元外交官 原田武夫氏のブログより



「米国勢が予告していた動乱という潮目

CIAによる突然の情報公開、日本の伝統的な大手メディアは一切報じていないが、昨年(2009年)1月、米中央情報局(CIA)が突然、ある極秘文書を情報公開した。タイトルは「暴動の分析ガイド(Guide to the Analysis of insurgency)」という。

例によって、突然の“情報公開”が行われた背景は不明だ。またこの文書自体には一体、いつ作成され、また何の目的のものであったのか、一切記されてはいない。ただし公開情報インテリジェンス(OSINT)の世界においては、書かれている内容からして、恐らくは1980年代後半から1990年代前半における冷戦構造崩壊の時代に作成されたのではないかと一般に推測されているようだ。



なぜ突然、このような話を始めたのかというと、米国勢による“情報公開”は日本勢におけるそれと同じように場当たり的で戦略の無いものではないからである。米国勢が“情報公開”を行う時には、必ずその裏側に戦略がある。いくつかのパターンがあるが、例えばこれまでは「親密な関係」にあった国との関係をあえて悪化させ、それによってマーケットに“潮目”を生じさせるといった場合、「親密な関係」の背後で当該国がインテリジェンス・ルートを使って行っていた“悪事”を堂々と暴露したりする。最近では、パキスタンがこの例となったことは記憶に新しい。

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