*米国のペンタゴンレポート2003年の衝撃の中身を紹介させていただくことにしました。
現在、太陽の活動が異常な状態になってきており、専門家は「異常な事態であり、このような現象は観測されたことがない」として警戒を呼び掛けている。その警戒とは地球の「寒冷化」である。
現在、地球は温暖化などしておらず、小氷河期に向かっており、地球にやさしい環境など、環境団体や温暖化ビジネス団体が喜ぶだけの話であり、今やこの温暖化ビジネスモデルが破たんし、世界中のマスコミで、「温暖化」などという表現を使うところは、日本ぐらいしかない。一生懸命、官民協力して本当に二酸化炭素排出を減らそうとしている国も、不思議の国:日本だけである。
その日本でも最近は「温暖化」という言葉を使わずに
「地球環境の変化」という言い方に微妙に変わってきている。この変化を知らない一般国民は「温暖化」・「地球環境に優しいエコ」という言い方をさせられている。
日本の太陽観測衛星の「ひので」が太陽の北極域の磁場の変化が異例の様相を示していることを観測し、このような変化後には、『地球が寒冷化することが知られている』とされ、研究チームの常田国立天文台教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話しており、今後地球が本格的に寒冷化に向かい、とんでもない気温に吃驚するのかも知れない。
8月はじめというのに、紅葉がパリで始まっていたり、南仏のニースでは夏まっさかりでありながら、気温が30度にいかない、ロンドンでは12度位しかなく、ウインドブレーカーが必要だったとか、アイルランドでも日本の女性タレントが7月だというのに日本の晩秋のような服装で現地を紹介する番組を放送していたりと、あり得ない夏を経験しているが、更に進めば、夏でも雪が降るとか、冬はマイナス30度を下回る気温を東京でも観測するとかという厳寒を観測するような事態が訪れるかもしれない。
ようやく、専門家が「寒冷化」を遠慮がちに指摘し始めたが、誤った情報を植え付けられ、マインドコントロールされた日本人には理解しがたい「不可思議な真実」である。事実は事実であり、極端なことを言えば、『石油・石炭をどんどん燃やし地球を暖めろ』、『エコカーなど乗るな、燃料効率の悪い車に乗れ』と、武田邦彦教授が言うようになるのだが、そのような事をしても、地球環境には影響ないだろう。
先日、NHK衛星放送の「コズミックフロント」でも放送していたが、地球は太陽の周りをまわっている小さな惑星の一つであり、太陽系の質量の99.999%を占める太陽の活動一つでどのような環境にもなるからだ。
地球が長期的にみれば、小氷河期に向かっているのは明らかであり、その際には気温が極端に上がったり下がったりするのは当たり前であり、「異常気象」と騒がれている今の「異常気象」がいつかは「これが普通の気候である」に変わるはずだ。
考えてみれば、我々人類が今のような近代的な生活を送ってまだ一世紀もたっていない。地球は30億年前から日々変化をしており、いつか前のマイナス30度が日常であるという時に戻ることになるかも知れないということを頭の片隅に入れておくべきだと言えよう。
それが1年後か、10年後か、1万年後かは分からないが、地球の歴史を化石から見れば、この地球が変化に富んだ活動を繰り返しているのがよく分かる。
そう言った意味では、温暖化ビジネスが企業イメージにとって良い時代がそろそろ終焉を迎えるのかもしれない。
また、日本の農業の構造改革と食料自給率を上げることが絶対に必要である。
今回は、今までご紹介しなかったアメリカペンタゴンの2003年のレポートを紹介させていただく。以前から、二酸化炭素による地球温暖化説の欺瞞性をレポートで指摘してきたが、昨年のヨーロッパ、ロシアの大寒波以来、欧米では、二酸化炭素による温暖化説は、過去のものになりつつある状況のようである。「日本人の大好きな米国」の国防総省のレポート。一読の価値はあるはずだ。
2004年6月に日本でも公開された「デイ・アフタートゥモロー(The Day After Tomorrow)」はカリフォルニアが竜巻に教われ、二ューヨークが大雪に見舞われる異常気象を描いて観客を驚かせた。
この映画の基礎になったのが、ここでいう「ペンタゴンレポート」である。
この報告書は原題を“An Abrupt Climate Change Scenario and Its Implication for United States National Security”(急激な気候変動とそれが米国国防に持つ意味)と言い、2003年の10月にピーターシュワルツとラグランドールがまとめて報告した。
併せて丸山教授のインタビューも参考資料として紹介させていただく。
*「選択」2008年02月号より
~InterView巻頭インタビュー~
「CO 2温暖化主犯説」に物申す
丸山茂徳(東京工業大学教授)
1949年徳島県生まれ。名古屋大学大学院博士課程修了。地球変動や惑星科学などの分野で業績を挙げ、2002年に日本地質学会賞、06年に紫綬褒章を受賞。編著・共著に『プルームテクトニクスと全地球史解読』『生命と地球の歴史』等。
──CO 2が温暖化の大きな要因との見解が定説になりつつあります。
丸山 CO 2問題と温暖化は切り離すべきです。確かにこの百年間温暖化傾向にありましたが〇・五℃に過ぎず、地球の歴史上、全く異常ではない。
化石燃料を最も焚いた一九四〇年から八〇年に気温は下降しており、CO 2主犯説は崩壊しています。大気の気温を決める最大の要因は雲です。雲が一%多ければ気温は一℃下がります。
──雲の量を決めるのは何ですか。
丸山 最大の要因は宇宙線の飛来量です。宇宙線が雲の凝縮核となる。これに最も影響を与えるのは太陽の活動です。活動が活発だと宇宙線は地球内に入って来なくなる。活発だった太陽の活動は二年前から減衰しています。もう一方で宇宙線飛来量を強い地球の磁場が遮断する。地球の磁場が弱くなると飛来する宇宙線量が増えますが、この磁場も弱くなっている。したがって温暖化ではなく、これから寒冷化が始まるでしょう。
──気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の見解をどう見ますか。
丸山 今後の温暖化は無いし、CO 2の温室効果は微小です。IPCCの見解の歪みは評価報告書を出すたびに大きくなり、昨年の第四次評価報告書では、温室効果ガスとしてCO 2の十倍以上の効果を持つ水蒸気の記述が消えました。そして「過去一千年の気候は一定だ」と論じています。しかし地球の気温は変動を繰り返している。この説はスベンスマークが提案しましたが、「生成のメカニズムがわからない」とIPCCは却下しました。
──誤解の原因は。
丸山 組織ができると、構成員は個人の幸せを求め始めます。IPCCも健全な目的で生まれたが、CO 2主犯説で食っていこうという方針を守り始めた。「CO 2は固定できる」「コンピューターを使えば解決策も出せる」と訴えれば研究費も下りる。科学はしばしば政治に利用されます。「地球のために」というのは受けが良い。アル・ゴアはそれを知っています。組織がある方向に走り出すと止まれない。社会が科学の質を変えてしまう。ガリレオやダーウィンへの迫害と同じ現象です。
──そもそも地球のことはどれだけわかっているのでしょう。
丸山 これまで地球(気象)しか見てこなかったから、暖冬か否かの予測すら外れてきました。地球環境は銀河の中の相互作用で決まるのです。この点に関する知見は現在、どんどん蓄積されています。二〇二〇年に温度は一℃から二℃上がるなどと言っても、二十年もしないうちに温暖化が否定されれば科学への大きな不信が生まれる。これがCO 2主犯説の最大の罪です。
──ただしエネルギー危機に関する覚醒効果はありました。
丸山 確かに低炭素社会に移行する必要があります。それは温暖化するからではなく、人口増に耐えられないからです。二〇五〇年に世界人口は百億に近づき、人類史で最大の悲劇の時代が始まるでしょう。六十億以上の人口を現在賄えるのは化石燃料という貯金を食い潰しているからです。石油はどんどん掘りにくくなる。それ以前に食糧が足りなくなる。人口を計画的に減らして食料を増やす必要があります。
日本は諸外国に省エネの技術援助を行い、人口減少社会のお手本になるべきです。地球温暖化の狂想曲に踊らされれば本質を見誤ります。
〈インタビュアー 編集長・惠志泰成〉
「突発的気候変動シナリオとアメリカ合衆国」
~国家安全保障との密接な関係~
2003年10月
ピーターシュワルツ、ダグランドール
思いもよらないことを想像すること
この報告の目的は、思いもよらないことを想像する為であり、最新の気候変化の調査研究がアメリカ合衆国国家安全保障に密接に関係することを理解するよう推し進めるためである。科学者達はこの研究をサポートする。しかし、筋書きが描写した警告は、2つの基本的な点で極端である。
初めに、彼らは、我々が概略を述べる出来事が全世界よりむしろ少しの地域でたぶん起こるだろうことを主張する。
第2に、彼らは、事象の大きさがかなりより小さいかもしれないとも言っている。
(ところで)我々はたとえもっとも有望ではないとしても、アメリカ合衆国国家安全保障にとって直ちに熟考されるべきと判断する気候変化シナリオを作った。
<実施上の要約>
かなりの地球の温暖化が21世紀の間に起こるだろうことを示す実質的証拠がある。変化が今までのところ漸次であり、そして将来に渡って同様に漸次だと考えられるので、地球温暖化の影響は、ほとんどの国家にとって扱いやすい事柄であるとされている。
しかしながら、
最近の調査結果は、この漸次の地球の温暖化は、海洋による熱塩循環コンベアーが比較的突然速度を落とすことに至ることを示唆している。
(その結果)調査結果は現在世界の食料生産のかなりの部分を提供する地域でより厳しい冬の気候状況、激しい大気湿度の減少、および猛烈な風による影響がでる可能性があることを示した。(このままの)不十分な準備では、その結果は、地球環境における生存収容力のかなりの低下かもしれない。この調査結果は、気温が一旦ある境界値を超えれば、比較的突然逆方向の気候状況が現れることを示唆している。
(すなわち)
それは変化の持続性があり、いくつかの区域で華氏5-10度(摂氏2.8-5.6度)の大気平均温度の低下を引き起こし、これが10年間で起こることを示唆している。
古気候学的証拠は、このような変動する気候様式が8,200年前に海洋コンベアーが崩懐したときに起こり、それが1世紀もの間持続した事を示唆している。
また、極端な例では、12700年前のヤンガードリアスの時点では1,000年間に渡りこのような気候様式が持続したことも示唆している。
このレポートでは、一般的な漸次の気候温暖化のシナリオの代案として、約8200年前に起こった100年イベントを突発的気候変動シナリオの前提とした。
この突然の変化シナリオの特徴を以下に示す:
・アジア、北アメリカにおいて、年平均気温が最大華氏5度(摂氏2.8度)低下する。
・北ヨーロッパにおいては、年平均気温が最大華氏6度(摂氏3.3度)低下する。
・オーストラリア、南アメリカ、及び南アフリカの大部分の所で年平均気温が最大華氏4度(摂氏2.2度)増加する。
・干ばつは、10年間に渡って持続する。
それはヨーロッパや東北アメリカの人口集中する農業地域や水資源地域を危機的状態とする。
・変化の衝撃を詳しく述べると、冬の嵐および風が激化する。
・西ヨーロッパおよび北太平洋は、機能強化した風を経験する。
この報告書は突発的気候変動シナリオがどのように地政学的環境を潜在的に動揺させるか、すなわち、資源束縛の結果として小衝突が起こり、戦争となるかを報告するものである。
以下にそれを示す。
1)
最終的な全体的農業生産高の減少とその結果としての食糧不足
2) 主要な地域での降水量の変動を起因とする真水取得可能性の縮小と品質の劣化、そしてそれが原因の氾濫と旱魃。
3) 広範囲に渡る海氷及び嵐によるエネルギー供給の寸断
全体のそして地域の生存収容力(Carrying Capacity)が減少させられるので、世界中は緊張状態となり守備と攻撃という基本的な戦略を採らざるを得なくなる。
国家の資源管理は国家自身の資源保護のためその回りを仮想要塞化するかもしれない。幸運な国家は少なく、多くの国家は大昔から隣国との敵意を持つ為、食料の調達、飲み水の調達に関して苦闘を始めるかもしれない。防衛優先の同盟関係は在りそうに無く、生存目的の資源獲得が優先し宗教や観念論、国家的栄誉は2の次にされる。
このシナリオはアメリカ合衆国の新たな挑戦を求める。
そして取られるべきいくつかの行動を提案する。
・どのようにまたどの場所で変化が起こるかを予期するために幅広いシナリオに基づく調査を行い、これらの前兆を察知する改良型気候モデルを作り出す必要がある。
・食物、水、およびエネルギーの気候による影響に対応するための企画を改良する為、突発的気候変動の前兆を察知する包括的な気候モデル(に対応する情報)を集める必要がある。
・(各々の)国が最も気候変動の受けやすさを予期する為、弱さの測定基準をする必要がある。
それはすなわち世界の物質的混乱と潜在的暴力に関しての基準を意味する。
・水の管理機能の増進といった後悔の無い戦略を明らかにする必要がある。
・適応する為の答えを予行演習
・局所的連座(密接な関係)を調査
・気候を制御する地球科学技術の選択肢を調査。
今日、地球温暖化がthermohaline circulation (熱塩循環・海洋底大循環)に対し著しく衝撃を与え始めるかもしれない境界値に達したいくつかの兆候がある。これらの兆候では過去40年にわたって北大西洋が融解氷河や増進した降水流によって本質的に塩分を含んでいない真水状態にされている事を示している。この報告書は、突発的気候変動の潜在的に不吉な成り行きのため、危険がたとえ不確でたぶんとても小さいとしても、科学の討論を越えてアメリカ合衆国国家安全保障の懸案として持ち上げられること提案する。
序文
ほとんどの人々が気候変動について考えるとき、彼らのイメージは気温の漸増と他の気象条件への緑の変化を想像する。そのイメージは将来に渡っての時間的変化は平坦であるとあくまでも漠然と認識している。一般通念では、近代社会は我々の直面するどのような気候状況であってもそれに適応し、気候変化の速度は社会の適応能力を圧倒しないだろうというものであり、京都暫定協定のような具現化された我々の努力が環境変動の衝撃を緩和するであろうというものでもある。
IPCC報告書による漸次の気候変化の兆候と食物や他の資源の人間活動への影響は安全保障に脅威を及ぼすほど厳しくは無い。
楽天主義者は気候変動の悪影響を技術革新の成果が払拭するであろうと主張する。漸次の気候変化での解釈によれば、将来も農業は成功し続けるだろうし、農業に適切な季節は長くなるだろうとしている。
南ヨーロッパ、アフリカ、中央及び南アメリカが旱魃と熱波、水不足から減少させられた農業生産を患うだろう間、北部ヨーロッパ、ロシア、および北アメリカは、農業で栄えるとも述べている。(漸次の気候変化での解釈に基づく)多くの典型的な気候シナリオのもとでは、全般的に世界的な食料生産は増加する。
気候変化に対するこの見解は世界中の地域ごとの強い暴風雨、季節風、洪水、旱魃による気象災害が増大していることに対する自己欺瞞的危険な行為であるのかも知れない。
気候に関する出来事は、それらがきれいな水、およびエネルギーへの入手と同様に、食物供給、都市および地域社会の状況、に影響するので、莫大な社会への衝撃を持っている。
例えば、オーストラリアの気候活動ネットワークによる最近の報告書は、気候変化が草地生態系で降雨を減少させそうであると言っている。
それは草生産力で15パーセント低下に至るとしている。
これは、結果的に、著しく牛肉供給を減少させて、12パーセントもの牛の平均的な重さの減少に至ることを示している。このような状況のもとで、乳牛による牛乳生産量はさらに30パーセント減少となり、そして、新しい病害虫が、果物を栽培する地域で蔓延しそうだ。
その上、このような状況は、飲料水の10パーセント減少をも示唆している。
次の15-30年以内に同時に世界中の地域で生じる食物生産問題といった次なる変化の状況についての見込みのモデルに基づいて、社会の適応能力を気候変動に処置しやすくする挑戦的意識を形作るべきだ。
今日、4億人以上の人々が乾燥地帯や亜熱帯に住んでおり、そしてそこはしばしば人口過剰であり、経済的に貧困な地域であり、気候変動とそれに続く結果の影響は政治的・経済的・社会的安定にとって厳しい危機に直面する。資源が不足し非常に激しい状況に急いで適応する能力のない、栄えていない地域では、問題は非常に悪化する。いくつかの国について、気候変動は大量の難民を発生させる。
すなわち、絶望的な人々がより良い生活を求めてアメリカ合衆国といった資源と適応力を持った地域へ移動しだす。
一般に行き渡っている漸次の地球温暖化シナリオが描写したより以上の状況が想定されるため、企業のリーダー、エコノミスト、政策立案者、政治家達はさらに進んだ変化の為のプロジェクションを求めており、気候上の人への影響を制御する為働き出している。
しかしこれらの努力は充分ではないかすぐには実行され得ないものなのかもしれない。
最近の証拠は、10年間かあるいは1世紀に渡る漸次の温暖化ではなく、より不吉な気候シナリオが開くかもしれないという可能性を示唆している。
これが、突発的気候変動によって起因する食物供給、健康および病気、商業および貿易、およびこれらの国家安全保障に連座(密接に関係)する事柄をペンタゴンが調査する理由である。突発的気候変動による気候変化後の将来の気候型、および特定の詳細を正確にあるいは大きい保証をもつほど予言することはできないが、気候変化の実際の歴史は幾つかの役に立つ案内書を提供している。
我々の目標はただ人類の経験上からすでに起こったひとつの事に類似しているもっともらしいシナリオを描写する事である。
そのことが即ちアメリカ合衆国国家安全保障に連座(密接な関係)する事柄をよく調査するということなのである。
(グリーンランドの氷コアのサンプリングから作った)上記のグラフは、特定の地域が一般的に温暖化の期間内に突然寒冷化する歴史的な傾向を見せている。
8,200年前の寒冷化事件
この報告書で概略を述べたシナリオは、グリーンランドの氷コアの記録によると、1世紀に及ぶ長い気候イベントで、型どられる気候変化として8,200年前に起こった。
現在の我々がそうであるとよく似た長期間に渡る温暖化の後に、急激な突発的寒冷化は起こった。グリーンランドの年平均気温は、およそ華氏5度(摂氏2.8度)落ちた、そして、同様な気温減少は、北大西洋地域の至る所で大々的に起こったのである。8,200年のイベントの期間、ヨーロッパは厳冬となり、多くの場所で河が凍り氷河が拡大し農業生産力が失われた。
科学的証拠はこれらの事象がおそらく漸次の温暖化に続いて起こった海洋大循環(コンベアベルト)の崩壊に起因していると示唆している。
より長い氷コア、および大洋の記録は、過去730,000年間において最大8回の急激な寒冷化が起こったであろう事を示唆している。
そして海洋大循環の急激な減少がまさに驚くべきことに共通してこのような気候シフトを起こす容疑者らしい。
ヤンガードリアス
約12,700年前に、thermohalineサーキュレーション(熱塩循環・海洋底大循環)の明白な崩壊があった。その結果、グリーンランドでは気温が最低華氏27度(摂氏-2.8度)まで低下し、北大西洋のいたるところで同様な気候変化が起こった。この状況は1,300年間持続した。このヤンガードリアスイベントの注目に値する特徴は、それがおよそ5回の連続した10年間づつの気温低下で起こったということである。
そして、その後寒冷化乾燥化した気候が1,000年間以上持続した。この事象はヨーロッパ周辺の海および陸地に甚大な影響を及ぼした。(氷山がポルトガルのような南の海岸から見えるほどだった)(従って)その影響は今日以上に激烈だったようである。
より近代においては、土地の適切な居住可能性が寒冷化のために不安定になり、さらに人口が削減されることにより、文明変化を引き起こすことが明白だ。
小氷河期
北大西洋の地域は、14世紀に始まって19中世紀中ごろまで継続した寒冷化を経験した。この寒冷化は、一般に考えられている太陽放射の減少及び/または火山の噴火が大洋変化を促した為かもしれないが、大洋循環のかなりの速度減速によって引き起こされたのかもしれない。しばしば小氷河期と呼ばれるこの1300年から1850年まで存続した時代は厳しい冬季をもたらし、突然の気候の変化、農業や経済への深刻な影響、そして政治的な影響をもヨーロッパにもたらした。
この時代は恒常的な収穫量不足、凶作、疫病の蔓延、に特徴付けられており、おそらくもっともノルウェイ人や同様にバイキングとして知られアイスランドやもっと遠いグリーンランドに生活していた人々にとってそれが最も過激に感じられたと考えられる。
グリーンランドの海岸に沿った海氷の分布は、貿易商人が、グリーンランドへの彼らの船を近づけることや漁民が冬の間中魚を捕ることを妨害した。
結果として、農民達は家畜の飼料や彼ら自身の食料が不足し、あまり肥えさせていない家畜までも解体することを強制された。しかもなお、魚肉や野菜、穀物も無く、(すなわち)人口を食べさせる(維持する)のに充分な食料がそこには無くなったのである。
この地域においてより激しい気象条件による凶作があり、1315年から1319年の間だけでも凶作が原因で数万人の餓死者が発生したとの報告がある。全般的な寒冷化はまた明白にバイキング達をグリーンランドから追い立てた。別の言い方からすれば(バイキングの)社会崩壊の原因は寒冷化であると言えよう。
小氷河期のような気候危機だけが単独で文明国の終焉の原因であるとは言い切れないが、気候危機は社会へ大きな衝撃力を持っていることは否定できない。
アイルランドのジャガイモ凶作のために100万人が餓死したのはほんの175年ほど前のことだ。この事もまた気候変化によってこの地域に誘発された。
将来の気候変化シナリオ
突発的気候変動(気候ジャンプ)の過去の例は将来においても当然の事として突発的気候変動がありそれに注意を払うべきことを示唆している。
特にいくつかの最近の科学的発見は我々がこのような出来事に至る尖った先にいる可能性を示唆しているのだ。我々が構成した将来のシナリオは、今から8,200年前の出来事に基づく。それはヤンガードリアスよりもはるかに暖かく短時間であったのだが、小氷河期よりは厳しい状況であった。このシナリオでは地球の一部が寒冷化、乾燥化、暴風化しそうであるというもっともらしい仮説を立てることができる。
強力な調査が仮説を洗練し補う事が出来たにもかかわらず、現在のモデルを基礎としたこの仮説を確認するためのいかなる方法もない。
我々の目的は、どのように気候変化が起こるだろうかを予測することではなく、もし我々が気候変化への準備が出来ていなければ至るで、あろう社会的状況を劇的に表現することだ。我々が描写する具体的な気候状況及び密接な関係において、我々の目標は何が高い確実性の元に起こるかを綿密に予測する事よりもむしろ戦略上重要な議論を高める事なのである。
最も洗練されたモデルでさえも、気候変化がどのように展開し、地域社会にどちらから衝撃を与えるのか、また、どのように政府及び社会は応じるのだろうかを詳細に予測することなどできない。
しかしながら、在りそうも無い事を描写した以下のような極端な事例を科学的共通性とすることにより、一般的認識が明確になってくる。多くの科学者はそれがどのくらいすぐに、どのくらい大きく、急激に、また気候変化が同時にいたる所で現れるかについて、このシナリオは極端であると考えるだろう。
しかし歴史は時々極端な事例が存在することを我々に物語る。そして、このようなシナリオに注意を払うことが国防総省の仕事であり、そうしなければならない証拠がここにある。
このイベントの継続時間が、10年間か、100年間か、もしかすると1000年間であるか、そしてそれが今年始まるのか遠い将来に始まるのかに思いを留めていただきたい。
気候変化崩壊シナリオをここに提案し、我々は漸次の温暖化が2010年に至り終焉することに注意を払いそしてその後の10年間の概略を述べる。(すなわち)8200年前のイベントのように突然の気候変化に伴う寒冷化パターンの気候状況変化が起こる事を述べる。
2010年までの温暖化
現代文明は過去100年間に急激なる温暖化を経験した。そしてその後、21世紀の最初の10年間には大気の温暖化が加速している事を確認した。つまり、世界の平均気温が10年間当り華氏0.5度(摂氏0.28度)増加し最も激しい打撃を与えられる地域では10年間当り華氏最大2度(摂氏1.1度)増加している事を確認したのである。
このような気温の変化は地域によってまた季節によって全地球的には異なる。
(しかし)それは細かな目盛りの変化として平均的な変化より大きいかまたは小さいかだけだ。最も明確な事とは惑星が20世紀後半以降温暖化傾向を続けている事実なのである。北アメリカ、ヨーロッパのほとんどの地域及び南アメリカの一部の地域では、1世紀前に比べて(年間)30%も多くの日数で華氏90度(摂氏32.2度)を超える最大気温となり、極端な例では氷点下以下の日が(年間)数日しかなくなった。
温暖化に加えて、常軌を逸した気象パターン、即ち、異常出水があり、山岳地域が特にひどく、また穀倉地帯及び沿岸農業地帯での長引く旱魃がある。
一般的に、気候変化は経済的に厄介な問題をもたらす。
それは一般的に地域社会に暴風雨や旱魃として作用し、(特に)日照りは農業や他の気候に依存する活動に衝撃を与える。しかしながら、気候バターンはまだそんなに厳しくなく、また世界規模ので社会事象やアメリカ合衆国国家安全保障を威嚇するほどではまだない。
循環帰還増幅する温暖化
20世紀を通じて気温が上昇し、2000年代初頭では循環帰還増幅状態に至ったと確信できる。つまり、加速した温暖化が年間華氏0.2度(摂氏0.11度)から遂には華氏0.4度(摂氏0.22度)に達してしまい、幾つかの場所では年間華氏0.5度(摂氏0.28度)にも達してしまった。表面が暖まるので、水循環周期(蒸発、降水、流下)が一層の気温上昇により加速する。水蒸気、最も強力な自然の温室効果ガス、は、更なる熱を閉じ込めて、平均的な表面気温を上昇させる。蒸発が増すので、より高い表面気温は、動物が生息し農民が穀物を育てている森林や草原地帯を乾燥化させる原因となる。
木は枯れ焼け爛れ、森林の炭酸ガス吸収力は減退し、さらにまた地表面外気温は上昇し、激しく極端な山火事を抑制できなくする。温暖化した気温は山岳地帯の万年雪を溶かし、地面を露出させ、高緯度のツンドラ地帯及び永久凍土地帯のような寒帯気候地帯の至る所の森林を溶け出させせる。太陽光線の多くは反射されずに地面に吸収され、気温は尚一層上昇する。2005年までに、気候変化の影響は世界中のいたる所でより激しく感じられるだろう。より激しい暴風雨や台風は、ニュージーランドの近くのタラワやトゥバルと言った低地の島々を高潮が襲い洪水をもたらす。2007年に、特に激しい嵐が原因で、オランダの堤防が破壊され、ハーグといった幾つかの主要な沿岸都市は居住に適さなくなる。カリフォルニア中部を流れるサクラメント川流域の三角州の堤防は(破壊され)機能不全となり、カリフォルニアを北から南へ貫く給水システムが内海と分裂されて、その結果、乾季の間これらの地域は塩水を供給されるようになる。
ヒマラヤ氷河の融解速度が増し、その結果チベット人は移住し出すかもしれない。
北極海の氷は1970年から2003年の間に既に大量に40%も失われており、2010年の夏までに大部分は消失するだろう。
氷結していた氷が溶けるので、海抜が上昇し、冬季の海の範囲が減少し、波浪は激しさを増し、沿岸都市は損害を受けることになる。
その上、何百万もの人々は世界中の洪水(2003年におよそ4回発生した)により危険にさらされ、また水産業は水温が変化する事で魚が新しい生息地に移動する為混乱し、漁業権をめぐる緊張が増大する。これらの局所的災害の原因は各々の地域を包む厳しい気候の影響が自然の、人間のそして経済上の資源の減少を回復させようと奮起する為に起こる。温暖化の明確な循環帰還加速的状況は以前には想像もされなかった反応を引き起こす。すなわち小さな発展途上国には自然災害と嵐の天候は同時に起こる。
これらの衝撃は社会構造上、経済上、農業システム上の変化への対応力が組み込まれていない新興国にとってもっとも重大だ。
グリーンランド氷床の融解は、毎年の降雪を超える。
そして、高緯度地帯の降水量からますます増大する淡水の流下があるので、北大西洋水域、即ちグリーンランドとヨーロッパとの間の海域は淡水化するようになる。
これらの海域の淡水化が海水の密度の低下を招き、熱塩循環システムの急激な減速を生じる道を開く。
2010から2020までの期間
熱塩循環の崩壊
熱塩循環の減速が60年経過すると熱塩循環(世界的な熱塩循環コンベアの北大西洋部)そのものの崩壊が始まる。それは2010年に始まりメキシコ湾流の暖かい流れによりもたらされたヨーロッパの節度ある気候を混乱させる。海洋循環のパターンは変化する。
すなわち暖流が北上しなくなる事により北ヨーロッパ東北アメリカの気候は急激にシフトする。北大西洋はグリーンランドの氷床融解、さらに増やされた降雨と流水の影響から淡水化しつづける。高緯度が温暖化した10年間、降水量は増進し、塩分濃度の濃い北の海へ真水を供給しつづけた。それは本来はメキシコ湾流から暖かく塩分濃度の濃い海水が供給されていたのだが変わってしまったわけだ。
暖流のその大規模な流れは、もはや北大西洋へ遠く達しない。
気候への直接的影響はヨーロッパだけでなく北半球の多くの地域の寒冷化であり、主要な農業地帯や居住地帯の降雨量の劇的な低下だ。しかし、この10年間の間中、(熱塩循環の)崩壊の影響は伝統的な気候型が思い出したように再現する為に混乱させられつづける。熱塩循環の劇的な減速は何人かの海洋研究者によって予期されている。
しかしアメリカ合衆国はまだ充分にその影響、タイミング、あるいは強烈さを認識していない。気候、および海洋システムのコンピュータモデルは、改良されたが、政策立案者のための充分に一貫して、また正確な情報をプロデュースすることができないでいる。
気候パターンが崩壊の後でも年間の中で変化しているので、それがこれから将来に渡ってどのようなタイプの気候となるだろうかということがはっきりしないのだ。何人かの天気予報官が寒冷化と乾燥化は終わるだろうと信じている間、他の予報官は新しい氷河期あるいは世界的な旱魃がやってくると予報する。
政策立案者や一般大衆は将来の気候に関して極めて不確かな状態となり、何をどのようにしたら良いかを判断できなくなる。緊急に非常に多数の人々が解決策を要求しているにもかかわらず、これほど貧弱で、抜本的変革の必要な地球気候を映し出す“レーダースクリーンの映像”しかないか?
北半球大陸地域気候の寒冷化、乾燥化、強風化
気象通報:2010-2020
・ヨーロッパおよび東北アメリカの主要な人口密集地帯の回りにある農業地帯は10年間を通じて危険な旱魃を持続する。
・
平均的な毎年の気温は、アジアで華氏5度(摂氏2.8度)、北アメリカ華氏6度(摂氏3.3度)以上低下する。
・オーストラリア、南アメリカ、および南アフリカのいたる所で気温が華氏4度(摂氏2.2度)上昇する。
・変化の影響を詳しく調べると、冬季の嵐と風は激化。
・西ヨーロッパと北太平洋では激化した西風が吹き荒れる。
北ヨーロッパのいたる所で2010年から2020年の毎年について、平均気温の低下が見られる。この地域の平均年間降水量は30%近く減少する。そして、風は平均して15%強くなる。気象条件は、北アジアおよび北アメリカの大陸内部地域でより激化する。農業地帯、居住地帯において気温の低下による悪影響よりもむしろ旱魃の影響は破滅的だ。これらの地域の降水量の継続した減少により、湖は干上がり川の流量は減少し、そして真水の供給は、節約しても蓄えを使い果たしても、尚圧縮される。
メガ干ばつは、南中国と北ヨーロッパの主要な地域で2010年ごろ始まり、まるまる10年間継続する。同時に、過去数10年間にわたって比較的乾燥していて、伝統的に乾燥地農業に頼った地域は、猛烈な降雨と川の氾濫に見舞われる。北大西洋から北アジアを横切る地域において、寒冷化は冬季の中心、12月、1月、及び、2月、季節を通じて長引く影響を受け、尚且つ寒冷化は予期し得ないほどますます猛烈に進行する。
山岳地帯での降雪量が増大する為、夏季にも寒冷化は広がる。
寒冷化及び夏季の乾燥化に加えて、地域性の増大により大気循環が増進し風力風速が巨大化する。世界中において気候変化の始まりにより気候様式が混乱させられている間、(すなわち)熱塩循環崩壊後の最初の5年間、北ヨーロッパはその影響をもっとも受けると断言できる。その後の5年間までに、この寒冷化や厳しい気象状況は南ヨーロッパ、北アメリカ、そしてその向こう側の地域へと深く広がる。北ヨーロッパの寒冷化が長期化するに伴い、北大西洋は海氷が一面を覆い、冬季の表面気温はさらに進んだ寒冷状態となる。極から赤道への強い温度勾配に伴い、気圧分布はそれを分配するため、強風が吹き荒れる。寒冷な空気がヨーロッパ大陸を横切る為、農業にとって特に厳しい状況が引き起こされる。風と乾燥の組み合わせは、広範囲にわたる砂嵐、および大地損失の原因となる。ほとんどの大西洋の南方地域では温暖化の増進が見られるが、乾燥化は(北部と)同じだ
この10年間の終わりまでに、ヨーロッパの気候はほとんどシベリアのようになる。
海洋熱塩循環
気象通報:2010-2020
・ヨーロッパおよび東北アメリカの主要な人口密集地帯の回りにある農業地帯は10年間を通じて危険な旱魃を持続する。
・
平均的な毎年の気温は、アジアで華氏5度(摂氏2.8度)、北アメリカ華氏6度(摂氏3.3度)以上低下する。
・オーストラリア、南アメリカ、および南アフリカのいたる所で気温が華氏4度(摂氏2.2度)上昇する。
・変化の影響を詳しく調べると、冬季の嵐と風は激化。
・西ヨーロッパと北太平洋では激化した西風が吹き荒れる。
北ヨーロッパのいたる所で2010年から2020年の毎年について、平均気温の低下が見られる。この地域の平均年間降水量は30%近く減少する。そして、風は平均して15%強くなる。気象条件は、北アジアおよび北アメリカの大陸内部地域でより激化する。農業地帯、居住地帯において気温の低下による悪影響よりもむしろ旱魃の影響は破滅的だ。これらの地域の降水量の継続した減少により、湖は干上がり川の流量は減少し、そして真水の供給は、節約しても蓄えを使い果たしても、尚圧縮される。
メガ干ばつは、南中国と北ヨーロッパの主要な地域で2010年ごろ始まり、まるまる10年間継続する。同時に、過去数10年間にわたって比較的乾燥していて、伝統的に乾燥地農業に頼った地域は、猛烈な降雨と川の氾濫に見舞われる。北大西洋から北アジアを横切る地域において、寒冷化は冬季の中心、12月、1月、及び、2月、季節を通じて長引く影響を受け、尚且つ寒冷化は予期し得ないほどますます猛烈に進行する。
山岳地帯での降雪量が増大する為、夏季にも寒冷化は広がる。
寒冷化及び夏季の乾燥化に加えて、地域性の増大により大気循環が増進し風力風速が巨大化する。世界中において気候変化の始まりにより気候様式が混乱させられている間、(すなわち)熱塩循環崩壊後の最初の5年間、北ヨーロッパはその影響をもっとも受けると断言できる。その後の5年間までに、この寒冷化や厳しい気象状況は南ヨーロッパ、北アメリカ、そしてその向こう側の地域へと深く広がる。北ヨーロッパの寒冷化が長期化するに伴い、北大西洋は海氷が一面を覆い、冬季の表面気温はさらに進んだ寒冷状態となる。極から赤道への強い温度勾配に伴い、気圧分布はそれを分配するため、強風が吹き荒れる。寒冷な空気がヨーロッパ大陸を横切る為、農業にとって特に厳しい状況が引き起こされる。風と乾燥の組み合わせは、広範囲にわたる砂嵐、および大地損失の原因となる。ほとんどの大西洋の南方地域では温暖化の増進が見られるが、乾燥化は(北部と)同じだ
この10年間の終わりまでに、ヨーロッパの気候はほとんどシベリアのようになる。(続く)