日本という国の中で、1985年9月のプラザ合意、1989年11月のベルリンの壁の崩壊、その裏で、米中によって行われた日本封じ込めのための中国の通貨、元の大幅切り下げ、いまだにそれらの本質が理解されていないのは、あまりに残念なことである。

冷戦が存在したことによって米国によって事実上、占領されながらも、ある意味保護され、自由主義陣営のショーウインドーの中にその目玉商品として陳列された日本という国の立場が冷戦終了後、全く変わってしまったことをもっと冷徹に国民一人一人が認識すべきであろう。

中国の元は、1980~1994年の間に、何度も切り下げられ、対ドルで累計82.6%の非常に大幅な減価となった。80年にわずか1.5元だった1ドルは、94年には8.7元となった、つまり大幅なドル高・元安となったのである。対円で見ると、80年の1元=151円が94年にはわずか1元=12円となり、92.2%の減価となっている。もちろん、これは自然現象ではない。日本パッシングのための米国の意図した戦略の結果である。そして、このことが、中国経済の急成長=日本製造業の空洞化とユニクロのような産業の隆盛をもたらしたのである。

Continue reading »

© 2011 山本正樹 オフィシャルブログ Suffusion theme by Sayontan Sinha