先日、日曜日に放送されているNHKの「週刊こどもニュース」のシリア情勢の解説を聞いていて目が点になってしまった。アメリカのネオコン派が世界に流布しようと思っているプロパガンダ以上に「アメリカ=正義の味方」という中立には、ほど遠い偏向した解説をしていたからだ。
アフガン・イラク戦争は、2001年の911テロ捏造によって始まったネオコン、いわゆる戦争屋によって計画された一連の世界戦略であることは今日では、かなり明らかになってきている。経済アナリストの藤原直哉氏がこのことをNHK第一ラジオの放送でこの春(3月27日)に解説したことがあった。もちろん、彼はその後、ジャパンハンドラー等から圧力がかかってその番組から降板させられたことは言うまでもないが、その放送がまだ、インターネットで聞くことができるようである。以下。
https://www.youtube.com/watch?v=Hc0ObKlXvKY
それをいまだに当時大統領だったブッシュにスーパーマンの格好をさせたイラストで解説しているようでは、話にもならないだろう。また、今回のシリア政権転覆の動きを正義の戦いに見せるべくオバマにまた、同様にスーパーマンスーツを着せている図を用いての解説、アメリカのネオコン派(=ジャパンハンドラー)に媚びている意図はよくわかるが、あまりにも幼稚な、単純な図式化であった。
しかしながら、このような幼稚な嘘のプロパガンダを公共放送であるNHKが日本の将来を担う子供たちに押し付ける権利が何処にあるのだろうか。こんな放送を平気でしている日本人は、自分の胸に手を押し当てて日本人としての誇りと良心を呼び起こすべきであろう。
それでは、より真実に近いと思われるシリア情勢を知っていただきたい。
今起きている事は、米国覇権の衰退である。そのためにこれから中東情勢が大きく変わろうとしている。主役はロシアのプーチンである。911以降、世界情勢をいいように混乱させてきたネオコン=戦争屋=シオニスト勢力の時代が終わろうとしているのである。このことをジャパンハンドラーに支配される日本の大手メディアは報道することができない。それは、日本を支配している日本の官僚が以前のレポートでも指摘したように「従米戦略というオプション」しか持っていないためでもある。今回は、このことがよくわかる記事を紹介したい。
以下、行政調査新聞2015年10月10日号より
http://www.gyouseinews.com/p4_naigaijousei%20kokunaitenbou/p4_2_naigaijousei_kaigaijousei.html
中東の地図が塗り替えられる!―米国が中東を手放すときが迫っている―
昨年(2014年)6月、中東の地に突如出現した「イスラム国(IS、ISIL、ダーイシュ)」はその後猛威を振るい、多くの地域を破壊し人びとを殺戮した。米国を中心とする多国籍軍の空爆など物ともせず、活動拠点をイラクからシリアに移し、シリア全土を滅茶苦茶に荒らした。「イスラム国」の破壊活動により、大量の難民がヨーロッパに押し寄せることとなった。このまま中東全域は戦乱に呑み込まれ、全世界を恐怖のハルマゲドンに巻き込む可能性すら考えられたが、9月になって、状況は激変し始めている。中東はこの先どうなるのだろうか。
ヨーロッパに流れ込んだイスラム国戦士
9月2日にシリア難民の3歳児アイラン君の遺体がトルコの海岸に打ち上げられ、この映像や写真を見た世界中の人びとが涙を流し、それをきっかけにヨーロッパで難民受け入れの気運が高まった。
シリアを中心とする中東やアフリカから欧州に殺到した難民の数は、第二次大戦後最大となり、9月末には16万人を大きく越えたと報じられている。その難民の中に「イスラム国」の工作員、戦闘員が紛れ込んでいるという疑惑は、かなり早い段階から浮上していた。しかし陸路あるいは海路、続々とやってくる膨大な難民について、その素性や身元を確認することなど、まったく不可能だ。英紙『デイリー・エクスプレス』はこの問題を大きく報じている。その報道によると、難民に紛れ込んで「イスラム国」の戦闘員が4000人以上も欧州に潜入したという。
中東情勢に詳しい専門家たちも「イスラム国戦闘員4000人が欧州に潜入」という情報を精度の高い情報と受け止めている。潜入した戦闘員が武器を入手する手段はいくらでも考えられ、欧州各地でテロが引き起こされる可能性が高まっている。
「イスラム国」潰しに動いた諸勢力
9月中旬に国際テロ組織であるアルカイダの最高指導者ザワヒリは、「イスラム国」の指導者バグダディを「偽物のカリフ」であると発表した。カリフとは預言者ムハンマド(マホメット)の後継者のこと。バグダディは「イスラム国はカリフ制国家」であり、「自分がカリフだ」と宣言していたのだが、同じイスラム教徒であるアルカイダNO.1のザワヒリが明確にこれを否定し、「バグダディのイスラム国はパレスチナ自治区などイスラム国の支配地以外ではイスラム教徒を支援していない」と厳しく批判している。アルカイダも「イスラム国」を敵と見なし、その殲滅を求めている。アルカイダに限らず「イスラム国」を敵視する国や組織は多く、物理的な攻撃も行っているが、その成果は現れていない。
昨年(2014年)9月以降、オバマ大統領は「イスラム国根絶」を目標に掲げ戦闘を開始した。米空軍機を中心に湾岸各国の爆撃機、戦闘機、あるいは無人機が「イスラム国」の拠点を空爆し、これまでにイラクとシリアで5万3000回の出動と6700回の空爆が行われたとされる。この作戦には合計37億ドル(約4440億円)が投入され、大規模な軍事攻撃が繰り返されたのだが、「イスラム国」に甚大な被害を与えたという実績は、残念ながらほとんどなかった。いっぽうで、米国と同盟国による「イスラム国」攻撃の結果、民間に大きな被害が出ており、一般人の死者数も600人に達している。
シリア政府軍と敵対し、同時に「イスラム国」とも敵対しているシリア反政府軍の装備と訓練に、米政府は5億ドルを投入することを決定。さらに「イスラム国」と地上戦を戦う兵士をトルコ、ヨルダン、サウジ、カタールで集め、今年中に5000人規模の軍隊を準備する予定があるとされる。しかし米政府が肩入れしている軍団だが、最初に作られたグループ54人は「イスラム国」の攻撃を受けて壊滅。現在は200人しか集められておらず、先行きが危ぶまれている。
米国も同盟国も、昨年から1年以上にわたって「イスラム国」を壊滅させようと努力してきたように見えるが、膨大な戦費を使ったものの、成果はゼロに等しい。
「イスラム国」を支える米国軍産複合体
本紙は以前から「イスラム国」の背後に米国とイスラエルが存在していると書いてきた。バグダディが重傷を負ったときにはイスラエルの病院に逃げ込んでおり、イラク軍はそれを確認し公表もしてきた。米軍は「イスラム国」と戦う相手に武器弾薬を支援するといいながら、(意図的に)間違えて「イスラム国」に武器弾薬を空から投下していた。
こう記すと「米国の背後にはユダヤ国際金融機関が存在し、彼らが米国を操っているのだ」と納得する人がいるかもしれない。あるいは「米国という『会社』の社長はオバマだが、実権を持つオーナーは軍産複合体だ」と、したり顔で解説する人もいるだろう。だが実際はそれほど単純ではなく、米国内部もいくつかに分裂している(とはいっても滅茶苦茶に複雑なわけでもない)。
イスラム国を支援し、彼らに武器弾薬を与え、中東を混乱に導いているのは米国の軍産複合体である。そして軍産複合体とは目標が多少異なっているが、とりあえず同一歩調をとっているのがイスラエルだと考えるとわかりやすい。
この状況打開に、軍産複合体と対立するオバマ大統領はイラクと核協約で妥協し、さらにシリア問題の処理をロシアに投げかけた。オバマにとっては米国内部での政争に勝つためには、何としても軍産複合体を叩く必要があり、「肉を切らせて骨を断つ」覚悟でロシアとの協調を選んだのだ。この一事だけを見ても、米国が一枚岩ではないことが理解できる。
プーチン大統領がアサド政権を支援
9月28日の国連総会で、ロシアのプーチン大統領は演説の大半の時間を中東情勢に回し、「極めて危険な組織である『IS(イスラム国)』と戦う国際戦線の設立」を呼びかけている。その演説の中でプーチンは「アサド敵視をやめてシリアを安定させないと、欧州への難民の流れも止められない」とも語っている。
プーチンのこの演説より1週間ほど前には、米国のケリー国務長官がロンドンでハモンド英外相と会談し、「シリア内戦の解決には政治的な安定が必要」との認識を示し、「国民から支持されていないアサド大統領の退陣」を求めている。
米英政府がアサド退陣を求め、ロシアがアサド支援にシリア内戦に介入することで、米露両軍が偶発的に衝突する可能性が出てきている。これを見越して米カーター国防長官と露ショイグ国防相は電話で会談している。米露両国のハイレベル接触は昨年3月のウクライナ危機で凍結され、今回はそれ以来の接触となった。しかし両国の駆け引きは、まだ始まったばかりだ。じつのところ、米露両国を最終戦争の舞台に引きずり出したいと考えている勢力は、シリア内戦にロシア軍が出張ってくることを期待している雰囲気がある。欧州に流入したに違いない「イスラム国」戦闘員の問題も含め、中東情勢は綱渡り状態が続き、いつ何が起きても不思議ではない。
ロシアがシリアの「イスラム国」を空爆
プーチンの国連総会演説の2日後となった9月30日から、ロシア軍機はシリア国内の「イスラム国」拠点やアルカイダ系のアルヌスラ戦線などを空爆した。どちらの組織もアサド政権と敵対するもので、空爆は3日連続で行われ、ロシア軍の発表では60カ所が爆撃されたという。60カ所のうち50カ所が「イスラム国」の拠点で、とくにラッカにある「イスラム国総司令部」の爆撃にはバンカーバスター弾が使用され、総司令部は完全に破壊され、同時に近くにあった武器弾薬庫も大爆発により消失したと発表されている。
米国や同盟国の執拗で大規模な1年余の攻撃にビクともしなかった「イスラム国」だが、わずか3日間のロシアの空爆で致命的なダメージを受けてしまった。「イスラム国」の兵士たちは家族を安全な地方や隣国に避難させ、また欧州各国から戦場にやってきていた600人の兵士は、自分の故国に戻ってしまったという。ロシア政府は今後もしばらくの間、同様の空爆を継続させると発表しており、あれほど頑健だった「イスラム国」が崩れ始めている。ロシアはさらに、イラクだけではなくイラン政府にも働きかけ、イラクの首都バグダッドに「対イスラム国戦情報収集センター」を設立した。この結果、ロシアとシリア、イラク、イランは完全に歩調を揃え、「イスラム国」殲滅に邁進することは間違いないだろう。この4カ国の強固な結びつきは、これまでの中東には見られなかった形式だ。そしてここにはさらにクルド系武装組織も加わりそうなのだ。
ロシアによる「イスラム国潰し」を演出したオバマ
これまでの1年余、米軍中心の対「イスラム国」掃討戦は効果がなかった。軍産複合体の支配下にある米軍本流は「イスラム国」を本気で潰そうとは考えず、むしろ支援しようとしてきた。同盟国のサウジやヨルダンなどは、米軍の情報を元に「イスラム国」の拠点を空爆してきたが、ほとんどのところで無人の砂漠を爆撃するだけに終わっていた。
ロシアの空爆は米軍とは違って、本気で「イスラム国」を潰しにかかったものだ。問題はこの先、シリア政府軍を支援するロシアと、反政府軍やこっそり「イスラム国」を支援している米軍が正面衝突する可能性があるか否かだ。じつのところイスラエルは本気でその演出をしたがっているし、軍産複合体が待ち望んでいる大戦争でもある。しかし米露両軍の激突の可能性は恐ろしく低い。ゼロに近いか、または完全にゼロだろう。なぜか。ロシア軍による「イスラム国」空爆の3日前、プーチンの国連総会演説の日にプーチンとオバマが会談しているからだ。
もともとシリア内戦を早期に収束させようと、ロシアを引っ張り出したのはオバマ大統領である。オバマは軍産複合体との政争に勝つためにロシアを引きずり出し、そして勝利した。黒人大統領オバマの見事な勝利の結果が「イスラム国」の落日に繋がっているのだ。
米国隷属情報しか流さない日本の大マスコミ
米欧だけではなく、日本のマスコミは軒並み、中東とくにシリアの内戦に関しては米国を評価し、ロシアを悪者扱いしてきた。米国を高評価しロシアを叩くことは、米ソ東西冷戦時代から続けられてきた「正義」だと勘違いしているマスコミや評論家たちが、いまだ日本では圧倒的なのだ。しかしシリア内戦、対「イスラム国」戦に関しては、ロシアの手法は理にかなったもので、米国のやり方は間違っている。
米国や同盟国は、国連安保理の決議など得ずに、しかもシリア政府を無視して、シリア国内を空爆していた。これは国際法上、完全に違法である。いっぽう今回のロシアによるシリア国内の空爆は、シリア政府の要請に従ったもので、国際法上は合法である。米国が「国民の支持のないアサド政権を守るために空爆することは許されない」とロシアに怒りをぶつけているが、これは法を守らない側の言いがかりである。日本の国際ジャーナリストとか大マスコミの解説者のほぼ全員が米国べったりの評論を繰り返しているために、中東情勢が見えなくなっている。そうした意味ではネット上の情報には正しい評価が多い。(たとえば最近では『MAG2NEWS』で「右翼よりも重症…日本人ジャーナリストたちの『米国への属国根性』http://www.mag2.com/p/news/118965」といった記事などがある。)
中東はロシアの手によって安定する
露外務次官ミハイル・ボグダノフはシリア問題解決のための会議を10月中に開催すると発表した。この会議は「コンタクト・グループ会議(連絡先集団会議)」と名づけられ、ロシア以外に米国、エジプト、イラン、トルコ、サウジアラビアの計6カ国で構成されるという。
当初、アサド大統領潰しのために米国と歩調を合わせていたトルコとサウジは、プーチンの説得に応じ、米国はもはやアサド政権継続もやむなしの状況に陥っている。
難民が押し寄せて治安の悪化に悩む欧州各国は、プーチンの「シリアが安定しなければ難民危機は解消できない」という言葉に乗り、アサド政権を容認する方向に向かっている。とくにドイツのメルケル首相はプーチン案に好意的で、シリアでロシア軍が主導する多国籍軍(国連軍)が活躍する可能性も多分に出てきている。シリアでのこの方策が成功すれば、南スーダンでもマリ、ダルフール、コンゴでも同じ手法で問題が解決すると考えられる。中東やアフリカ各国の安定は、もはやロシア主体でしか考えられないのだ。
さらにシリアでのコンタクト・グループが成功すれば、ウクライナは間違いなく安定の方向に向かうだろう。とはいえ、安定を望まない強力な勢力が消えたわけではないので、世界が安定安寧に向かっているとは言い難いが。
世界の全体像を大雑把に理解すべき
日本の大マスコミ、有名評論家、ジャーナリストたちは「親米」あるいは「米国隷属」であって、中立的な判断が出来ない。「安保法制」では半世紀も前の反米闘争のような雰囲気を見せながら、全体的な国際情勢判断では完全に米国隷属の愚かな提灯持ちと化している。ヨーロッパで、ウクライナで、中東で、そしてアフリカで何がどのように進んでいるのか、大雑把に全体像を把握する必要がある。
とはいえ、それをここで開示するには紙幅もない。いきなり結論を言うなら、米国従属路線を直ちに放棄すべきだということだ。お断りしておくが、だからといって中国と手を組めなどとはいわない。日本の独自外交を切り拓くか、それが出来ないのであれば全方位外交を展開しろということだ。そしてわれわれ庶民大衆は声を大にしてその方向を支持することだ。
今回の対「イスラム国」戦に関して、中国はまったく関与しようとはしていない。しかしじつのところ、ロシアがシリアで力強く動くことが可能なのは、ウクライナ危機で欧州にエネルギーを売ることが出来なくなったとき、欧州に代わって中国が石油やガスを買って経済的に支援したからである。また中国は国連平和維持軍への参加の拡大を表明し、新たな兵力を南スーダンなどアフリカに派兵することを表明している。これまで米英主導で展開されていた世界平和の枠組み、行動に、ロシアと中国が大きく関与するようになるはずだ。安保法制の確立により、日本の自衛隊の海外派兵の道筋が作られたが、それは自衛隊がロシア軍や中国軍と行動を共にする可能性が強まったことを意味している。
経済的苦境のため、米国が世界の指導者の座を降りることは百パーセント間違いのない話である。ロシアや中国、あるいはEUが、米国に代わるわけではない。世界は集団指導体制のようになる。米国隷属を続ける限り、日本に未来はない。一刻も早く米国とのしがらみを断ち切り、真の独立国家にならなければならない。そのために庶民が声をあげるべきなのだ。(引用終わり)
もう一本、海外の記事を紹介させていただく。以下。
「力の均衡が決定的に変化した」 Paul Craig Roberts 2015年10月10日
9月28日、ロシアのプーチン大統領が国連演説で、ロシアはもはや耐えることができないと述べて世界情勢の大転換が起きたことを世界は認識し始めているワシントンの卑劣で愚劣で破綻した政策が解き放った混乱は、中東、そして今やヨーロッパを席巻している。二日後、ロシアはシリアの軍事情勢を支配して「イスラム国」勢力の破壊を開始した。
おそらくオバマ顧問の中にも、傲慢さに溺れておらず、この大転換を理解できるごく少数の人々はいる。スプートニック・ニュースは、オバマの安全保障担当幹部顧問の何人かが、アメリカ軍勢力をシリアから撤退させ、アサド打倒計画をあきらめるよう助言したと報道した。彼らは、ワシントン傀儡のヨーロッパ諸国を圧倒している難民の波を止めるため、ロシアと協力するようオバマに助言した。望んではいなかった人々の殺到で、アメリカの外交政策を可能にしておくことによる大きな犠牲に、ヨーロッパ人は気がつきつつある。顧問たちは、ネオコンの愚かな政策がワシントンのヨーロッパの帝国を脅かしているとオバマに言ったのだ。
マイク・ホィットニーや、スティーヴン・レンドマンなど、何人かの評論家たちが、「イスラム国」に対するロシアの行動について、ワシントンができることは何もないと正しく結論している。ロシアを追い出すための、ネオコンによるシリア上空の国連飛行禁止空域計画は夢物語だ。そのような決議が国連で行われるはずがない。実際、ロシアが既に事実上の飛行禁止空域を設定してしまったのだ。
プーチンは、言葉で脅したり、中傷したり一切することなく、力の均衡を決定的に変え、世界はそれを理解している。
ワシントンの対応は、罵倒、大言壮語や、更なるウソしかなく、しかもその一部を、更にいかがわしいワシントン傀儡がおうむ返しする。唯一の効果は、ワシントンの無能さの実証だ。
もしオバマに、多少の思慮分別があれば、政権からワシントンの力を浪費したネオコンの能なし連中を追放し、ヨーロッパやロシアと協力して、ヨーロッパを難民で困らせている、中東におけるテロの支援ではなく、破壊に注力するはずだ。
もしオバマが過ちを認めることができなければ、アメリカ合州国は、世界中で信頼性と威信を失い続けるだろう。(終わり)
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。
彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文:http://www.paulcraigroberts.org/2015/10/10/decisive-shift-power-balance-occurred-paul-craig-roberts/ (引用終わり)
1945年の敗戦以来、日本の国家戦略は、一貫して「対米依存、従米」である。この70年の間に冷戦の終了を含めて国際情勢は大きく変化している。そして今、シリアから大きく国際情勢が変わろうとしている。考えてみれば、周囲の状況が変わっても変わらない戦略などが国家戦略と呼べるものではないことは明らかである。戦後、米国によって奪われてしまった戦略思考能力を日本人一人、一人が取り戻さないと21世紀の日本の未来は見えて来ない。
<藤原直哉プロフィール>
1960年東京都生まれ。
1983年東京大学経済学部卒業。住友電気工業株式会社入社。電線ケーブルの海外輸出業務および企画部門に従事。
1985年経済企画庁経済研究所出向。世界経済モデルを使ったイタリア、日本および米国の短期経済予測、講造分析、計量経済分析の信頼性向上のための研究に従事。
1987年ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社入社。投資戦略調査部で債券・株式の数理分析に従事。特にオプション、スワップなどの金融デリバティブ商品、市場のベンチマークとしてのインデックス、および米国のモーゲージ担保証券に関する広範囲な研究・業務に従事。
1996年シンクタンク藤原事務所(株式会社あえるばの前身)設立。