今から18年前に起きた911は、1985年のプラザ合意、1989年のベルリンの壁崩壊とともに現代史を大きく動かした不思議な事件であった。
プラザ合意、ベルリンの壁崩壊は、日本のバブル経済の始まりと終わりに照合している日本経済に大きな影響を与えた事件である。
そして911は、日米安保による日本の安全保障政策に変質を迫るものであった。
ほとんどの日本人は、目をそむけているが、現在、米国が世界の覇権国でなくなる、日本が国家としての自立をしなければならない時が<アメリカファースト>のトランプ登場によって加速度がついてきている。
また、テロとの戦争の裏では、デリバティブという金融商品の巨大なババ抜きゲームが仕掛けられていたことも忘れてはならないだろう。
覇権国家としての米国経済の延命装置が、テロとの戦争による戦争経済、そして金融工学による過大な信用創造にあったと考えるべきである。
そう考えるとこの二つの戦略がどういう結末を迎えるかという最終局面に現在はある。
トランプはそのために登場した大統領である。
その意味で、私たちはは、何が変わったのか改めて確認しておく必要があるだろう。
日本のマスコミでは、いまだにタブーだが、911が自作自演だというのは、外国の情報機関ではすでに常識のようである。
そして、米国は、現在の最終局面で、世界最大の債権国であり、米国の属国である日本に集団自衛権の行使、TPP参加(現在はさらにハードルの高いFTA)、異次元金融緩和によるさらなる米国財政へのフィアンナンスを要求してきた。
現在、安倍政権は懸命に日米通商交渉を見てもわかるようにアメリカに120%協力しているが、やがて、米国覇権は終焉し、結局今のままでは、日本政府の努力は報われることはないだろう。
戦後半世紀以上、国家主権を事実上、米国に預けてきた怠慢のツケをまだ、日本は支払い続ける運命(さだめ)なのかもしれない。
これからの日本を担う経営者、教育者、若者はこのことをしっかり頭の中に叩き込んでおく必要がある。
考えて見れば、私たち日本人は、昭和天皇がつくった冷戦時代のみに有効に機能した「安保国体」から、脱却しなければいけない時代を迎えているのである。
その意味では、戦後日本の論壇で分類されていたような右派、左派の色分けは全く意味がない時代が来てしまったということでもある。
そう言った観点で日本の政治を眺めてみると、新しい時代を見据えている政党が皆無だということに気が付いて愕然とすることになるだろう。
もっとも、日本の政治を実際にリードしている官僚がほとんど<従米の考え>しか持てないようになっているのだから、日本の現状では、「ないものねだり」ということになるのかもしれない。
日本人、一人一人がそれぞれ巻き返しの秘策を懸命に考え続ける努力が求められている時代に入ったということだろう。
それでは、田中 宇氏が911テロ事件について、わかりやすい記事を書いているので紹介させていただく。以下。
田中 宇氏
「崩れない911公式論」2019年8月23日 田中 宇 |
2018年(昨年)4月、911事件に関する米政府の判断に疑問を持つ米国の弁護士たちで作る「911調査弁護士会(Lawyers’ Committee for 9/11 Inquiry)」が、911事件現場であるニューヨーク市の検察に対し、「911事件で倒壊した世界貿易センタービル(WTC)は、米政府の公式論のような、ハイジャックされた飛行機の衝突で倒壊したのでなく(ジェット燃料の燃焼温度ではビルの鉄骨が溶けない)、あらかじめビル内に仕掛けられた、ビル制御崩壊(高層ビル解体工事)用の高性能爆弾の爆発によって倒壊したと考えられるいくつもの証拠がある。
倒壊現場から高性能爆弾に特有の物質が見つかっているし、当日の消防士らの証言や、WTCの倒壊を撮影した動画の分析などが証拠だ。誰が何のために高性能爆弾をWTC内部に仕掛けて爆発させて多くの人々を殺したのか、米政府がなぜ間違った結論に固執しているのか、米検察は再捜査すべきだ」という趣旨の請求書を出した。 (Lawyers’ Committee for 9/11 Inquiry) (9/11: Finally the Truth Comes Out? Jan 4, 2019)
これまで何度か書いてきたように、2001年9月11日に起きた911「テロ」事件に対する米政府の公式な結論は、いくつもの点で不合理で、その不合理さの一つが、911調査弁護士会が指摘した「WTCの倒壊はどう見ても爆弾による制御崩壊」ということだ。
この指摘はすでに911事件の当日、米軍系の研究所の制御崩壊の専門家であるバン・ロメロ(Van Romero。当時ニューメキシコ鉱業技術研究所副所長)がメディアに対して語っている。ロメロ氏はその後、公式論の方向に発言の訂正を余儀なくされた。
911事件の多くの不合理さは、マスコミや権威ある人々(軍産傀儡)にとってタブーであり、うっかり不合理さを正直に指摘した人はロメロ氏のように上の方から強い圧力を受けて態度を変えさせられる。指摘した人が一般人の場合は「頭のおかしい陰謀論者」のレッテルを貼られる。
米国の上層部(軍産エスタブ)は、911に関する不合理な公式論を、不合理だと人々に指摘させない「タブー化」によって維持してきた。
米上層部は、公式論が不合理であると知りながら、力づくで公式論を維持してきた。
911調査弁護士会の請求も「陰謀論に毒された頭のおかしな異端の弁護士たちの奇行」とみなされて米当局から無視されて当然だった。
だが意外なことに、請求書を受け取ったNY市南部地区の検察は約半年後の18年11月、「911に関する再捜査が必要かどうか、大陪審を招集して審議してもらうことにした」という趣旨の返答を、911調査弁護士会に対して出してきた。
これは、米当局(の一部)が初めて911公式論に対する不合理さの指摘に対して無視の一点張りによるタブー化の維持から脱却し、公式論の不合理さについて審議することを手続き上認めたものとして画期的だった。 (7 NOV 2018 — U.S. Attorney Geoffrey Berman Will Comply with 18 USC Section 3332) (“Breakthrough”: U.S. Attorney Agrees to Present Evidence of WTC Demolition to Federal Grand Jury)
だが結局、その後さらに9カ月が過ぎたが、911再捜査の是非を審議する大陪審は召集されていない。
昨年11月の検察側からの返答は、形式を取り繕うための「だまし」だった可能性が増している。
WTCのビル崩壊原因をめぐる公式論の不合理さを感じている人々の中には、911当日、現場に駆けつけてWTC内部に取り残された人々の救出作業中にWTCが崩壊して死亡したNY市の消防士たちの関係者がいる。
彼らの一部であるNY市の自治的な消防団の一つである「フランクリン広場・ムンソン地区消防団(FSMFD)」の運営委員会は7月24日に委員会を開き、委員5人が全会一致で、911事件の再捜査を求める決議を可決した。 (New York Area Fire Commissioners Make History, Call for New 9/11 Investigation) (NY Fire Commissioners Demand New 9/11 Probe, Citing “Overwhelming Evidence of Pre-Planted Explosives”)
この決議は、NY市南部地区の検察に対し「911調査弁護士会に対して昨年約束した大陪審の招集を早く進めてくれ」と促す意味がある。
米国の公的な機関が911再捜査を求めたのはこれが初めてだ
。FSMFDは、WTCから約20キロ離れたNY市内のクイーンズの方にある消防団で、911当日に消防車で駆けつけて救出活動をしている間にWTCが崩壊し、24人の消防士が死亡している。 (Do firefighters believe 9/11 conspiracy theories?)
911事件は間もなく事件から18年が過ぎる(この記事は気の早い「18周年記事」だ)。
記憶は風化し、多くの人にとって真相などどうでも良い「昔の話」になっている。
公式論の不合理さを指摘する人を陰謀論者扱いする体制は固定され、ほとんど揺らがない。
だが同時に、近年トランプが米大統領になって、911後に米国が展開してきたテロ戦争や単独覇権主義のインチキさが露呈するような戦略を展開し、米国と世界の人々が911とその後の米国の戦略の不合理さをより強く感じる流れになっているのも事実だ。
911公式論は、表層的(報道されている仮想現実的)には、まだ鉄壁の強さだが、実質的には、以前より多くの人がおかしい、怪しいと思うようになっている。 (Majority Of Americans Do Not Believe The Official 9/11 Story) (How is London’s Grenfell Tower Still Standing?)
(引用終わり)
*全文は以下のアドレス
http://www.tanakanews.com/190823wtc.htm