今こそ、必読のインタビューだ!

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10月 292014

今回は、野村大成大阪大学名誉教授のインタービューを紹介します。

<ポイントは>

日本政府は、放射線障害の歴史と事実をまったく無視し続けている。

・来年後半以降、チェルノブイリの例から考えて、多くの日本人が 政府が「直ちに健康に影響がない」と言った本当の意味を理解し始めるようになる:多くの人が体の異変に気が付くようになるのではないか。

・命、健康を守るのは、自己責任である。「食べて応援」などと言って健康を損ねるのは自己責任だが、それを他人に強要するのは犯罪行為に近いと言えるのではないか。

・このままでは、日本の人口は、政府が公式に発表しているよりも急激に縮小していくことになる可能性が高いのではないか。



~野村大成・大阪大学名誉教授に放射能の危険性をインタビュー~


孫以降の世代にもガンを起こす

放射線がマウスにどのようにガンを発生させるのか、 国際的な指標になる実験を行い、世界の専門家から抜群に高く評価されている 野村大成・大阪大学名誉教授に、フクシマと放射能による次世代への 影響についてお聞きしました。

「注意しても、しすぎることはない」と話された 野村先生の偉大な業績と考えを、ぜひお読みください。



野村大成(のむら たいせい) 大阪大学名誉教授。

1942年、名古屋市生まれ。専門は放射線基礎医学。

1986~2005年大阪大医学部教授。現在は医薬基盤研究所・野村プロジェクト・プロジェクトリーダー。



聞き手:月刊『食品と暮らしの安全』小若順一編集長



安全神話で責任感がなくなっていた



野村 原子力の安全神話?(特に省庁再編後)のもとに、安全審査の独立機能をなくした国は、 東大を除き原子力工学を廃止し、また、原子力の人体影響を研究する放射線基礎医学講座も研究費のためなのか、大阪大学医学部を除いて自然消滅しました。 工、医ともに安全性の教育、研究の場を日本はなくしたわけです。

すなわち、目先の利益優先に終始し、安全性の基本理念がなくなっていたところに、今回の事故が起きたのです。

放射線障害の歴史と事実をまったく無視した政府のアナウンスメントに、記者は質問もコメントもできない。

今回の事故が起こるはるか前から、このような状態になっていたので、原子炉の保存が優先し、人命どころか原子炉自体の安全性まで無視し、それが大きな原発事故に結びついてしまいました。

共同通信社にベテランが残っていたので、あまりの状況を見かねて、人は早く避難させなければいけない、放射能汚染は風向き、降雨により離れたところにスポットで起きる、 汚染物の移動厳禁、とこれまでの経験から最低限の常識を書いたメモを送ったら、そのまま配信されたのが昨年3月22日です。



小若 私も遺伝毒性から手を引いてから20年ほどたっていて、毎年、著名な遺伝学者が亡くなり、 遺伝がわかる記者も退職していたので、誰を頼ろうかと思っていたのですが、その記事で「世界のノムラ」先生がご健在だとわかりました。



野村 取材もいっぱい来ました。「君は記者か」と聞くと「ハイ」と。「記者なら、あの発表はどういうことを言っているかわかるはずや。質問したのか」と言うと、 「もう放射線をやっている人は誰もいません」。

大手のテレビ、新聞は「安全と言ってほしい」と言うので、取材は拒否しました。

週刊誌はまだマシでした。過剰に反応しすぎたとも思えない。特に女性記者は、本能的に危機を察しているようでしたので、できるだけ丁寧にお答えしました。

こういうことは過剰に反応してトントンです。2000年の別冊宝島『これから起こる原発事故』に専門家の緊急警告が記載されています。

当時は書きすぎではないかとも思ったのですが、地震、津波、規模、発電所名等々、何もかも今回の事故が当然起こると予想したものでした。



除染で被曝し、放射能が拡散する



小若 除染にも問題がありますね。



野村 除染することの怖さをよくわかっていないのです。除染のためには誰かが汚染地に入らなければなりません。その作業者はどんな格好をしていますか?

除染すれば、その作業者が被曝することは明らかで、膨大な数の被曝者を出すことになります。 汚染した今となっては、いかに放射能を拡散させないかが重要です。



小若 そのとおりのことを、私も体験しています。

昨年6月、福島へ取材に行ったのですが、二本松から伊達市まで30㎞を走りながら、山がすべて汚染されたので、 除染しても山から汚染が下りてくると感じていました。

伊達市で小学校に行くと、今度、原子力規制委員会の委員長の候補になった田中俊一氏が、除染の実践と研究を行っていたのですが、 田中氏は私の防塵マスクを指さして「そんなの意味ないよ」と言ったのです。もちろん、作業している人は誰もマスクを付けていませんでした。

校庭のアスファルトの汚染はグラインダーで削らないと線量が減らないと説明し、校庭の土手とプールを掃除していたのですが、この学校の裏にも山があり、 その後、除染しても元に戻った例がたくさん出てきています。



日本人の良心を完全に否定した政府



野村 1993年に、ソビエト連邦が原子力潜水艦の放射性廃棄物を日本海に投棄したとき、 日本政府は国際問題だと言って、猛烈に非難しました。そのときの調査では、日本海の海底土から最大7ベクレル/㎏の放射性セシウムが検出されています。

福島では4月1~6日の6日間で、セシウム940兆ベクレルを海洋に漏出したと東電は話しています。 6日間でセラフィールド核燃料再処理工場の1年間の海洋漏出量の放射性物質を放出したことになり、ヨウ素を含めると4700兆ベクレルになります。 福島の海底土では、30㎞圏外でも8000ベクレル/㎏を超える放射性セシウムが何度も検出されているのに、 自分のところが放出したら「希釈されて安全になるから、どんどん食べてください」と、政府、メディアは宣伝しました。

国内のみならず、外国に対しても「日本の農産物は安全です」とやりましたから、これで日本人の良心は完膚なきまで、国際的に否定されたのです。

そのことを日本人は思い知らなければいけません。かつて、放射線廃棄物をコンクリート封入、ガラス化などすれば安全だから、フィリピン沖の公海に廃棄したいと日本政府が申し出て、それなら東京湾に捨てたらどうかと言われたことを思い出します。

腐っている。日本人の魂が疑われているのです。



発ガン物質と放射能は、孫にも発ガン



小若 野村先生は30年以上前に、放射線や化学物質が、世代を超えてマウスを発ガンさせることを実証し、 国際的に大反響を呼んだ「大阪レポート」を発表されています。

この実験は、どのように行われたのですか。



発がん物質孫にも影響



野村 まず、ウレタン(カルバミン酸エチル)で確認しました。

ウレタンをオスのマウスに注射し、しばらくしてメスと交配させると、ほとんど元気で生まれますが、 その子たち4千匹余にガンが出るかどうかを見ていくと、有意差が出てきましたので、

1975年1月に「キャンサー・リサーチ(米国癌学会誌)」に発表しました。



小若 1979年に新聞で「発ガン物質・孫にも影響」と出たときは、すごいことが実証されたものだと思いました。

ただ、ウレタンになじみがなかったので、人に注射されているとは知りませんでした。



野村 僕も鎮静剤の一つだったとしか知りませんでした。それが、非経口医薬品の溶剤として大量に使用されていたのです。



小若 記事の中にはウレタンと放射線の実験結果が出ていましたが。



野村 遺伝的な影響を証明するのに一番大切なのは、 確実にDNAをやっつけるものがいいので、 ウレタンに代わって放射線を使いました。

放射線は瞬間的に作用するので、オスに一発当てて、しばらくしてから正常なメスと交配させ、 受精率や流産、奇形を見て、それから、いつになったらガンが発生し、 その頻度がどのくらいかと。



量に応じてガンが出る



小若 ずいぶん詳しく調べられたのですね。



野村 遺伝学者は遺伝子の変化を調べますから、 生まれた直後の形態、機能の違いを調べるところまででした。

突然変異については、膨大なデータがありましたが、人類によく見られる疾病(ガン、形態異常、生活習慣病等)はどうなのかは誰も調べていませんでした。

私は外科医でしたから、すべての疾病に対し、先の世代がどうなるか臨床のかたわら、我慢してやっていました。



小若 だから、国際的な発見をされたのですね。

論文の表を見ると、先生は1970年代から、被曝量の多さと、ガン発生数の関係がわかる実験をされていたことになりますが。



野村 70年代までは、ガンが出るか出ないかしか実験しなかったのですが、 発ガン物質を1000分の1の低量まで投与量を変えて追いかけると、きれいな線になりました。

私の1975年10月のキャンサー・リサーチの論文は、世界で初めて「化学物質で用量効果関係」を描いたもののようです。

実際、この曲線から、注射薬に含まれているウレタンの量を計算できました。

後日、化学的に定量したのと完全に一致していました。



国際的な大反響



小若 そんな前に、今でも通用する精密な発ガン実験を行われていたとは、すごいですね。



野村 1978年にイタリアの古都ペルージアで開かれた国際学会で発表すると、 有名な遺伝学者がすぐに奇形で追試確認をしてくださったので、ガンも含めて「ネイチャー」にまとめの論文を出しました。

ヨーロッパでは、日本と違って遺伝に関して非常にセンシティブです。 何か悪いことをすると三代たたるという考え方があり、だから悪いことをしない方がいいというのです。

最初の論文では、親に放射線を当てて、子どもから孫まで影響したのを出したので、非常に反応が強かったですね。



小若 すごい評価でしたね。



野村 ネイチャーの論文をイギリスの新聞「ガーディアン」もトップ記事で紹介してくれましたし、 多くのテレビ座談会がなされたようです。アメリカの「サイエンスニュース」でも紹介されました。



小若 当時、日本人が「ネイチャー」に出るのはまれでしたね。



人は影響が出やすい



野村 論文審査では何も指摘されず、関連論文が4本載りました。

当時、ネイチャーは1誌しかなく、すべての自然科学分野を含めて週20論文くらいしか載りませんでしたので、多かったのかもしれません。 その中で大事なことがあります。放射線を一度浴びただけで、子や孫にガンが発生しますが、突然変異に比べたら100倍以上高く増加したのですが、 それでも、せいぜい10~20匹に1個ガンが増える程度でした。ところが、生まれた子どもにも微量のウレタンを打つと、子どもはガンだらけになりました。 2回目に有害物質をかけると、影響が数倍に上がりました。多くの追試確認がなされました。放射線も同じです。



小若 それは、福島で被曝した人が、後で放射能や化学物質で汚染されたものを食べたら、ガンが出やすいということですか?



野村 マウスの実験はきれいな状態で行いますが、人間は違います。

放射線を浴びた後、親も子どもも、発ガン物質や放射能を含む食べ物も食べる可能性があります。そうすると、ガンにかかりやすいということです。



小若 シンプルな動物実験の結果よりも、ヒトの方が危ないと考えられるわけですね。



再処理工場の従業員の子どもに白血病



野村 ヒトでは、イギリスの核燃料再処理工場セラフィールドの例があります。

ここは、海洋汚染もあったし、シースケール村など周辺の汚染もありました。住民は、直接被曝している上に、家庭では放射能汚染食品による被曝があります。

それで、全体的に白血病の頻度が高かったのは、間違いないのです。1990年に、ここの男性従業員の子どもに白血病のリスクが7~8倍高いという論文を サザンプトン大学のガードナー教授が出したのです。

これは、まさに私のマウス実験と同じことが、ヒトで調査された結果で、精子被曝が子どもの白血病の原因として大騒ぎになり、すぐに被害者による裁判が起きました。

しかし、患者は4人なので、裁判にはもともと無理なところがあり、夜中の3時頃に、5mものファックスで質問が来るのに閉口しました。

裁判の結論は「統計学的には有意差が出たけど、わずか4例のことなので、すぐに人間には当てはめられない」ということでした。

ところが、珍しく裁判長のコメントが付け加えられたのです。「子孫への影響をみるこの研究は極めて大事であるから、今後、世界中で研究が推進されることを望む」と。



チェルノブイリ原発事故



小若 チェルノブイリの汚染地では、どうなっているのでしょうか。



野村 事故後10年近くたち、国際機関が調査をやめ、国際援助もなくなったころ、 ユネスコと現地の要請で、文部省(旧科技庁は関与せず)と、民間助成金の支援を受け、生態系への汚染と遺伝的影響を調査しました。

地上の放射能は減少しても、動植物には、恐れていた強度の汚染、生物濃縮が起こっていることをいち早く証明しました。事故直後に、放射性ヨウ素で汚染された牧草を食べた乳牛のミルクを飲んだ子どもの甲状腺に、放射性ヨウ素が大量蓄積し、それが原因で甲状腺ガンが高発していました。放射性セシウム等の内部被曝による影響については、ガンが発生するまでの年数が足りないのだと思いますが、徐々に増加しているとの報告があります。

遺伝的影響に関しては、英国のグループが、汚染地域の子どもで、放射線等で変化の起きやすい配列のDNAに突然変異が増加していると1996年に報告しました。

汚染を除去した作業者の子どもでは、突然変異の増加が疑問視されていたので、マウスで確実に検出できている突然変異を、 ルカシェンコ大統領の協力も得て、除染作業者の子どもを調査しました。 陽性にはなりませんでしたが、これは、被曝量が50ミリシーベルト以下と少なかったからだと思います。

ところが、ベラルーシとイタリアを行き来しているツバメの子どもを調べた報告では、反復配列したDNAの突然変異が3.6倍も増加し、有意差が出ています。 ウクライナのツバメとの比較でも2倍くらい増加しています。

これからも調査は必要ですが、放射能が大量に放出されたのですから、ヒトに異常が出ることは確実です。



大きな影響がある内部被曝



野村 私が実験したのは瞬間の外部被曝で、外部被曝でもじわじわ被曝すると、ガンと奇形の頻度は落ちます。

だから、環境から受ける慢性被曝のときは、ガンと奇形が少し出にくい可能性はあります。しかし、食べると放射能が体内に留まって内部被曝になるので、様相は一変すると思います。この内部被曝の実験はほとんどないので、チェルノブイリで影響を調べることが大きな課題なのです。福島は、チェルノブイリのミニコピーです。



小若 福島でも内部被曝の影響が心配です。

1970年代には、病気になりやすくなる「弱有害遺伝子」が増えると言われていましたが、 遺伝子がよくわかるようになった今では、先生の実験結果は、どのような原理だと説明されるのでしょうか。



遺伝子の変化が蓄積



野村 1978年に最初の論文を発表したとき、 なぜガンが、子どもに、通常の突然変異に比べて100倍以上もの高頻度に発生したのか、二つの可能性を書きました。

一つは、たくさんのガン遺伝子があり、そのどれかに変異が起こった可能性です。

例えば、マウス肺腫瘍発生に関与する遺伝子は、免疫関係だけでも当時200以上の遺伝子がわかっており、「それにヒットしたのなら、200倍の高い頻度で出てもおかしくない。1000倍出てもおかしくない。それで十分説明ができる」と、 多くの先生が支持してくれました。

しかし、ガンになり易さの遺伝であること、しかも、親マウスが被曝すると、子どもに何百回もの細胞分裂を経ても伝わる変化があり、 そのマウスが生後に環境の有害物質に曝露すると、ガンが高発、促進されることがわかっていました。

この論文は、1990年代後半になって、生殖細胞で遺伝的不安定性を示した最初の論文と言われたように、 とても、突然変異で説明できるものではありません。

そこで、もう一つの原因として、通常の遺伝子の機能にわずかな変化が起き、その蓄積でガンの頻度が上がった、と書きました。



小若 免疫機構がちょっと弱くなるように、とか。



野村 そうですね。健康状態が一番影響を受けるのは、免疫関係の遺伝子です。

遺伝子は、「有害」でも「生体の正常機能に関与しているもの」でもよく、 その発現のわずかの変化が蓄積し、遺伝したので、何十代にわたってガンが発生しやすくなった、と考えたわけです。

放射線に一度、被曝しただけで、何代にもわたり、肺腫瘍、肝腫瘍、白血病等にかかりやすいマウスになりました。



全身の細胞で変化が起きていた



野村 このことを証明するため、遺伝子の働きと「発現」を調べています。

親に放射線を照射し、子どもが生まれて、その子にガンが出た臓器を調べると、非照射対照群のマウスに較べ、ガン組織で遺伝子の発現が数倍、増減していました。

遺伝子発現を分析してみると、ガン組織だけでなく、その臓器の正常部分の組織にも多かれ少なかれ、同じような変化がすでに存在していました。

子どもの臓器でそういう変化が起きていたので、ガンにかかりやすくなっている、と説明したのが、2000年から2003年ごろのレポートです。



注意しても、しすぎることはない



小若 食品の放射能汚染は減ってきましたが、今でも影響を受けないようにするのがいいのですね。



野村 放射線障害で最も恐れるのは、それが一瞬の被曝であっても、細胞、遺伝子などに起きた傷が残り、将来のガンや遺伝的影響に結び付くことなのです。 ましてや、内部被曝の場合、放射能を出すもの自体が、長期に体内に残存するのですから、 注意しても、しすぎることはありません。

「食品と暮らしの安全」201291日発行 No.281



第10回 大阪科学賞 平成4年度(1992年度)

受賞者氏名: 野村 大成(のむら たいせい)

所属(受賞時): 大阪大学 医学部 教授

業績: 放射線および化学物質の継世代影響、-癌および奇形発生とその子孫への遺伝親が放射線や化学物質に曝露することにより突然変異のみならず、ヒトによくおこる癌や奇形までもが子孫に誘発され、しかも、子孫に癌や奇形をつくる生殖細胞の変異は、次世代に遺伝していくことをマウスを用い証明した。その業績は野村レポートと呼ばれ、国連科学委報告書に詳細に記載されている。本研究は、1978年以降Lyon博士らにより追試確認され、ヒトにおいても、1990年以降、裏付けるような報告が続いた。その発生機構研究は遺伝的不安定性研究のきっかけとなり、現在、最もホットな研究課題となっている。一連の研究成果は、人類の将来起こるであろう障害を指摘した報告(Nature,1990)は、人類の自然破壊を憂えたバーンズの詩にちなん(1785年、Ofmiceand men ?(生き物とし生けるもの?)と名付けられ、国連環境保護標語としても用いられた。



人類は産業革命以降創り出した膨大な数の医薬品、生活用化学物質等は、生命維持、生活の改善に大いに役立っていると同時に、人類の大きな障害をもたらしている。野村は、拒絶反応をなくした重度複合免疫不全マウスを改良し、あらゆる正常ヒト臓器・組織をマウスの体を借りてその形態、機能を数年にわたり継代・維持するシステムを開発し、ヒト臓器の相互作用、人体への直接影響を評価する新しいシステムを確立した。(終わり)



*ロシアが日本語でわざわざ野村教授のインタビューをネットで公開している。日本人が知るべき情報を日本のマスメディアが意図的に封殺していることにもっと多くの人が気が付くべきだろう。

「ロシアの声」より 30分程度なので、時間がある時に見て下さい! 子供たちの「イノチ」を守るのは、身近にいるあなた自身です。

「子供の健康に対する放射線の長期的影響」:

http://japanese.ruvr.ru/2013_10_28/123519492/

10月 052014

これからこの日本で生まれ、日本で、世界で何事かを成し遂げようという大志を秘かに抱いている日本人は、「この国が1945年以降、米国の特別行政自冶区でしかない」ということをしっかり肝に銘じてすべての行動を決め、戦略を練っていく必要があるだろう。もちろん、日本の学校もマスコミも本当の事など教えてくれるはずもない。壮大な嘘とその嘘が創り出す日本社会の空気から自由になり、独立自尊の道を一人でも多くの日本人が歩むことを求められている時代を迎えている。そう言った意味で、残念なことだが、米国の支配層の利益を最大にするために運営されている現在の日本の政治に期待を抱くだけ無駄だということだろう。はっきり言ってしまえば、特別行政自冶区の米国に許容された範囲内の利益配分巡る権力闘争が日本の政治である。国家主権を奪われ、大きな国益が毀損されたなかで、せせこましい利権獲得競争が行われているのである。国政がそのレベルにあるのだから、地方政治は「推して知るべし」ということだろう。

これからの日本人は、欧米のエリートが日本という国をどういうふうに動かそうとしているかを読み切り、逆にそれを利用して投資、仕事をし、地道に力を蓄えていく努力を積み重ねていくしかないのだろう。また、マスコミに流れない本物情報を得て、健康、体を守るのも一人一人の自助努力にかかっている時代だ。国やマスコミや医者が私たちを守ってくれると、いう創られた甘い幻想から少しでも早く目を覚ますことも肝要である。



今回は、私たち日本人が「侮蔑の構造」のなかで、生きていることがわかる記事を少し、紹介させていただく。以下を読んでいただければ、フクシマの原発事故が必然だったとも言えることがよくおわかりになるはずだ。



*月刊日本 2014年10月号より



「福島原発一号炉は米国GEの欠陥製品だった」



南丘喜八郎



三年前の三月十一日、東日本大震災が東北地方を襲った。マグニチュード九・〇の大地震と巨大津波は福島第一原発の大事故を惹起した。福島原発事故から三年半、事故原因は解明されず、被災者の救済も進まず、政治は無策を続ける。福島第一原発の事故は本当に想定外であり、不可抗力だったのか。事故の原因は一体何なのか。何故に真相究明が遅れているのか。我々国民には知る権利がある。



大震災が発生したのは十一日午後二時四十六分、約一時間後から数度にわたって襲った巨大津波が第一原発を水没させ、全電源喪失状態に陥った。翌十二日午後一時過ぎ、原子力保安院審議官は記者会見で、第一原発周辺でセシウムが検出されたことを踏まえ「炉心溶解が進んでいる可能性がある」と明らかにした。情報を知らなかった菅直人首相は激怒、審議官は即刻広報官を辞任した。以後の会見から「炉心溶解」は「炉心損傷」に言い換えられた。

だが福島一号機は地震発生から四時間後の十一日午後六時五〇分には炉心溶解、さらに核燃料が容器の底を突き抜ける溶融貫通を起こしていたのだ。



何故こうした事態が起きたのか! 何故対応策が後手、後手に回ったのか!



それは、福島第一原発一号炉は米国から無理矢理押し付けられた欠陥製品だったからだ。



一号機は米国の原発メーカーGE(ゼネラル・エレクトリック社)製の沸騰水型マークⅠで、設計・製造から試運転まで全てGEが行った。東京電力は試運転が終わり、「マニュアル通りに運転せよ」と、キーを渡されただけだった。

マークⅠの設計に携わったGEの技術者デール・ブライデンボーは当時「マークⅠは、地震や津波などの大きな災害で冷却機能を喪失すると、格納容器に想定されていた以上の負荷がかかり、破裂する可能性がある」とGE幹部に指摘した。だがGE幹部は「原発を止めれば、マークⅠが危険であることを認めたことになる」と耳を貸さず、ブライデンボーは抗議してGEを辞任する。マークⅠは欠陥原子炉だったのだ。



知らぬは日本政府と東京電力だけだった。米国はアイゼンハワー大統領が原子力潜水艦就航に向け、軍事産業各社に潜水艦に搭載する小型原子炉の開発を競わせていた。名乗りを上げたのはGEとWH(ウエスティングハウス社)だった。結局はWHが開発した加圧水型の原子炉が採用され、GEは敗退した。膨大な研究開発費を投じたGEは窮地に陥った。米国政府はGEの負債を回収するため、日本の原子力発電所にGEの原子炉を押し付けた。これが、福島第一原発一号炉なのだ。



敗戦国の我が国は同盟国米国の強い要望を拒絶することなどできなかった。敗戦直前に広島・長崎に原爆を投下された日本は、米国の圧力によって重大事故の可能性を秘めた欠陥原発を引き受けざるを得なかったのだ。

原子炉の構造は複雑を極め、無数のケーブルやパイプが錯綜しており、自ら設計製造しなければ構造細部まではわからない。設計者自身が告白している通り、マークⅠは欠陥製品であり、想定外の事故が起これば、万事休す! 今回の事故原因は米国が押し付けた欠陥原子炉にあることは明白だ。



政府は今回の原発事故による損害額や廃炉費用について「福島第一の事故による東電が被った損害、被るであろう損害は、五兆五〇四五億円」と試算している。何故に政府はGEに請求書を突き付け、損害賠償を要求しないのか。



ここで驚くべき事実に突き当たる。それは原子力損害の賠償に関する原賠法という昭和三十六年に制定された法律だ。この法律は、原子炉の運転等により原子力損害が生じた場合、その損害賠償の責任は原子力事業者だけが負うことを定めている。欠陥製品を製造販売したGE、米国政府に責任はないという、奇妙奇天烈な法律なのだ。



米国政府は自国の原発メーカーを守るため、日本に原賠法を制定させ、原子力事業者の電力会社だけが無過失責任、無限責任を負うと規定させたのである。平成六年、「製造物責任法」が施行される。これは欠陥製品により損害をひきおこした製造業者に損害賠償責任を課する法律だ。しかし、原子力損害は除外された。原賠法はこの時に改定され「原子力損害ついては…製造物責任法の規定は、適用しない」(第四条3項)とされた。



何故なのか! それは、日本が米国から原子力関連技術の供与を受け、原発事業を始める際、米国から強要された条件だったからである。米国政府は、トヨタの自動車が事故を起こした際、製造物責任を叫び、社長を米議会で謝罪させ、車の販売停止までさせて米国のGMを救済した。だが、米国はGE製原発の欠陥によって炉心溶融の重大事故を引き起こしたにも拘らず、「責任はない」と居直っている。



いま我が国が為すべきことは「対米自立」、そして「独立自尊」の日本国を樹立することなのだ。

(終わり)



*「ロシアの声」がアメリカにいいようにコントロールされている現在の日本を「それでも独立国なんですか」と、皮肉っている。

以下。



「日本政治は米国の独裁下にあり?」



日本政府は、この秋に予定されていたプーチン大統領の日本訪問を来年春に延期する心積もりだ。日本政府は、ウクライナ情勢に関連した欧米諸国の対ロシア制裁強化を考慮し、プーチン大統領の日本招聘を取り消すよう求める米国大統領の主張を受け入れた。



しかし安倍首相は、その際、ロシア指導部との建設的対話継続に期待をかけ、やはり今年秋の日ロ首脳会談実施の可能性を探っている。ただ場所は日本ではなく、中国だ。つい先日行われた、プーチン大統領との電話会談の中で、安倍首相は、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の枠内で会談してはどうかと提案した。



安倍氏は、首相に就任してからこれまで5回、すでにプーチン大統領と会談している。ロシア科学アカデミー東洋学研究所付属日本調査センターの責任者、ワレーリイ・キスタノフ氏は「両首脳がAPECという新たな対話の場を利用するチャンスを逃す事は、恐らくないだろう」と見ている―



「この会合は、ウクライナ危機に関連してロ日がショックを経験した後の両国関係の現状を反映したものだ。日本政府は、自国の国益と自分達の戦略的同盟国である米国の利益の間でバランスを取る事を余儀なくされてしまった。

米政府は、日本に対し、文字通り絶えず圧力を加えながら、日本政府に自分達のロシアに対する強硬な立場を押し付けている。米国は、グローバルな反ロシア連合作りを目指しているのだ。」



日本政府は、ロ日関係の中ですでに積み上げられてきたポジティヴなもの失いたくないと考えている。ロ日協力は、日本が己にとって大変重要なものと捉えている平和条約調印の時を近づけたからだ。

日本調査センターのキスタノフ所長は「東アジアの全体的状況を考えれば、日本はロシア政府との協力を必要としている」と指摘し、次のように続けた―



「日本と近隣諸国との関係は、最良というわけではない。今日、北東アジアにおいて、複雑な地政学的ゲームが進められている。10年前であれば、日本と、中国と韓国の反日連合が衝突するなど到底想像できなかったろう。なぜなら、日韓は共に米国の同盟国だからだ。日本政府とロシア政府の関係が確立されるならば、それは、中国と韓国に対するよきデモンストレーションとなるだろう。安倍首相は、中韓両国の首脳ともう長い間、個人的に会えないでいる。そうした状況にあっては、ロシアとの関係発展は、安倍首相の個人的外交成果と見なす事ができる。」



2011年3月に起きた東日本大震災と、それに続く津波により引き起こされた福島第一原発事故、そして全国の原発の稼働停止後、日本のエネルギー依存の中身が急激に変わった。今や国内で生産される電気のほぼ半分は、LNG(液化天然ガス)によるものだ。昨年日本では、エネルギー重要がピークに達したが、日本へのエネルギー供給国としてのロシアの役割は、重くなり続けている。



ここで又、キスタノフ所長の見解を、御紹介したい―



「ロシアは、安定的なエネルギー供給国として自分達を売り込んだが、この事は、エネルギー不足に悩み、供給先の多様化を目指す日本にとって重要だ。現在に至るまで、石油や天然ガスの大部分は、遥か遠い中東から複雑かつ困難なルートを通って、日本へと運ばれている。 それに比べ、ロシア産の石油やガスは、文字通りすぐ隣にある。また日本のビジネス界にとって、自動車産業を筆頭にした自国製品販売の市場として、ロシアは重要な存在である。」



なお最後に、日本のような強い国力を持つ独立国が、自分達の国益と他の国の利益の間でバランスを取らざるを得ないという事、そしてしばしば自分自身を害する選択をするというのは、ロシア人の多くにとってひどく奇妙に見える、という点を付け加えておきたい。(終わり)





以前、「日米地位協定入門」という本を紹介させていただいたが、その紹介文も改めて読んでいただきたい。現在も日本は米軍の軍事占領下にある事実をはっきり日本人は認識してすべてのことを考える必要がある。以下。



「本当は憲法よりも大切な~日米地位協定入門」


(前泊博盛編著 創元社)



はっきり言って日本人としては読みたくない本である。日米地位協定>日米安保条約>サンフランシスコ講和条約(日本国憲法)、この図式をいろいろな文献をあたって見事に証明し、1945年以降、私たちの住んでいる日本が米国に軍事占領され続けていることを見事に実証しているからだ。日本を愛する国民の一人としては、そんな事実を突きつけられれば、おもしろくない気分になるのは当然だろう。

ただ、不思議なのは、1960年安保、1970年安保の時にこういった本が出版されなかったことだ。(もっとも不勉強なので、見落としているのかもしれないが、)冷戦という僥倖に恵まれた時代、経済的成功を手にすることができれば、国としての安全保障上の主権の放棄も仕方がないと、時の為政者は考えて、かつての敵国であるアメリカが日本を軍事占領し続けることを容認する道を選んだのであろうか。また、官僚は官僚で、米国の後ろ盾で、政治家をコントロールできることを歓迎したのかもしれないが、しかし、そのツケを冷戦終了後、日本は、米国に払い続けている。

現在、話題になっているTPPは、その仕上げというべきものであり、実際には日本に経済主権の放棄を求めているとしか思えないものだ。考えてみれば、愛国者を自称する安倍氏が米国の圧力でその決断をしなければならないことは、あまりにも皮肉ことである。

しかし、不可思議なのは、大手新聞の世論調査で、TPP参加表明を評価するという国民が過半数を軽く超えていることだろう。「その国の国民が、その国の主権を放棄する政策に賛成しているとしたら、その国は、国民国家としての存在理由を失いつつあることになってしまう」のだが、

この原因は、本当の事を言わないマスコミと真実を語ることのできない政治家にあることは確かである。その意味でも是非、読んでいただきたい本である。



この本を読むと、戦後日本体制はサンフランシスコ講和条約とともに生まれ、講和条約(憲法を含む)―日米安保―日米地位協定という「三重構造」によって形作られていることがはっきりとわかる。そして、吉田茂首相の元部下の外務事務次官で吉田茂首相と対立して罷免された、寺崎太郎氏(寺崎英成氏の兄)は、この日米地位協定の前身の日米行政協定こそ、米国の「本能寺(=本当の目的)」であったと見抜いていた慧眼の持ち主だった。



一言で言うと日米地位協定とは

「はっきりした言い方で日米地位協定を定義すると、こうなります。

<アメリカが占領期と同じように日本に軍隊を配備し続けるためのとり決め>のである。」『日米地位協定入門』(17ページ)

多くの方は、日米地位協定というのは、「米軍兵士の日本国内に於ける地位を取り決めたもの」であり、だから、米兵が犯罪を日本国内で起こした時の裁判権をどっちが持つかという、日本で司法権が米兵に及ばないという問題のことだけの問題と勘違いしているかもしれない。



しかし、この地位協定は、米兵の地位を定めた17条(刑事裁判権)に関するもの以外に合わせて全部で28条もある。その中には、「基地の提供と返還」「基地内の合衆国の管理権」「航空・通信体型の協調」「軍隊構成員の出入国」「免許」「関税」「調達」(注:武器輸出3原則の抜け穴になっている)「経費の分担」やそれらの米軍駐留に関して日米が協議(注:命令を伝達される)する機関についての取り決めもある。

そして、このようなとりきめは他の国が結んでいる米軍駐留協定と合わせて考えても異様であるという実例が、本書では詳細に説明されている。日米安保体制が極めて特殊な同盟関係であることは、他の国の安保条約や地位協定を研究すれば簡単にわかる。

(終わり)





*ところで、311による放射能汚染によって首都圏から東北にかけて本来なら、人が住むべきでない40bq/m2 以上の地域が下記のように広がっている。日本政府は頬被りを決め込んでいるが、いずれ体の不調を訴える人の多さに吃驚する事態が訪れることになるのではないだろうか。また、特別行政自冶区の日本人は、広島、長崎の被爆者のように欧米のエリートにモルモットとして扱われている可能性も否定できない。



<EU研究機関が発表、移住相当の汚染地(IAEA基準40kBq-m2以上)>

その他にも、日本が米国の特別行政自冶区であることを示す日本のマスコミがほとんど報道しない事項は、少し調べれば、おそらくいくらでも出てくると思われる。



例えば、

○米国政府は、日本のアメリカ大使館の借地料未払いのままにしていたが、

アメリカ政府が東京都港区赤坂にある在日アメリカ大使館の敷地(国有地約1万3000平方メートル)の賃料を1998年以降払っていないことが、9月30日の社民党照屋衆院議員の質問主意書に対する政府答弁書で明らかになっている。

1997年までアメリカ政府が支払った賃料はわずか月額20万8千円で、年間では約250万円だった。98年以降は日米間で契約変更について合意できていないため払われていない。これに比べてイギリスの場合は東京都千代田区にあるイギリス大使館の敷地約3万5000平方メートルの賃料は月額で291万6000円、年間3500万でキッチリと支払われている。

○日本の携帯電話は、米軍から周波数帯の返還によって始めて可能になった。日米合同委員会によって米軍優先の電波の割り当てが決められている。

これは、下記のアドレスの日米合同委員会の取り決めを読めば一目瞭然である。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/kyoutei/pdfs/03_02.pdf

○現在も日本の空域は、米軍が完全にコントロールしている。



首都圏の空域は米軍の支配下にある

沖縄の空域は100%米軍の支配下にある

ところで、この秋、「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」矢部宏治著)という本が集英社から出版される。現在、ネットでダウンロードして半分、無料で読めるようになっている。時間のある方は、是非、ダウンロードして読んでみていただきたい。戦後、国家主権を放棄して漂流している日本という国の姿が浮かび上がってくるはずである。

以下、ダウンロードアドレス:http://www.shueisha-int.co.jp/pdfdata/0236/nihonhanaze.pdf

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