訪問させる計画を打ち出しており、それに着手し始めた。新大使を選んだのは友人であるオバマ大統領自身であることがはっきりしており、大統領選挙の際にカリフォルニア州で資金を集めていたことに対する“論功行賞”である。

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