今回、橋下 徹氏が脚本・演出・主演した大阪ダブル選挙(大阪府知事、大阪市長選11月27日投票)において「大阪維新の会」が圧勝した。「大阪維新の会」、橋下氏が掲げている「大阪都構想」の今日的意味について考えてみたい。

 (まず、福島原発の汚染状況を改めて確認していただきたい。)

 焼却灰のセシウムマップ16都県の一般廃棄物焼却施設における焼却灰の放射性セシウム濃度測定結果より

16都県の一般廃棄物焼却施設における焼却灰の放射性セシウム濃度測定結果 

(環境省、2011824日)をプロットしました。 

*早川由起夫氏のブログより 

purple 紫 30,000-99,999

red        赤  10,000-29,999

orange橙        1,000-9,999

yellow                   100-999

green   緑                     30-99

water   水                       0-29       (飛灰 fly ash  , Bq/kg 

○現在、終息しない福島原発事故により東京の首都機能が危機に晒されている。そのため、郷土の大先輩である村田敬次郎先生が熱心だった「首都機能移転」を再び真剣に考えるべき時代を迎えている。その意味で「大阪都構想」、「中京都構想」に今こそ注目すべきである。 

まずは、*朝日新聞(asahi.com)2011年5月8日より

「首都機能移転論、再燃も 震災受け、揺らぐ東京集中」 

 終息の道筋が見えない原発事故に、やまぬ余震と電力不足で人々の不安は尽きない。本当に東京は大丈夫なのか――。そんな声におされ、すっかり忘れ去られていた「首都機能移転論」も再び語られ始めようとしている。

「東京の水は大丈夫ですか。息子が心配で」。福島の原発事故以降、大学受験の「駿台予備学校」(本部・東京)に親からこんな相談が相次いだ。東京校を敬遠し、大阪や京都校に振り替えた浪人生は十数人にのぼったという。

「北陸や四国の生徒が中心です。この地域は駿台の拠点がなく、ライバルを求めて東京校を選ぶ傾向がある。でも、親は安全なところで勉強に専念させたいのでしょう」(同広報部)。

 別の予備校の関係者は「東京の私大はどこも来春は志願者減になりそうだ。早慶クラスも地方受験を設けるのではないか。これまでのように東京会場オンリーとはいかない」と話す。

 「3・11」以降、東京を絶対視するような考え方が揺らぎ始めている。

  「パンを製造しているが、電力が不安定な東京では商売ができない。大阪に移りたい。資金援助はないか」。大阪府と経済団体が3月15日に設置した経営相談窓口には、こんな電話が殺到した。1日数十件のペースは落ち着いたが、「原発への不安を訴える相談は減っていない」と担当者。

 賃貸マンションのレオパレス21(東京都中野区)は「震災後の新規契約4千件のうち京阪神は2割。埼玉に次いで多いエリアです」(広報室)と明かす。

 外資系企業を中心に本社機能が移る動きが相次いだ関西からは、首都機能の移転や分散を求める声が起きている。首都直下地震への不安から、国家の危機管理こそ急務だと――。

 橋下徹・大阪府知事が「東京がダメなら大阪があると世界に発信すべきだ」と発言すると、経済界も「リスク分散を考えるべきだ」(佐藤茂雄・大阪商工会議所会頭)と応じた。

 首都移転を求める声は関西だけでない。「やはり那須は地震に強い。東北新幹線も那須塩原駅まではほぼ大丈夫だった」と訴えるのは、栃木県の経済人たちだ。同県は国から、首都移転の候補ナンバー1評価を福島県とともに受けている。那須地域はその中心部に当たる。

 今回、被害が軽微だったことから、非常時に首相官邸機能を代行する「キャンプ那須」などの構想実現を改めて国や県に求めるつもりだ。「脱原発よりもっと現実的なテーマ。我々はいつでも議論を再開させる用意がある」(中津正修・県経済同友会副代表幹事)。

 国会や政府内の空気も変わりつつあるようだ。

 菅直人首相は1日の参院予算委員会で「首都の中枢機能を代替できる地域をしっかりと考えておかなければならない」と述べた。

 超党派の「危機管理都市推進議員連盟」(会長・石井一民主党副代表)も4月中旬、「バックアップ都市建設を急ぐべきだ」として、副首都建設に向け法整備を急ぐことで一致した。

 国土交通省の首都機能移転企画課は今夏の組織再編で廃止が内定している。石井氏は同省幹部を呼び出し、こうクギを刺したという。「国会での議論もじきに再開される。廃止でなく、むしろ陣容を強化するべきだ」(中村純)

 *オーストラリアABCニュースより

Japan government prepares plan to flee Tokyo

North Asia correspondent Mark Willacy

Updated August 09, 2011 08:30:28



Updated August 09, 2011 08:30:28



Photo: Fears for the future: a stunned woman stands amongst rubble in Ishimaki city after the earthquake (Yomiuri Shimbun: Reuters)

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Japan is considering the possibility of creating a back-up capital city in case a major natural disaster, like the March 11 earthquake, strikes Tokyo.

A new panel from Japan’s Ministry of Land and Infrastructure will consider the possibility of moving some of Tokyo’s capital functions to another big city, like Osaka.

Japan is located on the junction of four tectonic plates and experiences one-fifth of the world’s strongest earthquakes and geologists have warned Tokyo is particularly vulnerable to powerful earthquakes.

It is feared if a massive earthquake like the March magnitude 9.0 quake struck Tokyo, it could destroy the country’s political and economic base.

 *朝日新聞 2011年7月28日より

「官房長官、副首都構想に前向き姿勢 研究会設立の方向」 

http://www.asahi.com/politics/update/0729/TKY201107280784.html

 枝野幸男官房長官は28日の記者会見で、東京が被災した場合に首都機能を代行する副首都の設置構想について「3月11日以降、官邸で危機管理を担当した経験から体制を改善していく必要がある」と語り、前向きな姿勢を示した。内閣官房の内閣危機管理監を中心に研究会を立ち上げる方向だ。

 副首都については超党派の議員連盟が検討を進めている。また、大阪府の橋下徹知事と東京都の石原慎太郎知事が今月1日、大阪を副首都に位置づける考えで一致した。

(引用終わり)

 

それでは、大阪、名古屋などへの首都機能を移転の背景を考えてみよう。

(1)東京というメガロポリスを支える福島や茨城というインフラが原発事故で破壊された。つまり、福島などの東北地方は、東京が経済活動するためにエネルギー(電力・石油精製)および食糧を供給する重要なインフラであったのだが、そのインフラが放射能で汚染され、機能不全に陥っている。そのため、政府は福島原発を使い済み核燃料の「中間処理場という最終処分場」にしようとしているぐらいだ。福島や茨城といったインフラの代替を、静岡県が果たせるかというとそんな代替は効かないし、静岡県には浜岡原発がある。

そうであるなら、西日本全域を、大阪という新たなメガロポリスを支えるインフラへと改変・改造する方がはるかに現実的である。中京都を補完的に使うことも可能である。

 

(2)東京は、事故が収束していない福島原発に近いので、当然、海外から東京は忌避される。

阪神大震災のとき、神戸港から港湾物流機能がアジア(台湾や上海)に「一時的に」移ると思われたが、一時的ではなく、行ったきりで帰ってくることはなかった。アジアの港湾物流は、神戸港を経由しなくなってしまったのである。

これと同様に、成田空港を経由したら被爆すると外国人は考えるので、国際線は成田空港を中抜きの可能性も出てきている。横浜港も同様だ。そうなる前に日本のプレゼンスを維持すべく、最初から関西をトランジット先にしてもらえばよい。「京都という日本ブランド」を支える都市もあるので、外国人は再び大阪・京都なら訪問してくれるはずである。

 

(3)地震の周期から考えて、やがて東京直下型地震襲ってくる危険性も高い。それまでに首都機能を移転しておかないと、大東京が機能停止することで日本が壊滅的打撃を受ける心配もある。

 

(4)首都機能を移転すれば、大規模な公共土木工事需要が生まれ、デフレギャップに悩む日本経済にとってプラスだ。

 

 ところで、橋下氏は大阪市長への当選後は大阪市を解体して大阪都に移行すると宣言している。いったい何故このような政策を橋下氏は実行しようとしているのだろうか?

その答えは、大阪維新の会が示す大阪都構想の地図にある。

         大阪都20区構想                     面積              人口                     密度
01 都島区  旭区  北区 22.68 305,562 13,473 大阪市           
02 福島区  西区
此花区  港区
33.81 300,907 8,900 大阪市
03 大正区  浪速区
中央区  住之江区
43.45 337,395 7,765 大阪市
04 天王寺区  西成区
阿倍野区
18.14 298,420 16,451 大阪市
05 西淀川区  淀川区
東淀川区
40.13 446,206 11,119 大阪市
06 東成区  城東区
鶴見区
21.13 357,371 16,913 大阪市
07 生野区  平野区 23.68 334,139 14,111 大阪市
08 住吉区  東住吉区 19.09 286,371 15,001 大阪市
09 堺区  西区 52.31 282,487 5,400 堺市
10 中区  南区 58.38 278,327 4,768 堺市
11 東区  北区  美原区 39.30 281,320 7,158 堺市
12 豊中市 36.38 389,359 10,703 特例市
13 吹田市 36.11 355,567 9,847 特例市
14 守口市 12.73 146,554 11,512  
15 八尾市 41.71 268,652 6,441 特例市
16 松原市 16.66 124,400 7,467  
17 大東市 18.27 127,203 6,962  
18 門真市 12.28 130,368 10,616  
19 摂津市 14.87 83,696 5,629  
20 東大阪市 61.81 509,632 8,313 中核市
  大阪都20区 622.92 5,643,936 9,060
  大阪都全域 1,894.31 8,862,896 4,679  




大阪都の意義は、政令指定都市の大阪市・堺市と大阪府の二重行政の弊害を取り除くことにあるとされている。全くその通りだが、同様の二重行政の弊害は京都や神戸などの政令指定都市でも発生している。

おそらく、大阪の弊害が特に問題になっているのは、首都機能の一部を大阪に移転させるに当たって、首都機能の管轄者が知事と市長の二人であるという状況は好ましくないという考え方が根底にあるためだと思われる。同様に名古屋でも中京都構想があり、名古屋にも首都機能の一部が移転されることが望ましいことは言うまでもない。

もちろん、大阪府から大阪都への移行は政府の承認が必要であり、自治体の一存では不可能である。このことは「大阪維新の会」がいずれ国政に関与せざる得ないことを意味している。 

常識的に考えて、大阪で首都機能を移転させるのに最も適した場所は、大阪駅北側の貨物駅跡地である。交通の便は非常に良いと思われる。ここに建設したオフィスビルに霞ヶ関の中央官庁の機能の一部を移転させ、首都圏大災害時の首都機能バックアップ先として空きオフィスも確保しておくのがベストである。そうであるならば、大阪都の特別区は大阪市だけを含めば良いことになる。しかし、現状では大阪都の特別区は大阪市周辺の自治体を含んだ大規模なものとなっている。東大阪市や吹田市などを特別区に再編成することにいったい何の意味があるのだろうか?

もしかすると、大阪空港跡地にも首都機能の一部を移転させる計画があるのかもしれない。大阪空港は豊中市と伊丹市の両方にまたがっている。この豊中市で市長の権限の一部を奪い知事に移転させることが空港跡地への首都機能移転に必要なのだろう。

そして、首都機能移転決定後は、大阪空港跡地の伊丹市部分が大阪都に編入されることになる。

東京・大阪の証券取引所と東京工業品取引所の合流も興味深い。これは大阪で東京の取引をバックアップするシステムであり、首都機能を大阪に部分移転することに他ならないと考えることもできる。

今後、大阪都構想が議論されることによって、「首都機能移転」も議論の俎上に上がることになると思われる。

ところで、わが愛知であるが、これからの愛知県の将来は、名古屋大都市圏と周辺地域の整合性ある発展をどう図っていくかにかかっている。

評論家の増田悦佐氏は、世界の大都市圏の経済規模という大変興味深い指標を独自に作成しているが、それによれば、世界の六大都市圏の中に、日本の大都市圏が三つも入っている。

 ダントツの一位は、東京圏、二位は、ニューヨーク圏、三位は、大阪圏、四位は、ロサンゼルス圏、五位は、ロンドン圏、そして六位が、わが名古屋圏である。また、世界一の日本のエネルギー効率は、大都市圏における人口集中と自動車に過度に依存しない鉄道網を構築してきたことにあるという彼の主張には耳を傾けるべきものがある。

 

その意味で「中京都」構想も、ハードルは高いものだが、少子高齢化社会:人口減少社会を迎えた日本にとって、誠に時代にあった政策であることは間違いない。いわゆる「国土の均衡ある発展」を目指す余裕のあった時代は、残念ながら、終わっている。

たとえば、シンガポールのような人口470万人の都市国家の一人当たりGDPが、日本を遙かに上回っている事実を考えても、日本の真ん中である名古屋大都市圏の今後の政策展開(日本の国富が海外ではなく、国内に向かっていく経済環境づくり)が日本の将来を左右することになる。

首都機能移転にあたっては、世界のトヨタがある名古屋には経済産業省の本省移転ぐらいは求めたいところである。

また、上記の文書を読んでいただけたら、すぐおわかりなるように、中京都構想の最大のネックは、あまりに近くに浜岡原発が立地していることにある。首都機能移転を視野においているなら、橋下氏が脱原発を主張しているのも当然のことである。

いずれにしても郷土の大先輩である村田敬次郎先生が唱えていた「首都機能移転」が思わぬ形で動き出したようである。

 首都機能移転論者だった村田先生と仲の良かった評論家の堺屋太一氏が橋本氏のブレインであるのも偶然だとは思えない。

*来年1月からメタンハイドレートの試掘がようやく渥美半島沖で始まります。

 それに関係する内容です。 

 <時事ドットコムより> 

メタンハイドレート、商用化へ試験=来年初、愛知県沖で-経産省 

 経済産業省は2日、メタンと水の結晶物で、新たなエネルギー源として期待されるメタンハイドレートの開発計画について、愛知県の渥美半島沖の海底で商業化に向けた産出試験に着手することを決めた。来年1~2月に産出用と観測用の井戸を掘削。2012年度に海上へ採取する試掘作業を行う。 

 産出試験を実施するのは、渥美半島沖70~80キロの海域で、水深は約1000メートル。日本海洋掘削(本社東京)が独立行政法人・海洋研究開発機構の掘削船「ちきゅう」を使用し、掘削を行う。(2011/08/02-22:22



  

 

 

 

 

今回も結論から書きます。 

1.本当のことを言えば、日本は資源大国である。領海内の資源開発に専心すれば、長期的に考えれば、鎖国しても生きていくことのできる国である。

  もっとも日本がそのような行動をとったら、ジャパンマネーで回っている「国際社会」と称するものは機能不全に陥るだろう。



<海洋大国日本の地図>



 「日本は、潜在的資源大国である。」このことは世界のエリートたちの常識である。

おそらく、知らないのは一般の日本人だけであろう。元自衛官の岡 俊彦氏がいい論文を書いているので抜粋して紹介させていただく。

「日本の豊かな海を侵略から守れ日本と海~日本は海のサウジアラビア~」より引用)

 海洋資源の恩恵

 我が国の排他的経済水域および大陸棚には、石油や天然ガス、メタンハイドレートなどのエネルギー資源、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊などの鉱物資源、魚介類、未利用生物資源などの食料資源(水産資源)、風力、海・潮流、バイオマスなどの再生可能エネルギーが賦存している。

(1)水産資源

 日本は古くから、最も水産資源に恵まれた国である。水産資源は動物性タンパク質の供給源であり、世界の食用魚介類の供給は年間約1億トンに達し、人類の動物性タンパク質の15~16%を供給している。 しかし近年は急速に水産資源の需要が増大し、2000年には需要に対して400万トンの生産不足が生じた。5年後の2015年には1100万トンが不足するようになると見積もられている。

 背景には、(1)開発途上国の人口増加、経済発展、都市化などにより食生活が多様化したこと、(2)先進国における健康志向の高まり、(3)動物性疾患(鳥インフルエンザ、BSE=牛海綿状脳症など)の突発による食肉国際価格の上昇が考えられる。

 我が国においても国内生産量が減少・停滞し、水産物自給率は60%前後である。年間約300万トン以上、1.6兆円前後の水産物を輸入している。 また、生産量の減少・停滞が産業競争力の低下を招き、それが一層の減少・停滞につながっている状況であり、漁業生産システムの効率化、養殖業の積極的な展開、海洋バイオマスの生産・利用技術の開発が求められている。

(2)エネルギー・鉱物資源

 平成21(2009)年3月の総合海洋政策本部会合において、海底熱水鉱床およびメタンハイドレートについて実用化に向けた探査、技術開発等に係る道筋(ロードマップ)が示された。

 海底熱水鉱床は、海底面から噴出する熱水から金属成分が沈殿してできた多金属硫化物鉱床である。海底熱水鉱床に含まれる主な有価金属は、銅:13%、パラジウム:0.15%、亜鉛:3055%、その他:金、銀である。

 水深5001500メートルの海底に、チムニーと呼ばれる煙突状の地形やマウンドと呼ばれる丘状の地形を形成し、日本近海では小笠原海域や沖縄海域に分布しており、日本の排他的経済水域内で発見されている鉱床数とその鉱量は、世界で群を抜いて第1位である。

 メタンハイドレートは、低温高圧の条件下で水分子にメタン分子(天然ガス)が取り込まれ、氷状になっており、非在来型の化石燃料として将来の実用化が期待されている。日本近海では、南海トラフ海域などに相当量の賦存が見込まれている。

 コバルトリッチクラストは、水深2000~3000メートルの海底の海山山頂付近に賦存し、マンガン:24.7%、銅:0.1%、ニッケル:0.5%、コバルト:0.9%等の有価金属を含んでいる。

 マンガン団塊は、水深5000~6000メートルの海底に賦存し、マンガン:28.8%、銅:1.0%、ニッケル:1.3%、コバルト:0.3%の有価金属を含んでいる。 マンガン団塊は、世界の深海底に5000億トン賦存していると推定される。このうち銅の鉱量は5000億トン×1.0%=50億トンである。世界の陸上銅埋蔵鉱量は5億~10億トンであり、その5倍から10倍の鉱量が海底に賦存しているのである。 また、世界の年間銅鉱石生産量は1544万トン(2007年)であり、マンガン団塊に含まれる銅鉱量は300年分以上の埋蔵量と言える。

このように日本は、海底金属資源大国(海底金属資源のサウジアラビア)と言えるが、これらの海底金属資源を実用化するまでは、多くの技術開発と資金、時間を必要とする。

着実な海底資源開発を目指すべきである。

(引用終わり)

<岡 俊彦プロフィール>

 山口県出身、防衛大学校卒業、1970年自衛隊入隊。88年1等海佐、95年海将補・舞鶴地方総監部幕僚長、2001年海将・補給本部長。2005年に退官。

ところで、興味深い指摘のブログ記事があったので、紹介させていただく。

(以下「新・心に青雲」より編集引用

 メタンハイドレート開発妨害の「事情」

 

 メタンハイドレート(methane hydrate)は、天然ガスが海底で氷になっているものを言う。燃える氷と言われる埋蔵エネルギー資源である。

 メタンガスと水分子が結合してできたシャーベット状の固体物質で、その体積の約200倍ものメタンガスを結晶中に貯蔵しているとされる。海底のほかに凍土にも堆積されている。

 メタンハイドレート(MH)は石油・天然ガスに代わる次世代資源として、今世紀に入ってから注目を浴びるようになった。とりわけ日本周辺の海底には世界でも有数の埋蔵量があると推定され、これが商業ベースで開発されるようになれば、わが国は一気にエネルギー資源大国に躍り出るのはまちがいないと見られている。

 わが国では経済産業省主導で、主に太平洋側(南海トラフ)あたりの海底に眠るメタンハイドレート(MH)を発掘しようとするプロジェクトを税金500億円(10年間)を投入して進めてきた。しかしこの領域のメタンハイドレートは、3000メートルほどの海底のさらに地中に砂とまじって「広く薄く」存在するので、現状ではその砂から取り出す方法がネックとなり、採算ベースにのっていない。

 つまり、これまでの官製の研究はほとんど無駄であった…ということになっている。あるいはそういうことに為政者はしておきたいらしい。

 南海トラフのMHに関しては、以下のサイトが詳しい。

http://www2.plala.or.jp/yamateru/kankyo/atom/metan_1.htm

 しかるに、それとは逆に日本海側の海底で発見されるメタンハイドレートは、比較的浅い海底、もしくはその少し下の地中に、石ころのようにゴロゴロと集中的にかつ固まって見られる。どういうわけかズワイガニがこのメタンハイドレートのある場所に集まってきて、何かを食べているらしい。 日本海のMHはなんと魚群探知機で簡単に見つかる。大掛かりでカネもかかる海底探査装置を使う必要がない。

 わが国はMHの研究開発では世界の先進国だそうで、その研究をされているのが、青山千春博士である。彼女は評論家・青山繁晴氏の奥方である。MHのある海底の位置を魚群探知機で見つける方法は、青山千春氏が見つけ、特許をとっている。

 YouTubeの動画では、チャンネル桜に出演してこのメタンハイドレートについて語ったものがいくつか見られる。

http://www.youtube.com/watch?v=KzX7FTHMr64&feature=relmfu

 青山繁晴氏もメタンハイドレートについて語っている。

http://www.youtube.com/watch?v=t8Jb_7y3tEw&feature=fvst

http://www.youtube.com/watch?v=zG-ku7bXH6Y&feature=related

 石油メジャーもメタンハイドレートに関心を寄せているし、青山氏によればアメリカ、中国、ロシア、韓国、インドなどの国はとうに日本が隠れた資源大国だと認識しているそうだ。

また、そのことを日本政府は知りながら国民に隠し続けている不可思議な国と評価しているというのだ。

そのことを青山繁晴氏は田母神俊雄氏との対談で明かしている。

http://www.youtube.com/watch?v=TtVb_SglvdU

 このチャンネル桜で語られた事実には唖然とさせられる。

 なぜかなら、日本海の無尽蔵とも言えるメタンハイドレートが注目されるようになり、日本がわざわざ海外から高い金を払って天然ガスを輸入しなくてもよくなれば、こんなすばらしいことはないのに、それを喜ばない勢力が日本にはいるというのだから。

 それはどういうことかと言うと、一つにはこれまでのエネルギー資源に関しては利権がまとわりついているからである。近代以降、人類は石炭、石油、天然ガスと埋蔵資源を活用してきたわけだが、そのいずれもがわが国では、財界、官僚、政治家、大学などの利権になっている。

 だから、もしメタンハイドレートが実用化されると、石油や天然ガスの利権を持っている役所や政治家らが困ることになるらしい。だから、いくら日本海に無尽蔵のエネルギー資源が眠っているとわかっていても、予算をつけたくなくて研究開発させないというのだ。

 それともう一つは、日本は先の戦争で敗戦国となったのだから、エネルギー資源を自前で確保してはいけないことになっているというのである。理屈にもなっていない。敗戦国は永遠に戦勝国からエネルギーを恵んでもらわなければいけない! けれど、この言い分には、重要な意図がこめられている。

(※ MHの研究者である東京大学の松本良氏の説明が以下で読める。)

 http://www.ifsa.jp/index.php?21-75 (http://www.bayfm.co.jp/flint/20091025.html

つまりは、「日本には資源がない」ということになっていなければいけないのである。日本に資源があってもらってはむしろ困る、それがわが国の敗戦後の「定め」なのであろう。

 日本のエリート層にとっては、国民にそういう「常識?」を埋め込んでおくことになっている。だからTPPにしてもそうだし、食糧自給率なんて変な数値にしても、様々な(アメリカや中国への)利益供与の口実や、国民へのある意味脅しのように使われている。敢えて言うなら、戦時中のスローガン「欲しがりません、勝つまでは」や「贅沢は敵だ」であろうか。 「資源がないことに耐えよ、金持ちになれると思うな、爪に火をともして勤労に励め、あの石油ショックを世界で真っ先に克服した血のにじむような努力をつねに心がけよ」であろう。私たちはそれしか日本人に生きる道はないとこ子供のころから教え込まれている。

 わが国は「日本には資源がない」と言うことを大前提としたシステムの上に成り立っていて、そういう環境でなければ自らの存在意義を見い出せないようされているのであろうか。

 日本は他国依存(経済も、資源も、軍事も)という観念と実体に適応していなければならぬと日本のエリート層は国民にまた、国際金融資本勢力=石油メジャーも、日本人にそう思わせるようにしている。

 他国に依存しなければ生きられないとは、「常にに大木に寄生するヤドリギのようであり続けよ」である。

 世界のエリート支配層は、無尽蔵な埋蔵エネルギー資源を目の前にしながら、わざわざ他国に依存しなくてはならないようなシステムの下に、日本人を押し込めておかねば、きっと日本人が世界一になってしまうと恐れているのかもしれない。

 日本政府が南海トラフでの効率の悪いメタンハイドレート(MH)開発をやめて、日本海に予算措置を転じれば、あっという間に日本は明治開国以来の悲願である資源大国に躍り出て、世界中のエネルギー資源供給国になってしまう。

 それでは石油メジャーもそれを支配している国際金融資本も、あるいは世界の列強も立場を失ってしまうのだ。

 先日、ナオミ・クライン女史の『ショック・ドクトリン』(岩波書店)を紹介したが、同書にチリのピノチェト政権が反体制側になる可能性のある市民を片端から拷問していき、シカゴ学派の新自由主義経済を導入しやすくした経過が説かれてあった。

 ナオミ・クライン女史は、シカゴ学派のユダヤ人が財界や反動政権と結託して惨事活用型資本主義を実施することで、「国民は混乱し、苦悩し、従順になり、指示を待つようになっていった。皆、退行してしまいました。依存的になり、不安になっていったのです」というチリ人の話を紹介している。

 つまりは、われわれ日本人も「資源がない」「外国が資源を売ってくれなかったら生きていけない」と思わされることで、一種のショック療法を長年受け続けてきたのだ。

 資源小国だと呪縛されてきたから、私たちは世界に対して羊のごとくに従順になり、退行し、依存的になってしまっている。

 メタンハイドレートの開発はこの精神的奴隷状態から脱却する契機になり得る。国民全体で依存体質から脱却できるであろう。 あるいは政府の莫大な借金も、あっという間に解消してしまう。 所得は誰もが今の10倍得られるようになり、教育も無償、医療も無償、介護も無料、新車を1年ごとに乗り換えるなんて贅沢もできてしまう。サラリーマンはみんな残業しなくて済み、夏休みはフランス人みたいに8月まるまるバカンスになる。

 韓国や中国、アメリカはもうすでに着々と手を打ってきているそうだ。韓国が竹島領有を主張し、日本海の故障を東海に変えようと画策しているのは、単なる領土問題ではなく、ひとえに日本海の MHを奪いたいからだという。 尖閣諸島の問題も、実は中国はあの海域のMHを狙っているからだそうだ。

 まずは国民誰もがこの未来のエネルギー源のことを知るようにしなければと思う。

是非、YouTubeの動画で青山氏の話に耳を傾けていただきたい。

 青山千春氏、青山繁晴氏の活躍に期待したい。

ちなみに、埋蔵エネルギーでいえば海水に含まれるウランも、日本にとっては有力な資源であるらしい。海水からさまざまな有効資源が採取できる時代がやってくる。こういう研究が進めば、レアメタルのことで他国に脅されなくても良くなるのだ。

http://www.youtube.com/watch?v=U4ssguJxB3Q&feature=related

 とはいえ、ウラン燃料はどうしても原子力発電になる。われわれは原発がいかに危険かを身をもって知った。だから海水からウランを取り出す方法では未来はあまり明るくない。

 海水からエネルギーを取り出すといえば、「常温核融合」の開発者・荒田吉明大阪大学名誉教授の存在も忘れてはなるまい。

海水からほぼ無尽蔵に取り出せる重水素を使って常温核融合が実験段階で可能になったのである。これは画期的な技術で、実用化されればMHよりも日本の未来を明るくしてくれるであろう。あとは政府が税金を投入して実用化を図ればいいだけのことなのだ。

 ところがこれもマスゴミも、官庁も、研究者どももみんなで無視なのである。「トンデモ説」などと言って妨害する輩までいる。

(引用 終わり)

日本のエリートは8年前にも同様のことをやっていた事実がある。以下。

*ネバダエコノミストレポートより(2003年6月1日・15日号より)

「幻の世界有数の資源国が・・・」

 

日本は、世界有数の資源国になるはずだったのですが、官僚のサボタージュで幻になりかけています。

日本が資源国?何を寝ぼけているのか!とご指摘を受けるかも知れませんが、実は、日本にはまだ開発されていないとんでもない資源が眠っているのです。

 『メタンハイドレート』

  3年前に石油公団は、採取に成功しており、日本の天然ガス使用量の100年分の埋蔵量があると言われている夢の資源なのです。

ところが、ここでとんでもない事態が起こりました。やや話が専門的になりますが、可能な限り分かりやすく解説させて頂きますので、じっくりお読みください。

 日本は、ご存知の通り周りを海で囲まれていますが、この海には、今まで人類が手をつけてなかった膨大な資源が眠っていることは、余り知られていません。 金、銀、コバルト、マンガンという数十兆円にも及ぶ膨大な資源が、日本の周りの大陸棚に眠っているのです。既に、海洋調査でこの調査は終わっています。

この資源を採掘するだけで、日本は世界一の資源国になる可能性があるのです。 しかも、上記の『メタンハイドレート』は、夢の天然ガスといわれており、日本近海には7.4兆立方メートルという、日本の天然ガス使用量の100年分以上があると推

計されています。 これで、燃料・貴金属全て日本が手にすることが出来、日本は世界一の資源国になる『筈』だったのです。

 ところが、ここで大きな誤算が出てきたのです。

日本が妄信しています≪国連≫が、『日本が資源国になるような事はまかりならん』、とこの大陸棚の開発に邪魔をいれてきたのです。

 具体的にご説明させて頂きます。

1982年に国連海洋法条約が採択された後、規定に従い、日本の『海上保安庁』が20年に亘る調査を続け、日本は現在の日本の国土の1.7倍にも亘る<新大陸棚>を日本のものと主張できることになったのです。

 そして、この大陸棚には、膨大な資源が眠っていることが確認されたのです。ところが、ここで突如、国連(専門委員会)がこのように言ってきたのです。

『大陸棚の確定には、今までの規定の調査では不十分であり、より詳細のデータが必要である』と。今から4年前のことです。国連の中に、日本が資源国になることを妨害する勢力が居たのです。民間ならこの突然のルール変更には猛然と反発し、そして全ての力を振り絞って、新しい規定に従って、調査を行う筈です。

日本人には、その力が備わっているのです。

 日本が力をつけてきたスポーツ(ジャンプ等)で、突然のルール変更がありましても、日本人は、歯を食いしばって何とか克服し、世界に対抗し続けています。 この精神力・実行力が、日本人の素晴らしいところでもあり、外国人が恐れることでもあるのです。

 しかしながら、官僚になりますと、この力は全くありません。

現場の係官達は、素晴らしい仕事をしています。調査を担当しています『海上保安庁』は、荒波の中、今までで延べ地球を18周するほどの膨大な調査を行い、見事な仕事をなし遂げています。

 ところが、この作業を指揮する<官僚>達が、見事なサボタージュに入ったのです。

国連がこのような難題を吹きかけてきた事に対して、日本の国連代表部は一体何をしてきたのか?

 日本の権益・国益を守る為に、当時の国連代表部は一体何をしてきたのか? また、この突然の変更が決まった後に、日本政府は、どのような対応をしたのか?

調べれば調べるほど、不思議な対応が取られています。

 上記の新しい規定に従った精密データの提出期限は6年後に迫っています。 ところが、この精密データの収集には、『海上保安庁』が保有する調査船では、対応しきれないのです。では、この調査船が日本にはないか?となれば、実はちゃんとあるのです。文部科学省所管の「海洋科学技術センター」には、世界一の技術を持つ調査船があるのです。

 ところが、“遊び”に使われており、海上保安庁には『貸せない』、となっています。 また、経済産業省所轄の「金属鉱業事業団」には、世界有数の海底資源探査船がありますが、これも、『既に予約でほぼ一杯』、となっており使用が事実上不可能になっています。

 事は国の将来を左右する重大なことなのです。それを、目先の事しか考えない官僚達が、妨害しているのです。

 小泉総理は、国家を挙げて、この対策に取り組むべきだと言えます。海上保安庁の大陸棚調査室を、総理直轄にして、最大の権限を与え、予算も無制限に付け、民間の力も結集して、この6年後の期限に間に合わすように、全力を尽くすべきです。

 何も何兆円も掛かる事業ではありません。数千億円もあれば十分足りるはずです。 ここで、官僚のサボタージュで全てを失うことになれば、日本は永遠に浮かぶことが出来ない島国になってしまいます。

 米国を始め、世界各国は、日本のこの『資源』を虎視眈々と狙っています。今後も、色々な妨害があるでしょう。

日本復活の鍵は、この海洋資源の開発が出来る6年後から始まるかも知れませんが、それまでに、権益が全て外国に握られ、日本はおこぼれ頂戴というのでは、担当した官僚・政治家は、万死に値します。

 今、日本は重大な岐路に立たされていると言えます。

(引用 終わり)                                                                              燃えるメタンハイドレート



1.現在の日本には本当の意味で「報道の自由」はないし、「ジャーナリズム精神」というものも幻想になりつつある。もっとも資本主義社会におけるマスコミの限界は世界共通である。 

<解 説>

 1880年、『ニューヨーク・タイムズ』紙の著名な記者であったジョン・スウィントンが、ニューヨークプレスクラブのパーティにおいて「報道の自由」に乾杯がなされたことに対して行った辛口のスピーチを以下に紹介する。

(以下引用)

「世界の歴史における今日のアメリカにおいて、報道の自由などというものは存在しない。あなたはそれを知っているし、私も知っている。あなた方のうち、誰一人として正直な意見を書けるものはいないし、もし書いたとしても、それが決して新聞に載ることはないことを知っている。私は私の正直な意見を新聞に書かないことで給料をもらっている。あなたがたも同じことをして給料を得ている。もし正直な意見を書こうなどという、愚かな考えを持つ者がいれば、すぐに失職して別の仕事を探さなければならないだろう。

 もし私の正直な意見が新聞に掲載されようものなら、24時間以内に、私はくびになるだろう。ジャーナリストの仕事は、真実を壊し、公然と嘘をつくことであり、判断を誤らせ、中傷し、富の邪神の足元にへつらい、自分の国も国民をも、日々の糧のために売り渡すことである。あなたはこれを知っているし、私も知っている。報道の自由に乾杯など、どんなにばかげたことか。

 我々は金持ちたちの舞台裏の道具であり、召使だ。我々は操り人形で、彼らが糸を引き、我々が踊る。我々の才能も可能性も命も、他の人間の道具なのである。我々は知性の売春婦なのだ。」

  (出所:Labor’s Untold Story, by Richard O.Boyer and Herbert M. Morais, Published by United Electrical, Radio&Machine Workers of America, NY 1955/1979) 

  

ところで、ジャーナリズムの目的とは何だろう。

マスコミ人が常々言っている「真実を伝えること」とは本当だろうか。311以後の原発報道等を見てかなり怪しいと感じている日本人が多くなっているのではないだろうか。

 ここまで、不可思議な報道を大手マスコミが行っている現状では、心ある人が、いろいろな関わり合いの中で、得ている本当の情報を多くの人に知ってもらう努力をすべき時代に入ったと考えるべきではないだろうか。

残念ながら現在、大手マスコミが今行なっているのは、情報隠蔽と情報操作と情報誘導と歪曲・矮小と言っても過言ではない状況にある。

 たとえば、全国で地方都市の商店街の衰退が続いているが、マスコミ(NHK、民放テレビ局、新聞各紙)は商店主の頑張りや行政の梃子入れで客を取り戻したわずかな成功事例、もしくはコンサルがでっち上げた偽りの成功例を紹介してお茶を濁している。

大元は、米国の圧力で決めた大店法の廃止、規制緩和にあったのではないか。日本人のための、今日的な地域コミュティーのための大店法のあり方を日本のマスコミが紙面で論じたことがあっただろうか。

 現在、地方の医師不足が深刻だが、この原因は医局制の廃止と診療報酬のマイナス改定によってもたらされたものである。しかし、日本のマスコミはこのことには、絶対に触れず、医師の増員を説く専門家の話と、創意工夫で乗り切る地域の涙ぐましい努力を紹介するだけで本質に迫ることはない。

 一頃盛んに言われた「限界集落」の問題についても、農水省の統計によれば、前回の調査から全国で500の集落が消失し、全国の過疎地比率は50パーセントを超えた。

2000年の農地法改正が離農に拍車を掛けた形だが、食管法廃止に始まる農業自由化と関係づける報道を見たことがない。マスコミは、農水省の後援も得て、大規模化と法人化による成功事例を紹介するばかりである。現在、放射線による汚染で海外では日本の農産物の多くは輸入禁止になっている。TPP論議において、いまだに高付加価値の日本の農産物の輸出を主張している強者がマスコミに出てきている。ここまでくるとブラックジョークの世界に近い。

 2007年5月に新会社法が施行された。外国株対価の合併を認め、外資による国内企業の買収を円滑にする三角合併の解禁が盛り込まれている。しかしマスコミは、「一円から会社が設立できるようになった」「企業の社会的責任を重視する世論に応えた」と礼賛してきて、先進国の中で一人株価が低迷していた日本にとって如何に不利な取り決めかを一切解説しなかった。

余剰弁護士を抱える米国は、わが国を「リーガルマーケット」にするため司法制度改革を要求してきた。しかし、日本のマスコミは「日本は弁護士が足りない」「裁判を身近に」とその宣伝に努めてきた。改革が持つ本当の意味に触れず、新試験の合格率が目標を下回ったことや不合格者の進路などをわざと本質を外した問題を書いている。

 郵政民営化で、わが国は国債売却による金融システム崩壊の危機リスクを抱えることになった。しかし、マスコミは「郵政選挙」で国益擁護派議員を「抵抗勢力」とたたき、“刺客”を「小泉チルドレン」と持ち上げた。郵政公社職員の給与に一切税金は使われていないのに、「公務員10万人を減らせる」との小泉前首相のデマを一生懸命宣伝していた。

 また、民営化ブームに乗って、道路公団の赤字体質を宣伝し、民営化に追いやった。しかし、公団は、一貫した黒字経営で、償還準備金を12兆円も積み立て無料化寸前だったことをマスコミは報道しただろうか。(つまり、焼け太りの民営化だったことをご存じだろうか?)

 また、「社会保険庁の解体」を招いたのは年金納付率の低下が非難されてのことだったが、2002年に徴収業務を市町村から引き上げたことをどのマスコミも伝えていない。米国は、公的年金を運用受託する米国の金融機関が運用先の日本企業で株主権限を行使(委任投票)できるよう求めてきた。年金記録のずさん管理が大報道された末に出てきたのは、ICチップを使って個人情報を一元管理する「社会保障カード」の導入であった。米国はこの数年、日本に無線ICチップの導入も求めている。

これらの改革はすべて、毎年米国から出される『年次改革要望書』に明記されているが、奇妙なことにどの新聞もこの文書をまともに取り上げ、詳細な解説したことがない。

 また、教育市場の開放も『日米投資イニシアティブ報告書』にもある通り米国の要求なのに、いじめや未履修の問題を騒ぎ立て、参入の障壁となる教育委員会を批判することだけを意図的に行っている。

 

大手菓子メーカーの不二家は、内部告発によって期限切れの材料を使ったと連日報じられたため、販売休止に追い込まれた。インサイダー情報を得たある外資系証券会社は事件前に不二家株を大量取得し、空売りして大儲けをしていた。そして、本社の土地と建物は、見事に米シティーグループのものになった。

 竹中平蔵氏らの「りそな銀行」等のインサイダー疑惑を指摘していた植草一秀元教授の痴漢容疑は、裁判で無実を決定づける証言が出てきた。起訴状で犯行があったとされる時間帯に植草氏が何もしてなかったことを、7月4日の公判で目撃者が明かしたのである。しかし、どのマスコミもこのことに触れず、「大した証言は出てこなかった」と切り捨てている。

 もちろん、マスコミをめぐっては、記者クラブ制度や再販制度、広告、電波の許認可制、テレビ局が払っている電波使用料などさまざまな制約があるから、記者が無意識でも「長いものには巻かれろ」として動いてしまうことになってしまうのも仕方がないのかもしれない。

ところで、、わが国の場合、1990年以降、電通を中心としてマスコミを支配する「金持ち」は外国の資本家であり、さらにわが国の政府は、彼らが牛耳る米国の意向を100%聞くことを戦後一貫して基本戦略にしている。

そのため、わが国におけるジャーナリズムの目的とは、真実を隠し、外国による支配を円滑にすることに残念ながら繋がってしまっている状況である。

そのために今、日本は大変な隠蔽社会になってしまっている

米国が日本経済の強さを容認していた冷戦時代はそれでもよかったのかもしれない。

しかし、1980年代後半から米国の「日本封じ込め戦略」によってどんどん日本の国力が削がれていき、それが極端なまでの経済のグローバル化と重なると、日本政治の劣化が際立ってくるとともに限界が見えてきた。政治力が必要なときに政治がまったく役に立たず、むしろ事態を混乱させ、増長させているからである。もちろん。米国の言うことを100%聞くことが善だという戦後一貫して続く官僚の意識にも大きな問題がある。

2011年の現在、東日本大震災と原発事故の惨状を見て、もはや多くの心ある日本人は日本の「中枢機能の崩壊」に近いものを感じているのではないのか。

政治家・官僚・大企業が責任を果たしていないという声は水面下では、今までもずっとあったが、それが一気に噴出したのが311の福島原発事故以降である。

現在、日本でも多くのデモが起きていて国民が明確に政治や企業やメディアに対して批判の声を強めている。脱原発デモ・韓国偏向批判デモ・TPPデモと立て続けに起きているのを見ても分かるが、国益を考えない権力層の現実に気がついた市民が毅然としてノーを突きつけ始めたようである。たしかにそれはまだ大きなうねりにはなっていない。なぜならば、批判されているなかにメディアも含まれていて、メディアは自分たちが批判されているデモ等を一切報道したくないからである。

フジテレビに対するデモが行われたが、これはフジテレビが執拗な韓国崇拝?を報道し続けることによる反発として生まれてきたデモだった。フジテレビが報道しないのは自己防衛だから分かるが、それを他のテレビ局も報道しない。考えてみれば、他のテレビ局にとってはフジテレビとの競争に勝つ好機なのにまったく動かない。メディアに競争原理が働いていないのだ。要するに日本は、悪い意味での「仲良しクラブによる隠蔽社会」になってしまっているのである。

それでは現在、日本はどんな課題を抱えているのか?

日本は今までどんな大きな問題が起きても、それをすべて「先延ばし」にして「後は野となれ山となれ」で処理してきたように見える。見て見ぬ振りをしてやり過ごそうとしてきたのかもしれない。要するに「事なかれ主義」だったのだ。日本のすべての問題がこの事なかれ主義によって深刻化してしまっている。

官僚・政治家は、大きな問題に取り組む前に選挙や自身の出世を考え、問題を回避することを常に選択してきたようである。

解決すべき問題が発生しているのにもかかわらず、それを避けたり、あるいは見て見ぬふりをしたりして、係わり合いになるのを避け、決断をすることなく問題を放置してきたのである。問題から逃げると問題はさらに大きくなる。なぜなら、問題は先送りにしても問題は消えてなくなるものではないからだ。

ギリシャの金融危機を見ても分かる通り、問題を先送りにすればするほど、どんどんこじれて最終的にはそれが「致命傷」になっていく。ユーロはギリシャという小さな国の債務問題を放置して議論はすれども結論は先延ばししてきた。そのツケが回って、いまやユーロ圏が瓦解するのではないかと言われるほどのダメージに陥っている。

深刻な問題は事なかれ主義で対処してはいけないのである。

日本が直面している数々の問題

 それでは、具体的に日本は今、何を「事なかれ主義」で放置しているのか。

・国家主権問題(米国隷属からの脱却)

・国防(自衛隊・憲法9条・沖縄・米軍基地問題)問題

・政治力低下問題、官僚の無責任体制

・検察・官僚・行政制度の金属疲労、腐蝕

・デフレ経済からの脱却

・地方経済崩壊問題(地方分権:財政を渡すことができるか)

・財政問題(累積債務の処理の仕方)

・放射能汚染・原発問題

・中国・韓国・北朝鮮・ロシアとの外交

・TPP問題(米国のブロック経済に飲み込まれるかの瀬戸際)

・食料自給率問題(世界の食糧危機への対応)

・高齢化・少子化問題

・格差問題

・年金破綻問題

・教育崩壊問題

・経団連・経営者の質の劣化問題

・メディア・報道への不信問題

 これらの大きな課題を、日本人はずっと「先延ばし」してきており、それらの間隙を諸外国に突かれ、国益の損失に繋がっている。

放射能汚染ひとつ取っても、これを隠蔽したり、放置したり、数値をごまかしていたりすると、将来にどれだけの禍根を残すのか、現在の政治家・官僚たちは真摯に考えたことがあるのだろうか。我々日本人の遺伝子が傷つき、今の子供たちが健康を害し、産まれてくる子供たちに先天的な遺伝子欠陥があったときに、誰が責任を取るのだろうか。

このような状況下では、どうしてもこれからは、自分で考えて自分で行動することが求められている。そのために必要なのが「本当の情報」である。しかしながら、今のマスコミには全く期待できない。

 みんなが淡々と忙しく日常生活を送っているから、何もしなくてもいいと思うことも根本的に間違っている。災害が起きたとき、頭を働かせないでみんなと同じ行動を取る人が多いが、それは他人に判断力を預けているのと同じだ。

「みんなが逃げないから逃げなくても大丈夫だ」

「みんなが大丈夫だと言っているから、大丈夫だ」

「みんなが走っているから、自分も走ろう」

スマトラ沖大地震のときも、津波が来ると思った人たちは速やかに海岸沿いから離れるか高いところに避難した。しかし、逃げている人たちを笑い、「逃げなくても大丈夫だ」とイスに座って海を見ていた人も大勢いた。「みんなが大丈夫と言っているから大丈夫だ」というわけだ。2004年12月26日の大地震・大津波で亡くなった人は20万人。この中で、最初から必死で逃げていれば助かった人たちも多い。大丈夫だとのんびりしている人たちを見て、自分ものんびりして、やっぱり駄目だった人も相当数いるのである。

他人と同じようにしていれば助かるというのは幻想だ。自分が逃げたほうがいいと思えば、他人と同調していないで逃げておくほうが素直でいい。

 

その意味で、本当の情報を共有するネットワークづくりをすることを一人一人が求められている時代に入ったと言えよう。そしてそう言った人たちがより大きなネットワークを創り上げて地域社会からその輪を拡げていく必要がある。本当の情報を共有するネットワークが地域社会に根ざせば、百人力である。



  昨年あたりからウィキリークスの情報が日本を含めた世界のマスコミを賑わし、実際に世界情勢を動かしている。「ジャスミン革命」もその一つであろう。

NHKのクローズアップ現代で「機密告発サイト・ウィキリークスの衝撃」が2010年11月4日に放送されたのでこの番組を視聴された方も多いのではないか。

そして311以後、日本に関するウィキリークス情報がいよいよ公になりつつある。

たとえば、ウィキリークスから提供を受けた朝日新聞が下記のような情報を公開している。

(以下引用)2011年5月4日

「米軍グアム移転費水増し 日本の負担軽減装う 流出公電」

 

米両政府が在沖縄米海兵隊のグアム移転について合意した2006年春のロードマップ(行程表)で、米政府が、関連費用の総額を水増しして日本側の負担割合を見かけ上減らし、日本政府も08年に追認していた。海兵隊の移転人数については、削減をアピールしやすいよう実態より多い数字を挙げていた。

約25万点の米外交公電を入手した内部告発サイト「ウィキリークス」から、朝日新聞が日本関係の公電約7千点の提供を受け、分析する過程で判明した。

海兵隊のグアム移転は、在日米軍再編の中で、沖縄・普天間飛行場の移設と一体となった形で進められる計画。普天間移設は地元の根強い反対で決着しておらず、再編計画全体の数字の粉飾が米公電に明記されていたことで、反発が強まることは必至だ。

 

問題の公電は08年12月、在日米大使館から国務省あて。日米両政府は当時、06年5月に両国がまとめたロードマップに基づき、具体的な資金負担の進め方などを決める「グアム移転協定」の交渉をしていた。公電は暫定合意の妥結を報告、経緯を詳述している。

公電によると、ロードマップ作成時に日米の負担額を決める際、米側が「実際は必要ではない」軍用道路の建設費10億ドルを再編費用に盛りこんだ。08年の交渉では米側が、軍用道路を盛りこんだのは総額を増やすことで日本側の負担比率を相対的に低く見せることが目的だったと説明し、日本政府もその点を了承した。

92億ドルだった総額を10億ドル増やすことで、3分の2だった日本側の負担比率が60%を切るように操作していたことになる。06年当時は負担割合をめぐって日米間で激しい駆け引きが行われており、日本側が受け入れやすくするための措置だったとみられる。実際には軍用道路も含めて、グアム移転全体が進んでいない。

移転対象の海兵隊員8千人と家族9千人についても、公電は「日本での政治的効果を上げるため」実数を水増しした、と記した。

沖縄の海兵隊は1万8千人が定数で、うち8千人が移転するというのが公式説明だった。だが公電によると、実際には沖縄の海兵隊は06年時点で「1万3千人水準」だった。これに対応する移転の実数が、8千人を下回るのは確実だ。

これまでも、沖縄県などが実数は約1万2千人だけだと指摘。「ロードマップによる移転でこれだけ負担が減る」とされた人数は誇大と批判してきた。国会でも取り上げられてきたが、日本政府は確認を拒んできた。

 今回、沖縄県などが指摘していた実態に近い数が米外交公電に記されていたことがわかったことで、その疑念が裏付けられた形だ。



*ウィキリークスウオッチジャーパンより

2011年2月22日火曜日

「東京公電2010年:日本企業によるイランとのウラン取引疑惑

 

要件:イランとのウラン取引の可能性について、日本への調査要請

代理EMIN(恐らくEconomic Minister Counselorの略 経済担当公使)は外務省、軍縮不拡散・科学部の中島明彦氏に1月4日、外交政策に関するメッセージを渡した。

そして、カザフスタン政府とのアスタナでの議論についての詳細には立ち入らずEMINは12月30日付のカザフスタン政府による公式表明のコピーを彼に渡すことにより、この問題についてのカザフスタン側の断固とした否定について知らせた。



中島氏はこの情報について感謝の念を表して、外務省はこの取引について調査をするとのことで、経済産業省にも相談してみると言った。

さらに彼はアメリカ政府がこの問題について、取引の状態や出荷予定日などのさらに詳しい情報を提供できないかと聞いてきた。

中島氏によると、日本政府はイランの天然ウランがもうすぐに底をつくというのを知っていて、イランが他の入手元を探すものと考えていた。今後、この種の取引について警戒し続ける必要性があると彼は提案した。

だが、一旦日本の企業がこの問題に関与している可能性について気が付くと、安全保障貿易国際室長の高畠昌明氏は速やかに調査を開始すると言った。 

彼が言うには彼の部署はこの問題に関連しているこれらの企業については余り詳しく知らないとのことで、そのため経済産業省の原子力部門と協力してこの問題に取り組むとし、恐らくこの部門はすでに今回必要とされている情報を持っているであろうとのこと。

(原文:http://www.xs4all.nl/~aebr/wl/aftenposten/10TOKYO11.html



「東京公電:電力会社や経済産業省による原子力についての隠蔽

 

 アメリカで学び、働いた経験のある河野太郎氏は優れた英語会話力を持ち、農業、原子力、外交問題に興味があり、大使館との頻繁な接触を保っている。

 彼は日本の原子力産業に対して強い反対を表明しており、核燃料の再処理化に関してはコスト面や、安全面、また警備などの問題を上げて特に反対している。

 河野氏の主張によると日本の電力会社は原子力に関するコストや安全問題を隠しながら、核燃料の再処理を「ウランのリサイクル」との名で日本世論に上手く売り込んでいるとした。

 電力会社の影響力について河野氏によると、日本のテレビ局は核問題について3部にわたるインタビューを彼と行う予定であったが、最初のインタビュー後に取りやめを決定し、その理由は電力会社が主要なスポンサーを取りやめると脅しをかけたためであるという。

 河野氏によると、実は北海道電力網と本州の電力網間には使用されていない接続ラインが存在していて、電力会社によって非特定の非常時のために備えられているという。

  また彼は経済産業省による原子力事故の隠ぺいについて非難しており、これは原子力産業の実際のコストと問題をあいまいにしていると言った。

 河野氏は放射性廃棄物の保管問題についても言及し、日本は非一時的な高レベル放射性廃棄物保管場所はなく、それがゆえに保管問題に対しての解決策をまったくといって持っていないとした。

 そして日本の頻繁な地震活動や豊富な地下水などを理由として上げて、火山の国である日本に放射性廃棄物を貯蔵する上で本当に安全な場所など存在するのであろうかという疑問を上げた。また六ヶ所村は高レベル放射性廃棄物において一時的な保管場所という意図で計画されていたと付け加えた。

 (原文:http://213.251.145.96/cable/2008/10/08TOKYO2993.html

(引用終わり)

 ちょっと垣間見るだけでも如何に興味深い情報か、おわかりいただけるのではないだろうか。

 ところで、このウィキリークスについて日本の元外交官二人が対照的な見方をしている。まず、はじめに天木直人氏の考え方を紹介する。

*天木直人氏のブログより(引用始め)

20111026

「米国のウィキリークス潰しとアサンジュの反骨魂」

 ウィキリークスウォッチャーである私には、このニュースは見逃せない。ウィキリークス代表のアサンジュ氏が24日声明を発し、資金不足のため米外交公電の公開を停止する、と表明したという。

 資金不足に追い込まれた理由は米国が資金源を断ったからだ。数千万ドル(数十億円)の寄付金が入らなくなくなったからだ。クレジットカードやネット決済による資金集めの手段が打ち切られたからだ。

 米国がテロ対策や金融制裁に使う常套手段だ。どこまでも卑劣な米国だ。資本主義の世の中ではカネの流れを止めるのが最強の弾圧手段である。北朝鮮を締め上げ、ヤクザの活動を封じ、そして今度はウィキリークス潰しである。

 米国にとっては、アサンジュ氏はテロやヤクザに劣らない外敵であるということだ。

さすがのアサンジュ氏も活動を停止せざるを得なかった。しかし記者会見でアサンジュ氏は明言したという。

 公開停止は口座閉鎖に対抗するためだ。今後は資金集めに集中する。必ず米外交公電の公開は再開する。米国の卑劣な圧力に屈しない、と。

 私はここにアサンジュ氏の真骨頂を見る。反骨魂をみる。

 米国の不正義に、姿を見せてここまで挑戦する一人の人間を私は見た事がない。

私は繰り返し書いてきた。アサンジュ氏の言動をどう評価するかによってその人間の本質が分かる、と。

 権力側に立つか、権力の犠牲になった弱者の側に立つか、そのリトマス試験紙である、と。

 米国はアサンジュ氏に勝つことはできないだろう。米国がアサンジュ氏に勝つためには不正義を止めるしかない。不正義がなくなればその瞬間にアサンジュ氏の活動は終わる。

 私はアサンジュ氏の側に立つ。(引用終わり)



もう一人の元外交官が原田武夫氏である。天木氏の「人のよい日本人」らしい素直な意見と趣が違う欧米基準?の「人の悪い見方」を原田氏はしている。そんな彼の新著「アメリカ秘密公電漏洩事件 ウィキリークスという対日最終戦争」からそのユニークな分析を今回は紹介させていただく。

 2011年9月2日、ウィキリークスは入手したアメリカ外交公電25万1287本すべてを、なぜか一気にサイトで暴露しはじめた。「資金難」を理由に現在閉鎖中。

ところで、9月2日とは、日本で野田佳彦内閣が誕生した日である。

単なる偶然だろうか。もちろん、暴露された中には5697本もの東京・アメリカ大使館発の秘密公電が含まれている。この日本関連の公電を、「対米論で最も危険な日本人の一人?」とアメリカに評価されている元外交官 ・原田武夫氏がすべて読破し、世界の中枢で進行する大きな構図を推理していく。大変興味深い。



○以前のレポートでも紹介したように米国は不可思議なことに、東日本大震災が起こることを予測していたかのようなのである。なぜ米国は震災前から「死活的利益」として、日本のヨウ素鉱山などに着目していたのか。また、日本の重電メーカーの水力発   電、火力発電のタービン技術に注目していたのか。



○日本の政治リーダーは「親米派」で固められるようにコントロールされていることが、公電からはっきり読み取ることができる。



○「アラブの春」「Facebook革命」は、仕組まれたデキレース? 中東の独裁者は欧米にとって用済みになって捨てられただけなのか。



○いま世界中で起きている異常気象、特にヨーロッパの寒冷化による将来的な民族大移動に備えて中東の民主化という策を欧米は弄している? 以前のレポートで紹介したペンタゴンレポート(An Abrupt Climate Change Scenario and Its Implication for United States National Security”(急激な気候変動とそれが米国国防に持つ意味)が大きな意味を持っていることがわかるのである。

そしていよいよ世界最大の債権国である日本マネーが簒奪される最終ステージに入る? ウィキリークスですら、そのために利用されているかもしれない。



 <本書の内容>

 ・震災で日本がどうなるか知っていたアメリカ

・アメリカが着目した日本の「死活的利益」

・金融メルトダウンの真っただ中にリークが起きた謎

・情報工作機関同士の暗闇

・日本人外交官が世論操作を手引き

・「ニューヨーク・タイムズ」が斎木元局長を狙い撃ち

・アメリカがしてやったりの民主党“親米”政権

・捨てられる独裁者たち

・オバマが仕掛けた「体制転覆」の罠

・絶妙のタイミングで拡散される「不都合な真実」

・オバマの狙いはイスラエルの暴発?

・「寒冷化」がヨーロッパを動かす

・「変えられなければならない」中東・北アフリカ

・アメリカの日本マネー簒奪史

・自作自演の「秘密公電漏洩」

・史上空前の日本バブルが来る?

・野田政権誕生直後に全文公開の意図

 



昨年11月末から突如としてアメリカ秘密公電をリークし始めて一斉を風靡したウィキリークス。いまだにその実態は謎に包まれている。

 その一方で欧州を中心に「政府が持つ情報の全面開示」を求める動きが世界を席巻しつつある。Open Government Data、略して「OGD」という考え方である。

ドイツ・ベルリンではこれを強く掲げる「海賊党」がいよいよ大量の議席を獲得。かつて平和運動と脱原発を掲げて登場した緑の党のデ・ジャ・ヴが見え隠れしている。

フェイスブックといったソーシャル・メディアは単なる「社交ツール」などでは決してなく、一国の社会を完全に転覆するためのツールとして拡散されている情報兵器という一面を持っていることを原田氏は鋭く指摘している。

 

そしてその大きなターゲットの一つが世界一の債権国である日本だと原田氏は分析しているのである。



よくできた推理小説の一つとして一読をおすすめしたい。

地元の鈴木明子選手は笑顔を絶やさない演技で見事優勝!「やったね!」
そして浅田真央選手はトリプルアクセル(3A)は回避したものの5種類のトリプルジャンプを全て取り入れ、まさに「愛の夢」の世界を作り出した素晴らしい演技で銀メダル。

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